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平成生まれギリギリ若手マーケ担当が感じる、部門横断型業務を行う人に必要な2種類の言語化力

2021年、あけましておめでとうございます!
今年は業務でこれまでチームで計画してきたことを実行・発信していく1年になるので、わくわくどきどきを止めず、一気に駆け抜けていきたいです。

まもなく今の会社にジョインして1年。
ちょうど年末の自分の振り返りとして、これまでどんな歩みがあったか、どんな想いをもってキャリアチェンジしたのかを思い出すために
転職当時Markezineさんに取材いただいた記事を読み返したりしました。

すると、こんなことが書いてありました。

"セミナーなどの登壇機会をいただくことも増えましたので、積極的な発信にも取り組み、業界やいわゆる若手の活性化に貢献し、自分も学びを得たいです。セミナーは、自分の考えていることや学びを整理して、体系的に組み立て直す、とても良いきっかけになります。人に話すことで自分自身にもより定着しますし、いろんな業界の方と会えることも魅力的です。"


・・・・・・。

去年の私よ、すまない。
私、去年こんなこといったけど全然発信してないではないか。

というわけで、諸先輩方の素晴らしいウェビナーや考え方の整理には到底及ぶにはいつになるのやら・・・(蜃気楼を見る目)と恐れ多くはなりつつ、

私は私なりの視点で、現場担当としての目線で、
自分の備忘録も込めて感じたことを発信したいと思います。


さて本題!


私の仕事について


丸亀製麺を筆頭に、世界中で「手づくり・できたて」とその実演をお届けしているグローバル飲食企業の「トリドールホールディングス」で、海外事業の1人目マーケティング担当として働いています。
ちなみに当社はこんなにたくさんのブランドを持っているんですよ!(下の方が海外のブランドです)

当社での私のミッションは、ちょっと長いですがこのように捉えています。


グローバルマルチブランド戦略に沿って
トリドール 各ブランドとお客様の関係を強化し、
日本の丸亀事例を中心としたマーケティングノウハウや仕組みを各国に展開し、
海外→海外/国内→海外/海外→国内の展開を加速させること。


主な業務の方向性は4つありまして、こんな感じです。

1.海外ブランドのマーケティング活動サポート
2.海外事業マーケ力強化のためのガバナンス推進(a.k.a トリドール プラットフォーム)
3.海外ブランドの他国進出の推進
4.丸亀製麺のマーケティング(ブランディング/プロモーション活動の計画と実行)


なぜ書いているのか


業務紹介の通り、私は海外事業と国内事業を横断して仕事をしているので
様々な国・文化・スキル・知識、そして気持ちやモチベーションの人に協力してもらいながら何かを推進することが多いです。
2020年はたくさんのトライアンドエラー、そして上司からのフィードバックをいただきながら、社内各チームと少しずつ信頼を積み重ねてきました。


しかしお恥ずかしながら各チームとコミュニケーションするのに「あれま、やっちまったな!」という失敗も多く、
2021年仕事はじめから新しい業務に就く方、今年から就職する方、もしくはキャリアチェンジする方などに
私の反省と学びをご覧いただき少しでもお役に立てたらと感じています。


一方で、私の考えが正しいとは全く思っておらず、あくまで私がここ1年で感じた反省録となりますゆえ、
これをFacebookやTwitter経由でご覧いただいたお知り合い・仕事仲間の皆様には
ぜひ奇譚なきアドバイスや意見をいただきたい。と思ってる次第です。
(そうしたら、自分の考えもまたアップデートできて大変ありがたいのです。)


部門横断型業務を行う人に必要な2種類の言語化力とは

※これはあくまで上記に記載している立場の私が、今年一年で業務を通して感じた個人的な感想となります


まず、この1年で、部門横断型でお仕事する人ってこんな素養が必要かなー。と感じました。
(異論はオープンに受け付けます。むしろ諸先輩方教えてください。)


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その上で色付けしているところが今回多く学びをえたので書きたいところ。
つまりこのnoteにおける"言語化力"を言い換えると、


