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ビューティフルクリーチャー

その昔、私がやっていたバンドspeena(スピーナ)のセルフライナーノーツ、名付けて振り返りジャーニー、今回ので何弾目なのかしらね、数えればいいのだけどめんどくさいのは何故、前回に引き続きカバーアルバムのセルフライナーノーツ、次はカレンか、と思いを馳せたトゥデイ、どうして素晴らしいシンガーは若くして死んでしまうのだろう、カレン・カーペンターは初めて聴いた時すでに死んでいた、ホイットニーは48才で、マライアもガガも心を病んだ、マドンナなら疎外感だろう、いや恐らくみんなそうだ、自分はどうやら普通の人ではない(考え方や価値観、経験、美学あたりか、あと才能なんかな)、といつしか自覚し、故になんとか周りに順応しようとしては ”やっぱり違う” と感じる度に疎外感を覚えるそれはまるで拒絶、両手のひらを向けて「NO」と跳ね除けられる事と同義、フレディも言っていたか、彼らスターの ”愛されたかった” という気持ちの本質はここだろう、親に、兄弟に、恋人に、友人に、ファンに、自分以外の人間に愛されたかった、とはつまり、そのままでいさせてほしかった、のだ。

誰だってそうだろう、取り繕った笑顔や体裁を取っ払ってしまえばただの人、仕事から帰ってきてメイクを落としてパンイチになるが如く、心を裸にした時。
そのままをただそのままにさせてくれる人が一人でもいてくれたら。
いたずらに一緒にいる事ではなく、誰かと繋がりたいのは、心で。

彼らスターの足元にも及ばないながらに私もシンガー、ソングのライター、そこを取っ払った時の自分とはどうやら普通(一般的)ではない部分が多々あることなど、とうに知っている44girl。
200ぱーそのままにさせてくれる人なんて現れるだろうか、友人でも数えるほどなのに恋人となると若干の不安、吐露すれば人間性を疑われるかもしれない本音などいくつもあるというのに、わかりあえる、とは至極贅沢だ。

そんな世界(勝手)に疲れて孤独と愛し合い、死へとダイブした経験のある私ですら、彼らの孤独の深さはわからない、あなたの真実には届かないでも、きっとそこなのだと思う。


今日は彼らの歌う姿をたくさん観た、こんなにも、あぁこんなにも聴く人に希望という眩い光を与えてくれるのに、あなたは人に与えすぎてしまったのか、与えた分だけ暗がりが増えていってしまったのだろうか、その光はあなたの命だったのではなかろうか、ならもう歌わないでくれと思いながら、人間のものではないような美しい歌声に聴き入ってしまう私を許してくれビューティフルクリーチャー、あなたは人間になりたかったのでしょう。



なげーよ。
speenaのカバーアルバム「candy lovely music!!」
セルフライナーノーツ、はーじまーるよー!

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美人可愛い田中美保さんと、speenaパンツ。紐パンや〜ん。



candy lovely music!! / speena

4. Sweet Memories (松田聖子)

選曲、カナコ。
日本人なら知らない人はいない、ってすごいね、みんなのアイドル聖子ちゃんは、本当に歌が上手で尊敬する。
風邪の時も歌声変わらないのよ、一切喉歌いしてないってこと、慄きmmm...bop。
昔の恋人が聖子さんのライブのバンドメンバーだった時にお邪魔して、お話させていただいた、顔が小さくて肌が綺麗で、すっぴんはゆで卵みたいにトゥルットゥルだった、お話する声や表情は明るくて可愛らしかった、少女のような人だ。
バレンタインには「ハッピーバレンタイン!」なんて、ピンクのモヘアのキャミソールを頂いたりと、素敵な思い出は尽きない。

好きな歌いっぱいあって迷った、本当は一番好きな歌は「素敵にonce again」だ、大切なあなたも時間の国のアリスもThis is a placeも大好きだけど、ご本人の代表曲といえば、いやそれでもいっぱいあるけど、これ。
もうおわかりですね、この頃の私は ”NO MORE キャピキャピ” がテーマ、名バラードに肩を借りて、見える世界はどんなだろう?ドキドキな挑戦だった。

