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Chocolate Tasting にはTPOがある

チョコレートのテースティングにはいろんな手法、種類があります。
先日、トモエサヴールで開催している基本のチョコレートテースティング講座において受けた質問から、その本質について理解していただくと、その方がより知りたい内容に近づけるのではないかと思いました。

トモエサヴールで開催している基本のチョコレートテースティング講座

トモエサヴールで私が厳選しているチョコレートの中から任意のチョコレートを使用して、
①カカオの風味が異なることを理解できる
②テクスチャーの違いを食べ比べることで実感できる
③自分の好みのチョコレートを探す手がかりを見つける

ということに特化しています。すでに高品質なチョコレートを選んでいますので、ネガティブな要素があるものはなく、高品質なカカオを使ったチョコレートがどういうものか?を知ることがまずできます。
ただし、子供の頃は山椒とかわさびが苦手だった、、というように「経験を深めることでわかる美味しさ」があります。ですので最初は今まで食べてきた「お菓子」のチョコとの違いにびっくりする方もいらっしゃるかもしれません。そんな方も回数を重ねていくごとにじわじわとその美味しさを実感していくでしょう。いっぺんに恋に落ちるように夢中になる方も多いです。
初めてビーントゥーバーの大海原?に出て決して1枚が安くないチョコレートをなるべく失敗せず自分の満足できるチョコレートに出会いたい。そんな方にぴったりです。
チョコレート=チョコレート だったところから少しチョコレートたちへの解像度が高くなっていくような専門用語も少しづつ知ることができます。
初めてビーントゥーバーに興味を持った!という方はぜひこちらに参加していだくといいと思います。1度やっただけではほんの入り口なので何度も回数を重ねることもお勧めいたします。回数を重ねるなかで、違いに関するなぜ?が生まれてきたとき、その答えをお届けすると理解がさらに深まるというもう少しステップを踏んでいくことができると思います。

IICCT (international チョコレートのテースティングにはいろんな手法、種類があります。

IICCT (International Institute of Chocolate & Cacao Tasting)

このNote内にIICCTのフレーバープロファイルを簡単に説明させていただいております。昨今の事情でオンラインで受講できるようになったことから日本の方で受講している方も増えてきたそうです。どうしてもリアルで学べることと限られてしまうワークもあると思いますのでいつかそういう方向けの補講もできればなぁなんて思いますが、、こちらは、ビーントゥーバーをもう少し詳しく理解したい方、また自分自身の味覚のチェックに多いに役立ちます。ビーントゥーバーの背景を理解し、自分自身の味覚の経験値を高めたい方にお勧めです。

カカオ生産者のためのテースティング

ニカラグアでのカカオ品種別・発酵別のテースティング
ペルーピウラでのマステースティング。専用のフォームでレーティングしていきます。

カカオ生産にはいくつものプロセスがあります。その中でカカオ生産者や、発酵施設で行うテースティングです。これはどの品種のカカオにどのようなフレーバーがあるのかという特徴をつかむことや、発酵・乾燥のプロセスの違いにおけるフレーバーの違いを検証しどのようなカカオに仕上げていくかということを判断していくためのテースティングです。主にカカオリカー(カカオ豆を粉砕し液状にしたもの)で行います。

フィードバックのためのテースティング

カカオ生産者の方へ試食チョコレートを持参して食べてもらいます

昨今はカカオ生産地でビーントゥーバーを製造しているところもありますが、実際にはカカオ生産者が自分たちのカカオがどのようなチョコレートになっているかイメージできないままカカオ生産をしていることがほとんどだと思います。私たちが美味しいと感じているチョコレートを実際に食べてもらうことで、自分たちのカカオのゴールがどこなのかをイメージしてもらいやすくなるこうした交流もできるだけやりたいことのひとつです。
カカオ生産とチョコレート製造が分断されていたところから、ビーントゥーバーの出現により、生産者とチョコレート製造メーカーの交流が生まれフィードバックの循環が起こっているのがビーントゥーバーがもたらしたひとつの良い現象の一つです。ここにさらに私は「消費者からのフィードバック」も加えるべくチョコレートを携えてカカオ産地に赴きます。

バイヤー業のテースティング

各メーカーでのラインナップをすべて試食。日本へ紹介するか否かを決定していきます

バイヤーとして日本に輸入するチョコレートの選定のためのテースティングを行います。この際には品質はもちろんのこと、その風味の個性や日本で受け入れられる味わいかどうかなど総合的なバイヤーならではの観点からのテースティングを行っていきます。商談時にはもうおなかいっぱいです、なんてことは言えないのですべてテースティングしていきます。1日に数件訪問するときには相当な量のテースティングを行うことになります。

ショコラティエのためのテースティング

ビーントゥーバーメーカーが自分の作品をつくる際にカカオを何度で何分焼いて、砂糖やバターの比率はどうして、どのような風味が引き出されるのか?目指したい味にするにはどうしたらいいのか?という検証をするためのテースティングがあります。
これは製造時の必須のテースティングです。行先のない地図ではなく行きたい場所にいけるブランドというのが実は意外に少ないのです。
(偶然たどり着いた場所の場合が多い)高品質なチョコレートを作っているチョコレートメーカーは日常からテースティングも多数している印象があります。
類似するものとして自社製品のクオリティーチェックのためのテースティングもあります。こちらは自社に独自の基準を設けてテースティングをされることが多いと思います。自社の掲げる風味とぶれていないか?というチェックです。

またクーベルチュールとしてチョコレートを使うショコラティエの方が自分の作りたい作品のためにふさわしい味わいのチョコレートを選定するためのテースティングもあります。これは使う副素材との相性を確認したり、作業性を確認したりという材料としてみた場合のテースティングです。

審査のテースティング

International Choolate Awards, Cocoa of Excellence,,, など、チョコレートやカカオにまつわる大会の審査のためのテースティングです。審査する対象や内容によって項目はわかれているためその大会基準に合わせてテースティングを行っていきます。

目的に合わせて行おう

これはチョコレートのテースティングだけではないですが「なんのために?」というWHYを忘れてしまう方が多いように思います。
WHYがあれば、かならずANSWERがあります。

テースティングというといつも同じことをしているように思われるかもしれませんが様々な目的があり、その目的に応じた解があるということを少し理解していただけたでしょうか。

日ごろはこのように様々な理由でテースティングを行っています。
筋トレと同じで何事も1日にしてならず。
資格というのは最初の基準の知識は押さえたということにすぎません。
いかにその後にその知識を深めながら活用できるか、が大切です。
1+1=2というふうに一度答えを覚えたらそれでよいというものでもなく
常に自分自身をアップデートさせていきながら経験を深める「数稽古」の先に見えてくる景色があるのです。

トモエサヴールオンラインショップでは「はじめてセット」という最初のとっかかりとなるチョコレートのセットも販売しているので講座に出る時間がない、まず最初はどうしたらいい?という人はそこからスタートして見られてもいいかなと思います。
https://tomoesaveur.thebase.in/categories/3530812

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