言語でのコミュニケーションにおいて、
相手に納得感をもって内容や言葉が伝わるようにする方法


と捉えていただければ幸いです。


そして、ずばり私が必要と感じた2つの言語化力は以下の二種類です。


①抽象ワードの書き下し力
②相手の立場と気持ちを踏まえた翻訳力

では、それぞれ一体なんなのか。

私なりに考えていることを書いていきたいと思います。


言語化力①抽象ワードの書き下し力


人とは前提が違うことに気づこう

ボス「篠原さん、ここでいってる"インサイト"って何ですか?」

ボス「篠原さん、ここでいってるブランドパーソナリティって、XXXXXXXXXXXXXXXXXってことであってますか?こういう背景からいってますか?」


昔の私「ええと・・・・・・・(汗)」


これ、入社したころの私です。恥ずかしい・・・。
抽象的な言葉って、便利だからついつい使いがち。

とはいえ使ってる自分に問いかけると、意外にその意図をしっかり考えられていないのです。

あれ、私やばいのではないか。と気づいたきっかけは、そんな会話を上司としているときに読んでいた一冊の本から。


名著「ストーリーとしての競争戦略」です。
(当社社長も社員におすすめした大絶賛の本。私も人から勧めていただき読んでよかったと感じる、困ったら立ち返る本)


そこにはこんなことが書いてあったと理解しています。


バズワードは本質的な意味、つまりその背景にある論理や言葉自体が浸透するまでの潮流を見ると意味があるが、言葉自体が抽象化されすぎているのでそれだけを単純に利用すると思考が停止する。



あああ、、、私、、、、完全にこれをマーケティング用語でやってしまっている。


例えば「インサイト」ひとつとっても、そもそも必要なのはインサイトではなく、インサイトを活用した上で"何か"を計画したり、実行したりしたいはずだったのです。
つまり"インサイトの役割"をしっかりすり合わせしないと、自由気ままな意見の投げ合い合戦になってしまうわけです。


本の中にも、こんな会話例が書かれていました。

「コアコンピタンスとは?」
「中核的な強みのことだよ」
「じゃあ、ニューエコノミーは?」
「そりゃあ、これまでとは全く違う経済の到来で……」
「メガコンペティションって何でしょう?」
「そりゃ、すっごい競争でしょ」
「ハイパーコンペティションは?」
「ものすごくすごい競争だよ。メガコンペティションの五割増しぐらいの……」
「それではお聞きしますが、規模の経済と収穫逓増の違いは?」
「うるさいな、もう。パシッ(日経ハリセンで私の頭をたたく音)」


まさに、これをやっていたと反省。


私は私の中で「ここでいうインサイトは・・・」を自分の言葉で説明できなかったのです。
それはおそらく私の中で「この言葉を使えば相手も同じページにいてくれるだろう」という期待と的外れな予想があったからです。


昔の私よ。
人は異なるバックグラウンドや異なる文脈でそのワードを見ているのです。だから同じ言葉を使ったところで、目の前にいる人は同じような理解で、その言葉を使ったり聞いたりしているのではありません。


これに気づいてからは、例えば、

「ここでインサイトを検討すると〜〜〜〜〜のような役割を担ってくれると思います。だからここでのインサイトは"顧客が自分でも自覚していない、潜在的な心の願望"」と定義させてください。


というように、自分の言葉で書き下して、会話をするようになりました。

ここがお伝えしたかった書き下しの意味です。

抽象的な言葉は、自分がその場の皆さんの辞書になったつもりで、そこで使われている背景に基づいてきちんと書き下し、もう一段階わかりやすい言葉にする。
(さきほど言語化力を書き下したのもそういう理由です。)


そうすると、より目的に対して質の高いディスカッションができるようになったり、後から気づいちゃった「あれ、論点ずれてるね?」現象がおきにくいと実感しました。


(そもそもインサイトも超抽象的だからインサイトの話してるのにてニーズの話しちゃってるときありますよね・・・まあその反省話はまた別で・・・笑)