昔の恋人と再会、大恋愛だった彼、笑って泣いた日々、胸が覚えていた痛み、時が過ぎて、sweet memories。
これを18才で歌った聖子さん、28才の私が歌えないわけ・・・まずい、こんな経験ないぞ、そうかそこで想像力&表現力。
メロディの難しさ、特にサビの「失った」の、し、「夢だけが」の、め、「美しく」の、つ。半音ずつ上がっていくこの音をポンと当てるのむずい、感情を込めつつ、音を正確に歌うことの難しさよ。ものすごく勉強になった。
あと2番の歌詞、英詩になるのもすごいよね。内容もなかなかすごい。日本語だと量すごくなるし、曲の雰囲気と聖子さんのイメージに英詩、ぴったりだよなあと思う。ポップス、ポップソング、ポップとは。まさに勉強。


produced by 渡辺善太郎

原曲よりいいよね、とはラブスタッフ談。私に至っては原曲を覚えていない程に、Sweet Memoriesはもうこの曲になってしまった。
善太郎さんにお願いした3曲の中で、一番最初にあがってきたものがこれで、スタッフの車の中で聴いて、綿あめみたいだなあって思った、わあ!ってなる、ふわふわ優しい、懐かしくて、甘い音。



5. パレードしようよ (PRINCESS PRINCESS)

選曲、ショーコ。
プリプリ、学生の頃たくさん歌った、ポップでキラキラなガールズバンド。
ショーコが大ファン。現役当時も普通に聴いてたもんね。
曲も迷った、代表曲ならDiamonds、でも私、OH YEAH! 大好き、ジュリアン名曲、ジャングルプリンセスもcool、でもパレードしようよ、いいよねぇ〜、これにしよう。

奥居香さんはさ、歌が上手なのにロックなんだよな、勢いでごまかさない歌の上手さ、尊敬する。そしてビブラート。高音でもビブラートかけてるつまり、喉締めないで開けてる、私の長きにわたる目標だった技法のひとつ、いざ挑戦。したら出来たから調子こいて連発、すげーうれしかった。


produced by 渡辺善太郎

元気いっぱいハネッハネの原曲を少し大人っぽくダークにしたこちら、ハウスなピアノがしゃがれてクール、そしてなんといってもコーラスワーク。
コーラスの立ち位置を、声という楽器にするか、メインボーカルの仲間にするかってざっくりわけがちな私に、善太郎さんのコーラスワークは新しくてテンション上がった。どっちもでええんじゃないか、な、ど真ん中。
作曲家としての私も勉強になる、よき師にめぐり会えた感を勝手に募らせる。



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飛びすぎじゃねえか。うっすら見える、赤丸。赤丸とは。



6. 年下の男の子 (キャンディーズ)

選曲、speena。
歌謡曲が1曲あってもいいんじゃないかみたいなので選んだっけ、ちょっと記憶ない。なんか可愛らしいもの出来そうってあたりかな。


produced by 小西康陽

間違いないね、コニタンにかかればなんだってコニタンになる。
それをspeenaでも出来るようになりたいんだ、私は。
キャッピキャピの可愛らしいの出来た。



7. Rainy Days And Mondays (CARPENTERS)

選曲、カナコ。
高校生の頃、ビートルズとカーペンターズは基本だった。なんの。ポップスの。
正統派な美しい音楽と歌。カレンの低めの心地いい歌声。
お兄ちゃんが好きだった、両親はお兄ちゃんばかり可愛がった、いろいろ読んだ、ほんとのとこはわからないね、でもドラムを叩く無邪気な笑顔とイノセントな歌は、ほんとだ。
A SONG FOR YOUと迷いまくったけどあっちはレオン・ラッセルだし、お兄ちゃんが作った曲で。
何よりタイトルが最高じゃない?雨の日と月曜日。詩的。

