遅刻・早退のすゝめ
皆様、はじめまして。かながわです。
note初投稿の今回、私が過ごしたちょっと変わった高校時代について綴ってみたいと思います。
「学校に行くのがしんどい…」という学生の方に読んでもらい、何か参考にして頂ければ幸いです。
もう十五年くらい前、私は高校生でした。
私は高一の秋頃から学校に行くのが嫌になりました。いじめとかいやがらせといった類のものに人並みに遭ってはいましたが、それでいて気さくに話せる仲の良い友達はそれなりにいましたし、学校の授業に全然ついていけないといったこともなく、結果的に不登校には至りませんでした。
しかし、学校に行くのが嫌になったんです。というより、学校に居るのが嫌になったんです。学校で過ごす時間に耐えかねたんです。居心地があまりに良くなかったんですね。
授業がつまらない。友達との会話が白々しい。楽しそうにお喋りしている連中の姿が無性に疎ましい。自分の立ち位置がわからない疎外感に戸惑う。
悶々とした学校生活を送る中、私は自分がどうしたいのかも判然としない状態のまま、進路相談という形で担任の先生に胸の内を打ち明けました。気のいいおじさんといった風な白髪頭のベテランの先生でした。
先生は熱心に耳を傾けてくれました。学年が変わり環境が変われば気持ちも変わるかもしれない。それまで頑張ってみないか。それでも無理そうなら、専門学校や通信制高校への転入を提案してあげよう、と。
私は先生にお礼を言って、「このままこの高校を卒業できるように頑張ってみよう」と決心しました。
そうして意思は固めたわけですが、相変わらず学校に居るのは嫌なままです。何か具体的な変化があったわけではないので、それも当然です。
私は兼ねてから考えていました。日々六時限分、校内に拘束されていることが耐えられない。「半分くらいの時間だったら何とか居られるのになあ…」と。
私はこの考えを実行することにしました。遅刻と早退を繰り返す学校生活を送り始めたのです。具体的には下記図のようなスケジュールでした。
朝、「行ってきます」と家を出て、学校ではなく市立図書館へ向かいます。図書館では勉強机で学校の宿題をしたり、日本文学や心理学関連の実用書等を読んだりして時間を潰していました。
そして、三時限目から遅刻して授業に出ます。四時限目の授業も受けます。午前の授業を二コマだけ受けたら早退し、近所の公園で弁当を食べて、また市立図書館に戻り、夕方になって帰宅。
こんな具合に学校生活を送っていると、周囲からは「あいつはどういうつもりで生きているんだ?」と不思議がられるのは必至ですが、私は真面目に授業を受けている皆に対する若干の後ろめたさを感じながらも平気で過ごしていました。それ以上にどこか痛快で心が晴れるような感覚さえありました。この通学スタイルにより、苦痛だった私の学校生活に何とか折り合いを付けることができたからです。
ただし、留年せずに卒業することを目標にしていたので、必須単位を落とさない程度をわきまえておくことは必要でした。従って毎日必ず上記図のように登校していたわけではありません。一日まともに授業に出席する日もありました。また、両親に心配を掛けたくなかったので、遅刻や早退を日常化させていることをある時期までは黙っていました。
ある時期というのは、高二の6月、修学旅行が催される時期のことでした。私は修学旅行には行きたくなくて、実際に行かなかったのですが、その旨を両親に話さなければならなかったので、常習的な遅刻・早退の件について、このタイミングで併せて伝えました。
卒業してくれるなら…と、理解を示してくれた両親には感謝していますし、高三に上がってからはクラスメイトに恵まれたおかげで遅刻も早退も少なくなっていましたし、そのまま無事に卒業できたので良かったです。
長くなりましたので、最後に要点をお話しさせて頂きますと、つまるところ、人間誰しも皆と同じように生きなければならない必然性はないし、必要に応じて自分自身を変えたり或いは環境の方を変えたりして少しでも生きやすい状況を作ることは可能だということなのです。
私の場合のそれは、「遅刻・早退」という工夫だったわけです。
学生の皆さん、特に義務教育下にある小中学生の方にしてみれば、あなたの人生の中で「学校」が占める割合は高いかと思いますが、今目の前に見える世界それが全てでは決してないです。実に多様な世界が他に沢山あります。
もしあなたがいじめに遭っていたり、何か悩んでいたりするのなら、それを自分の中に無理やり押し込めないであげてください。できれば誰かに話してみてください。本を読んでみてもいいと思います。
自分の中には未だ無いものが、外の世界にはすでに有ったりします。悩んでいることや答えの出せずにいる問題について、誰かが知っていたり、誰かが語ってくれたりすることは少なくないです。
間違っても、「自分はダメなやつだ」なんて思わないでください。あなたは絶対にダメなやつなんかではないし、あなたが生き生きと過ごせる環境は必ずどこかにあるし、あなた自身をより良く生かす方法も必ずあると思うんです。
以上、かながわでした。
最後まで読んでくださった方に感謝を。
あなたの人生に幸あれ。
では、また。