全体感を理解し・伝えて具体化しよう


さっきお見せしたこの図が

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まさにここで言いたいことなのですが

いきなり「これから、部門横断型人材ほげほげ〜〜〜の、言語化力の話をします!」っていわれても、聞き手の方によっては?と感じてしまう人もいるのではと思います。


「いやそもそも部門横断型人材ってなんやねん」

「部門横断型人材って言語化力より必要な要素あるのでは?」

「お前は部門横断型人材なのかよ、はいはいすごいですね」(これは泣いちゃうからやめてw)


など色々感じることはあると思うのですが、
仕事の上で一番他者に、そして特に上司がいる方は上司に感じられてはいけないのがこれかな思います。


「こいつ全体像見えてるのかな」

「点の、枝葉の話してるな」


これ、危ないです。


私のようなギリギリ若手の立場からすると、社内も社外も目上の人が基本的に多い。
そして自分より上のレイヤーの人は、当然ながら自分よりもっと広い視点で物事をみている。


常に全体像と具体的案件をみているからこそ、急に具体の話をするとどこの話をしたいのか、理解してもらえない可能性がめちゃくちゃ高いです。
(もちろん目上の人には限りませんがわかりやすいたとえなのでこのまま進行します)


なので、例えば今回の私で言うと、このnoteの書き方は


・部門横断型人材が必要な言語化力についてはなしたい!(概要)
・なぜなら私はこういう仕事をしているから!(背景)
・そもそもいまから話すことってこんな全体像があるとおもうよ(全体像の共有)
・その上でここについてはなすからね(具体のポイントアウト)


というように、概要→背景→全体像→具体のステップでお話しているので
単純に結論からいくよりかは、
なぜ私が、どんな立場でこれを書いているのか?
部門横断型人材に必要なスキルはどんなものがあると理解している人なのか?


が理解できているので、少しだけ頭の中の???が減っていると思うのです。(できてなかったら、すみません全力で謝ります・・・)


言語化力②相手の立場と気持ちを踏まえた翻訳力

次にお話したい言語化力は
主に人に行動是正をお願いするときに役立つ言語化力と信じています。


このトピックは学生時代から大事にしていたことで、
改めて会社の業務マルチ国籍・マルチカルチャーの「マルチ」の幅が広がり、
トライアンドエラーをしながら確信に変わった点でもあります。


なのでまずは、学生時代のきっかけからお話させてください。


正しいことを論理的に伝えたってそれは誰かにとっては正しくない


学生時代飲食店でアルバイトをしていた時に、
オペレーションのスタンダードを守ってくれないアルバイトスタッフに見つけ次第すぐに注意をしていましたが、
その行動を是正してくれない、ということが続いていました。


当時私はタイムリーなフィードバックこそ重要と感じており(これも育成マニュアルに書いてあったw)
とにかくかっこいい店舗にしたくて、メンバーの粗探しをしてしまっていたような気がしています。(反省)
注意しても守ってもらえない、だから苛立ちを覚える。そんな悪循環が起きていました。


そんな時、店舗のみんなから愛される店長(イケメンパパ。若い頃は散々モテたんだぞ!と話してくれる陽気な方)にこんなフィードバックをもらったことがありました。


「かなこ、正しいことを正しいと伝えても、伝えたことが正しいとは限らないんだよ。」


今でも覚えているとてもハッとさせられた言葉です。


そこから根気強く、その店長や先輩がアドバイスをくれて、上記の言葉を理解し実践する、つまりあらゆる人が自分の伝えたいことを受け入れてくれるための行動指針を教えてくれました。

そしてそれが今の私にとっても大事な行動指針となっており、翻訳力としてお伝えしたいことです。


1.相手が最も話を受け入れてくれる"タイミング"を見計らうこと

・忙しい時、立て込んでいる時、プライベート含め余裕がない時など、いくら自分が「あっ」と気づいた時でも言わない
・業務上が難しそうであれば小話のタイミングを作る
・そもそも受け入れてもらえない信頼関係ならまずは自分を見直し、自分が行動是正することも検討する

