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ABA 応用行動分析学と自閉症スペクトラム

Lovaas, O. I. によって1987に発表された論文「Behavioral treatment and normal educational and intellectual functioning in young autistic children.」 より

こちらは自閉症と診断された児童に対するABAの効果検証したものです。

グループ1) 週に平均40時間の正式なABA療法を受けた子ども 19人
グループ2) 週に平均10時間の正式なABA療法に加え他の手法による療育を受けた子ども19人
グループ3) その他の手法の療育を受けた子ども21人

全グループの共通点
⁻4歳以下の段階で療育を受け始めたこと
⁻2年以上療育を受けたこと

注意)
ABA療法で行われる子どもの学びは、子どもが暮らす全ての環境(学校、家庭)でも適応・応用されるべきものとの考えのもと、保護者にも意識的にABAの実践を日常的に取り入れていくことを期待しています。逆に言うと、ABA療法はそれぞれの子ども環境に合わせて教材、トピック、アプローチを組みます。”療育の場”が”特別な場”にならないように意識されているのです。そのためABA療育を受けた児童の保護者も自然とABAの理論を理解し、子どもへの接し方に次第に工夫がみられるようになっているという点では常にABA療育を受けていると考えることも可能です。

評価は次の点で行われました。3つあるうち一番評価の低かったところを使用します。
例えば、IQと通う学級はFairの段階にあったとしても自閉症スペクトラムと診断されていれば、その児童はPoorのカテゴリーに入ります。
今回の被験者は全員自閉症スペクトラムと診断された児童ですので、実験開始の段階ではPoorの段階にありました。

結果
小学校1年生時点での評価

全体的に療育を受けることの効果が期待できるデータになっているのではないでしょうか。
自閉症について素人同然の私には、まず療育の種類問わず適切な支援を受けることによって約半数の子どもが自閉症スペクトラムの診断から外れていることに正直驚きを隠せませんでした。
またABAに特化して集中的に療育を受けた場合、90%の子どもが自閉症スペクトラムの診断が外れ、さらには約半数の子どもが通常学級で他の児童と同じように学習に参加できています。
もちろん自閉症スペクトラムと1つ言っても個人差があるでしょうし、効果も保証されたものではありませんが、ABA療法を試してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。

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