見出し画像

【産科PTの臨床から】産後に腹横筋収縮を体感してもらうためのアプローチのポイント

産前産後の身体的変化は色々ありますが、ごく簡潔に言うと、

胎児の成長に伴って
インナーユニットを構成するものがそれぞれ負荷を受ける
●重心位置が前下方に変化することで姿勢戦略が変わる

産後の体のケアをするにあたって
私がまず最初に学んだのがこのインナーユニットの変化でしたし
この分野に入って10年近い今でもずっと向き合い悩み続けているのがここ
です。

⬛︎インナーユニットが難しい理由

●関節を動かす筋肉じゃないので、動きがほぼ見えないこと。
●動かせている体感が持ちづらいこと。
●力むと逆にうまく使えないこと。

が、インナーユニットの難しい点です。

インナーユニットが使えている状態にするのは、
腹腔で陰圧のような状況を意識的に作り出すっていうイメージなのですが、

一般の方に「筋肉を使う練習」って伝えると
「りきんで力を入れる」
「体のどこかの部位を動かす」って言う思考になるので
逆に押し出してきてしまってうまくいかないことが多くなります。


⬛インナーユニットをうまく誘導するために

●インナーユニットの役割を伝える
●どこにあるのかをイメージしてもらう
●どんな動きになるのかをイメージしてもらう
●自分の今の使い方を認識してもらう
●正しい動きを体感してもらう
●どこを意識したら正しい動きになるかを認識してもらう

臨床的にはこのステップでようやく認識してもらえるという感じが強いです。

●インナーユニットの役割・場所を伝える

筋肉というと、
・関節を動かすもの
・からだのどこかの部位を動かすもの
・力を入れるもの

という認識が一般的には強いのでまずはこの誤解を解いていきます。
ここが誤解されたままだと本人的にしっかりやっているつもりが
全部逆効果になっちゃうので。

インナーユニットの役割は、体幹の安定です。

「座っている時・立っている時に働いて、姿勢を保ってくれる」
「うまく働くと骨盤底や下腹部が中に引き込まれるような感じ」

という感じで役割や動きをお伝えしています。

背臥位で、骨盤底筋を収縮させながら息を吐いてもらうことで
インナーユニット全体を使う練習をしていきますが、

「お腹が凹む」「おへそが凹む」というワードで誘導すると
一般的には「お腹=胃のあたり」を想起する
ようで
いわゆる逆腹式呼吸の状態になってしまうことが多い印象があります。

ここから先は

1,287字 / 2画像

¥ 300

サポートいただけるととっても励みになります!