2.なぜいまその人がそういう行動をしているのか真剣に考え、どう伝えたら伝わるか、使う言葉と話し方のトーンを検討すること

・相手が仕事で大事にしていることを心から理解する。そしてそこに敬意を表す
・相手が聞きやすくなる「自分」になる(ex.普段ロジカルキャラならおちゃめさを出す、普段陽気なら困った、悲しい表情でお話するなど)
・相手の気持ちを察し、時には相手が言い訳できる余白を作り話しかける
・私も意見を言うが、もし間違っていたら指摘して欲しいと素直に言い
・相手がわからない言葉を使わない
・相手が知らない可能性があるものをあたかも知っているように話さない
・伝わりにくそうなことは相手の馴染みのある言葉や例を探し伝える


つまり、ここでの翻訳力とは


相手の心情や立場をまず自分の心の中に"翻訳"し、それを相手に伝わりやすいタイミングで、受け入れやすい言葉として"翻訳"し、伝えること


相手の心→自分の心の中への心の翻訳、そして相手に伝わる言葉への言語的翻訳と、二回の翻訳を行うのです。


この翻訳力は現在、主に他の国のメンバーや他部署、年次の違う方と話す時に役立っています。
(具体エピソードは私以外の人に関わることなので控えますが、もし興味がある方がいらっしゃれば個別でお話できればと思います!)


まとめ


このnoteで私がお伝えしたかったことのまとめです。


部門横断型人材に必要な"言語化力"とは・・・
言語でのコミュニケーションにおいて、相手に納得感をもって内容や言葉が伝わるようにする力のこと

①抽象ワードの書き下し力とは・・・
抽象的な言葉を、自分がその場の人の辞書になったつもりで、そこで使われている背景に基づいてきちんと書き下し、もう一段階わかりやすい言葉にする力のこと。そしてそれを時には全体像を持って話すこと。

②相手の立場と気持ちを踏まえた翻訳力とは・・・
相手の心情や立場をまず自分の心の中に"翻訳"し、それを相手に伝わりやすいタイミングで、受け入れやすい言葉として"翻訳"し、伝える力のこと


感想と今年のテーマ


2020年。動画系のスタートアップ→Twitterの広告営業というデジタル・広告畑の私が、外食企業という全く異なる業界へのキャリアチェンジ。
「事業会社」「問題解決」「店舗」「ブランド作りや強化」などのこれまで経験のないことを、
これまで働いた経験のない様々なバックグラウンド(コンサル出身の事業部メンバーやベテラン職人さん、立地や衛生などのプロフェッショナルたち)や国のメンバーと推進していくことはまさに「生みの苦しみ」でした。


これまでの領域ではAといえばAと通じたことや、外資特有の英単語で概要を理解してもらいある程度理解できちゃうような心地良さとは正反対の場所。
でも、だからこそ、また一年前には到底気付けなかったような過去の恥ずかしい自分にも気付けたのも事実。


だからこそ、この一年、私の失敗と反省を繰り返し見ても懲りずに語り続けてくださった人に感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございます。


そして、「結局1人じゃ何もできない」を痛感した2020年でした。

何かを作り上げたり、大きな波のうねりを作り上げるには、人との協力が不可欠。
そしてその人とチームになり、相互理解をして、有意義なディスカッション(誰かを論破したり打ち負かすディベートになってはいけない。)になると、1人では到底思いつかなかったような集大成アイデアが出来上がるもの。
チームっていいですよね〜。

それを行うために、地場で反省と失敗を繰り返しながら今日書いた言語化力を筋トレした2020年だったのだな、とひしひし。
この筋トレを元に、2021年、お客様も自分も驚き、そしてわくわくするような一年にしていければと思います!

取材でお話したこの夢も今年叶えたいな。


トリドール で、早く一人前のマーケターになりたいと思います。海外事業部の専任マーケターとして第一号の採用ですから、責任を持って成果を出し、組織を大きくしていくことが直近の目標です。


今回は伝えることを中心に書きましたが、次の私の課題は「傾聴力」とボスからすでに課題提起されてますので、笑
今年は傾聴力をコミュニケーションテーマに働いて行こうと思います。
また地場で鍛えられた発見があれば、書きますね。


ではみなさん、明日から仕事はじめがんばりましょうね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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