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強(したた)かさの行方

強かさーーー。
なかなか手ごわいこと。ひとすじなわでは相手にできないこと。

パッと聞くニュアンスでは、
あまり好きではない言葉だ。

続く例文は、
ーーー「強かな商人」

あるいは、
ビジネスが嫌いなのかもしれない。

とにかく、
強かという言葉を自分に当てはめられると、
非難されているような感覚に陥る。

そのくらいに、
苦手な言葉だ。

だがこの国では、
成人になるとほとんどの人が
強かさを求められる。

社会は、
競争だからだ。

基本的に負けても良い競争などない。

前提として、
自分が勝つをモットーに生きなければならない。

そのためには、
なんといっても強さだ。

社会人は、
甘えている人にとにかく厳しい。

サボっている人、
騒いでいる人、
約束を守れない人、
etc...

それらを見つけると、
すなわち異常とみなして排除しようとする。

決められたことを守れないのは、
人間的欠陥だ。

言われた通りにできないことは、
あってはならないバグだ。

それらには、
人間失格の烙印が押される。

つまり、
燃やして良い。

傷つけても良い。

むしろ、
燃やして熱されているうちに
叩き直すべきだ。

昨今はそんな風にすら、
感じられることも多々ある。

ほとんどの人は、
自分の利益を追求する。

そして問題は、
人間の持つ多様性から巻き起こる。

多様な利益が存在し、
利益のベクトルがぶつかる。

そうなると、
他者の利益を奪う必要も出てくる。

弱肉強食。

強いものが勝つ世界では、
強いものが正義だ。

そんな当たり前なことですら、
まだ受け入れることが出来ない。

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