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罪も傷も憂鬱も寂寥も。

切れ味の悪い、長々とした電話。端的に言うと、僕にはあなたが伝えようとしていることを汲み取れなかった。

あなたは、穏やかで、しなやかな影のある人だ。先程の電話では、あなたのしなやかな影、僕たちの付き合いの中で触れたことのなかった柔らかな部分に手を伸ばそうとしていたような気がした。

だって、あなたが珍しく「...すればよかった」と過去を悔やむような口調だったから。僕は祈る。どうか過去を憎まず、そこに留まらないでほしい。

僕はあなたの生々しさや憂鬱さえも愛おしい。けれども、故意的に傷を開くことはない。全てを分かち合う必要はない。

あなたの罪も傷も憂鬱も寂寥も一つ残らずあなたのものだ。

不可侵なあなただけの聖域なのだから。



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