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プールで働いてきた

連休が取れたので昔の職場に遊びに行ってきた。

私は過去に7年間屋外プールで働いてきた。2年は都内でアルバイトとして。残りの5年は関東の僻地で社員として。

プールの仕事って楽しそうなんて思うかもしれないが、舐めてはいけない。
とにかく暑い。じりじりと太陽が焼き付ける。熱されたプールサイドを練り歩けば足の裏も焼けるし、日焼けで肌が爛れてしまうバイトもいる。休憩をこまめに回していてもスタッフが熱中症になってしまうこともある。残念ながら客の民度も低い。汚物が施設内に放置されていることもあれば、理不尽なクレームも来たりする。
なにより事故を起こさない、溺者がいたら救わないといけないというプレッシャーが常に付きまとう。おまけに縁も所縁もない地域の寮での共同生活。夏の間だけとは言え、よく5年も頑張ったよなと今でも思う。

まあ、一年ぶりに行ったところで変わらんよな、何も。懐かしい、という気分にすらならない。
透明な水が太陽をキラキラと反射するプールの感じ。大好き。
もう卒業生として、なんならお客様気分で行ったのに社畜精神がこびりついててしっかり働いてしまった。


2.3mもあるプールを潜り、クリーナーと呼ばれるプール用の掃除機をかける。あの潜る感じは浅い室内プールでは味わえない。


園内を練り歩き、走りまわる子どもを注意し、バイトに声をかけてトラブルがないか見て周り、溺者がいないか注意深く見て周り、休憩時間には客をプールから出させる。バイト達の水飲み休憩を回して、休憩時間にはプールに潜り、水底の確認をして回った。

暑くて暑くて。もう40ですよ、私も。あんなに泳いだらヘトヘトだよ。楽しいと思う反面、これが毎日はきついなぁと実感した。

昔の同僚が「バイトにいた◯◯って覚えてる?こないだフラっと遊びに来たんだけど、かなえに会いたがってたよ」と言っていて、私はその◯◯さんの記憶も朧げだったりするんだけど、でもまあそう言ってもらえるのは嬉しい。良かった、がむしゃらにがんばった5年は無駄じゃなかったんだなぁと思った。


いつも行ってたレストラン、仕事がつらくてつらくて泣いて過ごしたこともあった社員寮のベランダ、無駄に美味しく感じる露店のかき氷。更衣室に水を巻いて汗だくになってブラシで洗いながら高校生バイトに進路の話をきいたりとか、休憩中にタバコを吸いながらサイダー飲んだりとか。楽しかった。


今朝、東京に帰ってきた。ピリピリと痛む日焼け肌にアロエを塗ってる。夏ももう終わりだ。少しだけ寂しいと思う。


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