ボイストレーニングでも練習曲によくしていたカーペンターズ、歌の基礎が学べる。英語の発音も丁寧でいい。
カレンのロングトーンの安定さに敵う人はそうそういないってくらい、ブレスの深さに圧倒される。歌うとわかることがたくさんだ。
楽器もきっとそう、コピーしてみるとわかることがたくさんよね。


produced by 石田ショーキチ

バンドアレンジになった。リハスタでみんなで円陣組むみたいに丸くなって演奏した。ショーキチさん、アコギ弾いてた。
この頃の私の意識は、リハスタはミュウジシャン達が固まるため、歌はガイドってことにしてた。歌の細かいニュアンス聞こえないよ、もうそれは仕方ない。ライブならイヤモニなんだろうし、200ぱー納得いく歌が歌えるのはレコーディングと宅録、あとはアコースティックなライブってのは当然といえば当然なんだろう。
バンドのボーカリストはみんなぶつかる壁なんだろか、同じ立場の人いなかったからなぁ。

ショーキチさんのコーラスがすげー好き。
昔から歌いなれているからっつっても難しかった、ダントツで。
どこかに私を愛してくれる人がいる、そう歌うカレンの心に、せめて寄り添いながら歌った。

ティーンの私が憧れを抱いて聴いていた歌を、プロのシンガーとしてCDに収めることが出来た、私にとってこれは夢が叶った以上の大きな、大切な出来事。カバーアルバムを作らせてくれてありがとう、全てのスタッフに、ラブを。



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休みの日だっていっても、やること満載な昨今。
ハンドもフットもケアしてネイルして、お客様に見せたりお勧めしたりできるように、自分をサンプルにするのがBAです。
あ、私、ネイリストなんです。ん〜、言えるのうれしいなー!
(右足小指のヘモーレッジ de 爪下出血は、スマホを落として直撃したやつ、ストーンでも隠せない絶妙な位置にいやがる)




candyでlovelyなmusicを並べる、なかなかの7曲だ、ジャケットも至極可愛い、個人的にはしっくりくるアルバムになってる、みんなにはどうだったんだろう?
当時のインタビューで私は、楽しさとうれしさ、新しい音や人に出会えた感動と興奮、音楽って、歌っていいね!的ハートをインタビュアーさん達にべらべらと喋っていた記憶がある、片やメンバーは静かだった記憶もある、このアルバムの曲をライブでやることはなかった、その理由は青いお空からやベイル、sixteenなんかをやらなかったのと同じだ、やれなかった、カバーアルバムで血肉になった作曲家として、作詞家として、何より歌うたいとして学んだ事と次なる一歩に、バンドメンバーの演奏というものが足枷になってゆく、2ndアルバムの頃から感じ始めた違和感がどんどん膨れ上がってゆく、頭の中に鳴る音を200ぱー純粋に形にしたい欲求が止まらなくなっていく、いい音楽を作るのに一切の妥協をしたくなくなっていく、なぜ、カバーアルバムで音楽の楽しさを改めて体感したからだ。

生み出す音楽に、噓をつきたくない。
この曲大好きと言われた時に、でしょう?私も大好き!と200ぱーで返したい、この曲いまいちと言われた時に、でしょうね、と思いたくない、は?良さがわかんないなら聴かないでいいよと言い返したい、もう68ぱーぐらいでやり過ごすなんていやだ、ぱーぱーうるさい、でももう私は200ぱーで音楽したいと思う気持ちが確固たるものになってしまった。

この後恐らく、avexの社員研修に紛れ込んでラスベガスに行く、本場のアートに触れて帰ってくる、妥協は無意味だと確信した私は、次のspeenaの音楽とはやら売れる曲とはやらを一切考えずに、昔のように、頭に鳴った音を形にしていくデモ作りに明け暮れるは1週間、speenaの3rd album ”sugarmoon champselysees” 略してシュガムン10曲を一気に書き上げる事となる。




ふぁー、長かったねぇ。あなたも私もお疲れ様。
読んでくれてありがとう。ん〜すっきー。

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