【日記】瓶詰めは時を止めている
瓶詰めのものが好きだ。
ピクルス、ジャム、スイーツに調味料・・・・
ガラスの瓶に入っているだけで、なんとなくときめく。
ムーミン谷の冬を思い出す。
ムーミン谷の人たちは、夏から秋にとれたフルーツを使って、ジャムを仕込んでおくのだ。
食べ物がとれにくい季節でも加工して保存食を作る。
その行為が「時間を止めている」みたいで気に入っている。
「パンケーキにジャムをのせて食べるひとが、そんなに危険人物であるわけがありません。」
と、ムーミンママは言った。
大切に作っておいた、貴重な食糧であるジャム。
それを少しずつスプーンで取り出してパンケーキにのせる様は、あまりにも丁寧。
そんな丁寧な暮らしをできる人に危険な人はいない。
そんな風にも読み取れる。
時間を止めるのだ。
一度瓶に詰めてしまえば、瓶の中身は変化なく、ただじっと開けられる時まで止まっている。
腐敗もなく、ただ、作った時のそのままの姿で閉じ込められている。
そしていつの日か、瓶のかたいフタをかぱっと開ける時、突然時が流れ出す。
状態は変化していき、少しずつ熟れていく。
腐敗する前に食べきらなければいけないけれど、それはある意味では時を操っているのと同義かもしれない。
止まっていた時を解放して、自分でコントロールする。
空気に触れることで変化が起こる、けれどしかし。
そこでその変化に自分を委ねて、ナチュラルに自然の流れと一体になれたら素敵だ。
瓶の中に閉じ込めて時を止める。
蓋を開けて時を解放する。
動き出す時に、自分の時間も委ねる。
さて、私が解放したものたち(ピクルスの瓶詰めをちょっと前に開けた)は、いつまでに食べきればいいだろう。
わからない。
それは私が決めるのだけれど。
ピクルスの機嫌にもよるかもね。
(忘れて放置しないようにね、私)
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