ズーカラコラム③

 ズーカラデルの結成当初、メンバーは現在の3人ではなかった。ベースが鷲見ではなくコナというメンバーであった。しかし、2018年2月にコナは就職を理由に脱退。ズーカラデルと同じく札幌で活動し2017年に解散をしたグミのメンバーであった鷲見が加入することとなった。札幌のバンドマンは、バンドマン同士の繋がりが深く広いのである。
 現体制になって2年程での上京。上京した1年後にはメージャーリリース。あまりにも順調に見える活動だが実際はどうだろうか。初回のコラムで”如何にも整えられたかのようにみえる彼らの周りだが、バンド(音楽)の世界とは難しいものである。”と書いたので気になった人もいるだろう。今回は少し彼らの苦悩について書いていく事とする。
 とは言っても彼らには突っ込むほどマイナスな部分が見当たらない(笑)。天災大国の日本ならではの外的影響による苦悩について紹介していく事とする。

 ズーカラデルの地元北海道で毎夏開催されている北海道最大規模の音楽フェス、RISING SUN ROCKFESTIVAL (以下:ライジング)。北海道出身のアーティストなら誰しもが1度は出演してみたいと思うフェスである。
 彼らは公募枠で2018年に出演。2019年は正式にオファーが来ての出演。1年でしっかりと成長していることが分かる。しかし、彼らが出演予定の2019年8月16日は台風10号の接近に伴う悪天候により開催が中止(翌17日は開催)。ライジングへの出演が決まった時、SNSにはお祝いの言葉が溢れ、出演を発表したどのアーティストよりも盛り上がっているように見えたほどである。そんな期待の中での中止発表。天災は誰も責めることが出来ない。SNSには悲しみの声が広がった。当日はホテルの中から吉田が弾き語りライブの配信を行う事となった。

 また、2020年は新型コロナウイルスの影響によりライブがいくつも中止や延期になったアーティストが溢れており、例に漏れなく彼らもその中に含まれている。 
 上京してきて1年も経たずにこの非常事態。ライブが自由にたくさん行えるかと思いきや一気に不自由に。ライブ中止のお知らせが8個に達した時、彼らはスタジオセッションした楽曲をTwitter上に投稿。ライブが出来ないから何も発信できない。そんな状況を打破するように彼らは様々な活動に踏み切る。ネット上でライブ映像をアップしたり無観客ライブを配信するアーティストはたくさんいるが、まだまだ駆け出しの彼らにとって一つ一つの活動はそんな簡単にはいかないものである。しかし、そこでなんとか活動を絶やさないで頑張ろうとする努力が彼ららしい。そういう小さな努力を見ている人は見ているものである。
 2020年6月3日から8月5日までの期間、10回限定というYouTubeのオリジナルラジオ”ズーカレディオ”を投稿。上京直前の三ヶ月間、地元ラジオ局AIR-G'でパーソナリティを担当していた”ズーカラデルのちょっと猛進!”での経験を生かしたユニークなオリジナル番組となった。
 SNSも公式Twitterだけでなく公式Instagramも開設。レコーディングの様子などを写真と共に短い文章を添えてアップしている。カメラマンに撮ってもらった物から、カメラが趣味のメンバー山岸(Dr.)が撮った物まで少しずつアップされている。今やアーティストにとってSNSは情報発信ツールとして欠かせない物だろう。

 この時代のミュージシャンは、時代に合わせて活動していくことが大いに求められる。まだまだこれからの彼らにとって時代と共に成長していく姿から目が離せない。

奏歩


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