見出し画像

筆跡診断士に惹かれたわけ

私は今、林香都恵先生の【筆跡診断士養成講座】の5期メンバーとして、筆跡診断について学んでいる。

林先生のことを知ったのは、いつも拝見しているホニャララLIVE

小学校教員としての体験から

これを拝見した時、私は小学校教員として働いていた。ちょうど退職をようやく決断した、というタイミングだったはず。

毎年、クラスの子たちと数ヶ月も一緒に過ごすと、大体字を見ただけで誰のプリントか分かるようになってくる。これ、教員あるあるじゃないかしら。

字は本当に、その子そのもの。

それぞれの個性を爆発させている子どもたちの字に対して、私は毎日何をしていたのかというと、せっせとその字にダメ出ししていたのである。それも善意でもって。

これを読んでくださっている方の中にも、小学生の頃テストやノートの字を先生に赤ペンで直された記憶がある方も多いのではなかろうか。

明らかに字として間違っている場合は仕方がないにしても、それ以外でも、画の長さやとめ、はね、はらい、も指摘していた。(文字指導の方法は千差万別だし、漢字の採点基準がどうあるべきか…には色々意見もあるし、ここではそれに言及するつもりはないので悪しからず。)

お手本のように美しく整った字が正しい字だと認識していたし、そのように書けることが良いという価値観を信じて疑わなかった。子どもたちにもそのようなメッセージを明に暗に送っていただろう。

しかし、内心「そんなのムリに決まってんじゃん!」とも思っていた。

手先の器用さも、記憶力も、見え方も、何もかも千差万別。お手本と同じ字が書けないのは当たり前。もちろん、すんなり美しい文字が書ける子もいる。反対にどう頑張っても難しい子も。

私だって書けない!ずっと自分の字はコンプレックスだった。下手くそともいろんな場面で言われた。(もっと柔らかい言葉ではあったにせよ。)教員になってたくさん練習して、ようやく少しはまともな字が書けるようになったかな、と思えるようになったところなのに。私が30年近くかけて習得したそれを子どもに求めている。

正しい字はもっとこうだから、頑張れ!と。
そもそも前提が無理でない?

だからこそ、漢字の採点やひらがなの指導方法は色々模索もした。

お手本通りに書くなんて無理だ、と思いつつ、そうは言っても、きれいに書けなくちゃね…と毎日せっせと指導し、添削していたのである。

もちろん、その子なりに丁寧に書けているかを見ているし、一番は漢字を覚えてるか正しく書けてるなどうかを確認するのだから、字がうまく書けない子を否定してたつもりはない。
今の学校等で行われてる読みやすくきれいな字、を求めることが間違ってるとも思わない。

でもやはり、私との関わりで自分の字を好きになったと言ってくれた子は、もともとが器用で丁寧に書ける一部の子だけだったように思う。
その後ろでたくさんの子に、嫌な思いをさせてたことは否定できないとも思う。

「気持ちいい」という世界線

だから、冒頭の林先生のLiveを拝見したとき、「その字を書いて気持ちいいかどうか」とおっしゃる言葉からは目から鱗がボロボロ落ちた。
それでいいんだ、そういう世界線でいいんだ。
私もそっちに行きたい!

お手本通りじゃなくたってあなたらしいその字でオッケーなんだよ!

私もこんなメッセージを送りたい。

これって字に限らず、私が学校で感じたモヤモヤを象徴的に表していると思う。

本当は、教員を続けながら筆跡診断士としての知識やマインドを子どもに伝えていけたら…それってすごく素敵だと思う。なんと言っても、教員という仕事は、出会える子どもの数が圧倒的に多いし、1年を通してその子たちと深く関わることもできるから。

実際、動画を見てすぐ、学級で試してみたりもした。

でも字を書くときだけ、ゆっくり大きく!あなたらしく!と言っておきながら、数分後には早く、早く!と追い立てて一つの正解に導こうなんて、矛盾だらけで、自分が苦しく続かなかった。

もちろん、教員でありながら普段からそういう在り方や指導をされている方もたくさんいらっしゃる。その子そのままを認めて受け入れて、伴走する。待てる。

そういう先生になりたかったなぁ〜…

私は、どうすればお手本や正解に近づくか、お利口さんになれるか、周りと合わせられるか、ということばかりにフォーカスすることが染み付いていた。
学校という場にいながら、そのままでいいんだよ、というメッセージを、エールを子どもたちに身体全体、空気全体で伝えていくことは難しい気がして結局は退職を決意した。

でもこれからは、自分の字が好きか、書いてて気もちいいか、そういうことに軸を置いていきたい。

これからのこと

実は、退職後も私は元教員!ということに意識が向いていて、子どものために!ということばかり考えていた。

場を作って、お習字教室みたいにできたら素敵だなぁ〜とか。いずれは学校でもできたらいいなぁ〜とか。今でもそういう思いがない訳ではないけど。

でも、本当にそうかな?教員を辞めてもなお、本当に子どもと関わりたいと思ってる?と自分に何度も問いかけた。

私はまだきっと、子どもたちと一緒にいると立派な大人に見られたくて、見栄を張ってしまうんだ。そんなのは、私も相手もハッピーじゃない。

だから、一旦、教員だった自分は忘れよう。

私が筆跡診断に惹かれたのは、
「あなたにはこんないいところがあるよ。そのままで素晴らしいよ。でも変わりたかったら、こんな風に字を書いたらいいよ。」というメッセージに自分自身が励まされたから。

大人、子ども関係なく、それをそのまま伝えられる人になりたいな、と今はそう思っている。


ありがとうございます♡ pucchen-houseの運営資金として大切に使わせていただきます。 ぜひ、応援お願いいたします🙏