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生活記2|ドイツ語で初めて意思疎通できた話

昨日のnoteにこう書いてから、早速変化があったので、この先の自分のためにメモ。

とても美味しいペンネを食べながら、お会計の時にぜったいドイツ語で
Die Penne war Lecker!(ペンネ美味しかった!)“
と言うのだ、言うのだ、と何度も唱えたのに出てきた言葉は
Thank you.”だった。
Danke schön“ですらない。どうしてーー

特別なカフェ

昨年ドイツを訪れたとき、特別な、大切なカフェが二つできた。

一つはドイツ西部のBonn(ボン)にあるGelassenheit gewinnen(ゲラッセンハイト・ゲヴィンネン)、「安らぎを得る」という意味のこのカフェで、ゆったりと、とても丁寧に時間を過ごした。

もう一つは、ベルリンにあるEspressoLounge(エスプレッソラウンジ)というカフェ。私が今ベルリンに住んでいる理由の一つでもある。

昨年、別な場所での目的を終えてたまたまこのカフェの前を通った時、私はとても疲れていた。テラス席はまばらに埋まり、中を覗くと一人で過ごすお客さんが多い。お店の佇まいもクールな感じで(モダンなロゴや入口のモスグリーンのカーテンなど)、バックパックに空腹を抱えた私は引きずり込まれるように入店した。

にこやかで爽やかな店員さん二人にハローと迎えられ、けれども入店した時点で目的の7割を完了した私は何を注文すべきかすぐに喋り出せず、沈黙している私に対して店員のお兄さんが最初に発した言葉に、感動した。

German or English?

何よりも先に、どの言語でコミュニケーションを始めましょうかと、尋ねてくれたことがとても嬉しかった。他の場所でも起こりうることであろうが、私はたまたまベルリンのこのカフェで、初めて「言語を選ぶ」という体験した。

それまでに諸外国を訪れた時に「彼らの母語で話しかけられたらSorryだけは現地語で返そう」と思っていた自分と、日本にいる時に「外国人に会ったら英語を話さねば」と思ってしまう自分に、大声で知らせたい気分だった。稲妻が落ちたようだった。他国でのコミュニケーションに不満があったわけでなく、自分で言語を選べたその瞬間になんとも言えぬ心地良さを感じた。

特別なカフェへ再び

そして今日、昨年7月からほぼ10か月ぶりにEspressoLounge(エスプレッソラウンジ)を訪れた。もちろん同じ定員さんではなく、スキンヘッドの30代くらいの方がお一人で、再び来られたことに舞い上がっていたのか心が開いていた私は、ドイツ語を話せた(僅少)・・・!

私「Ich möchte das schokoladescone...(このチョコスコーンをください)」
ス「これはチョコじゃない、ブルーベリーだ(※言語不明、確かにそう言った)」
私「Oh really? So... What about this one?(そうなの? これはどうですか?)」※既に英語
ス「それはチーズとチョコのケーキだ(※ドイツ語)」
私「Ich möchte das, bitte.(それをください)」
ス「Ok, xxxxxx?(※ドイツ語)」
私「えっ?」
ス「xxxxxx?(※ドイツ語)」
私「・・・Sorry?」
ス「Would you like to something drink?(ご一緒に飲み物は?)」
私「Ah! Sorry, I am still learning German. Ich möchte ein Cappuccino.(ごめんなさい、ドイツ語勉強中で。カプチーノを一つ)」
ス「謝ることないよ、いいことだ、君のmother language(母国語)は何?」
私「Japanese!(日本語!)」
ス「Oh, cool. A moment.(いいね。コーヒー待っててね)」

とまあ、こんな感じだった。ドイツ語は褒められたものじゃないけれど(英語もか)、店員さん(スキンヘッドの「ス」)の口角が時折キュッとあがるのがたまらなくキュートだった。私がへたくそでもドイツ語で話そうとしているのを受けてドイツ語で会話をしてくれたこと、理解していないと分かってすぐ英語に切り替えてくれたこと、私の母国語を聞いてくれたこと、など、このただ一瞬のコミュニケーションを丁寧に扱ってくれる感じがとても好きだった。

その後、コーヒーをおかわりした際に、

私「Die Küche war sehr Lecker!(あのケーキとても美味しかった)」
ス「Das freut mich.(そう言ってもらえて嬉しい)」
※英語の“My pleasure.”にあたりそう

と交わし、帰り際に、

私「Vielen Dank! Schön Abend.(どうもありがとう。よい夜を)」
ス「Danke, gleichfalls.(ありがとう、君もね)」
※多分そう言った、多分

と交わして店を出た。とても良い時間でモチベーションがものすごくアップしたので、また頑張る。凹んだとき読み返して、きっと回復しよう(make myself better)。

Bis bald.

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