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理学療法士と整体師は何が違うの?

産婦人科でリハビリ外来していても
「整体行った方がいいですか?骨盤矯正した方がいいですか?」っていうのは本当によく聞かれます。

これって、一般の方からしてみたら、理学療法も整体も接骨院での骨盤矯正も違いがよくわからないっていうことですよね。

とはいえ、私自身もここちゃんと言語化できていなかったんじゃないかと思ったので、少し理学療法士の特性とか得意なことを掘り下げて考えることで、その違いを自分なりに言葉にしてみようと思います。


■理学療法士の特徴とは

●運動器の機能を評価できる(体の機能を見ている)
●医学的指標を基に運動プログラムを作れる(運動療法)
●筋筋膜性の痛みの評価ができる

自分の言葉に置き換えてみるとこんな感じでしょうか?

○歪みについて

一般の方がよく気にされている「歪み」の調整的なことは理学療法では評価のごく一部でしかなくて、歪んでること自体を問題としてない気がするんですよね。

・歪んでいること(PT的にはアライメント不良)が、体の機能において問題になっているかどうか?
そもそも何でそうなった?
とかそんな部分を見るための材料の一つとして捉えているかな〜と思うんです。

そして…

○痛みの評価

例えば「腰が痛い人にはこれをする」「肩こりの原因はこれだ」という主語の大きな捉え方はしなくて、できるだけ対象を小さく絞ることを考えるのが理学療法的な捉え方かと思ってます。

・どこが痛いのか(どの筋肉のどの辺?とか関節面?とか)
・何をしたら痛いのか(どの動きのどのタイミングで?とか)
・どんな時は痛みがないのか(どの状態だと楽になるのかとか)

結局、体のどんな機能の不良によって痛みになっているのか?っていう細かい部分を特定するためにそんな評価をするのが理学療法士かな〜と。

○体の機能をみる

「体を前に倒す」って言うだけでも、
・どこの筋肉をどのくらい使ってて
・どこの関節をどのくらい曲げてて
・どこがうまく使えてないからここを代わりに使おうとしている

みたいに、すごく細かく体の使い方を分析するのがすごい特徴な気がしています。理学療法士は当たり前にやるけど、これは体の重心がどこに存在していて、その重心位置の動きと筋肉や関節の関係をみることにも長けている理学療法士の得意分野でもあるんですよね。


○運動プログラムを作る

「その人に合った運動プログラムを作る」って言う説明自体がざっくりしすぎててわかりづらいかも。

・体の機能の評価に基づいて運動の種類や頻度を決める
・心拍数 / 呼吸数 / SpO2 / 血圧みたいなバイタルを指標にしながら運動強度を決める
・再評価して運動の種類、頻度、強度を再設定する

みたいなそんなことができるのも特徴かと思います。
基本的には、理学療法の対象になる方は何かしら症状のある方なので、機能をマイナスからゼロやプラスに持っていくためにはこういう知識が必要なんですよね。

■整体との違いは?

整体師さんは、アライメント(体の歪み)を整えると言う部分を担っているのかな〜と個人的にはざっくり捉えています。
症状があってもなくても、体はみんなそれぞれ多少の歪みはあるもので、そう言う部分を整えるって言うことなのかな〜と。

理学療法士は、体の機能を見ている中で、アライメントも評価の一部として捉えているけど、そこに特化しているわけじゃないって言うのが一番大きな違いなのかもと考えています。
(これはあくまで私の個人的な捉え方です。)

■接骨院との違いは?

接骨院は柔道整復師さんがやっている治療院ですが、
柔道整復師さんは運動器の急性症状に対する対応を専門とするプロかな〜と捉えています。捻挫とか脱臼とかでしょうか。
なので、理学療法士とはやっぱりちょっと対象が違うのかな〜と思ってはいるのですが、曖昧です…

■インストラクターとの違いは?

インストラクターさんは、運動を伝えるプロだと思ってます。
体の動きを言葉や手で丁寧にわかりやすく誘導する技術は、理学療法士とは全く違う特性だと思うんですよね。

運動そのものの楽しさを伝えたり、運動するのって心地いいものなんだなって言うのを伝えるのもインストラクターさんのプロな部分だと思います。

対象者が違うっていう部分も特徴的だと思ってて、痛みがあったりして運動できない人をそこまで持っていくのは理学療法士の仕事なんですが、ゼロやプラス1まできた方を引き上げていくのはインストラクターさんの方が絶対にうまいんですよね。

■それぞれの役割分担をしながら

いつも理学療法士という職業の説明をするのがとても苦手で、何て言うとわかってもらいやすいんだろうと悩んでいたんですが、改めて言語化してみたら、理学療法士という職業やその特性を認識することができたことで他の職業との違いも今までよりもクリアになったような気がします。

自分の対象ではない方を適切な場所へ繋げられるように、いろんな職業の方と繋がっていきたいな〜と思います。

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