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体重の調子が芳しくない話
体重の調子とは何ぞや、という感じだが、摂食障害(のような、そうじゃないような)の話だ。
以前書いた気がしなくもないかもしれなくもなくもないけれど、メンタルクリニックの前主治医から、痩せてもいいが初潮時の体重を下回ってはいけないと釘を刺されている(無月経になる可能性が高くなるからなんだろうな、と今になって気づいた)程度には、体重の増減を気にしながら生きている。
今の主治医からはまるっとスルーされているためすっかり失念していたが、なんとびっくりあと数百グラムで約束の数値を下回ってしまう事態に陥ってしまった。
(実はこれを途中まで書いて放置しているうちに、その体重を下回ってしまった。なんと小学生体重だ。なので頑張って白米をたくさん食べている。わさびのふりかけが美味しすぎて朝昼とお茶碗に二杯食べるという食欲旺盛っぷり。でも着々と減っている。夏のせいかもしれない)
現状の自認は太っていて、病識としては若干微妙な私ではあるが、知識だけは人一倍あるため、この身長でこの体重はちょっとまずいのではないか、というのはわかる。
わかるのだけれど、痩せていると思えない。
この腹で弛んでる余った皮や、太くて立派な脹脛、下を向くと出現する二重顎たちがそう錯覚させているのか。あるいは過去に散々言われた悪口のせいか。
いずれにせよこうして文章を打っている私は「自分もうちょい太ったほうがいいぞ」と呆れるのだが、残念なことにさっき鏡を見た私は「ひどく弛んだ腹だ、もっと痩せろ」と体形に嫌悪感を抱いている。
別に人格がふたつあるわけじゃない。どちらもまごうことなく自分で同一人格で、ただ、自分は痩せているという思考と自分は太っているという思考が同時に存在しているだけなのだ。
つまりダブルシンクってやつだ。たぶん。2+2=5!
となると、筋肉をつけて肉体を引き締めつつ体重を増やすというのが一番現実的&健康的な解決方法。
でもさ……筋肉がついたくらいでこの弛んだ皮がどうにかなるわけじゃないじゃん? せっかくのシックスパックが弛んだ皮で覆われて隠れてしまうだけなのが目に見えている。それは悔しい。
そもそもどうしてこんなに皮が弛んで余ってしまったのか。ちょっと思い出してみよう。
それは十五年ほど前に、ひょんなことから三ヶ月間通った職業訓練。
人だらけの教室で何時間も過ごすという慣れない環境と、過酷な実技授業(介護科だった)に加えて毎日往復一時間程度の自転車通学をしたおかげで、体重が短期間のうちに十五キロ落ちた。
結果、授業中に倒れてしまい、その日の残りの授業を丸っとすべて休止にしてしまった。今でも思い出すと胃が痛くなる。申し訳ない……本当に申し訳ない……。
そして近所の病院で痛みと先生の辛辣さに泣いた(婦人科で子宮体がんの検査をしたときの話でちらっと書いた、件のレディースクリニックがここ)。
とにもかくにもこの、ほんの一、二ヶ月で急激な体形変化があったもんだから、腹の皮もスピードについていけなかったのである。
本来ならじっくりゆっくり痩せて、皮もちょっとずつ縮めてやらないといけなかったのだ。若くてぴちぴちだったから、しっかり管理して痩せればきちんと引き締められたはずなのに。
でも本人痩せるとは思ってなかったから。事故みたいなものだから。偶然の産物だから。
そうして今ではお腹の皮がたるんたるんで下腹に乗ってぽっこりしていて、なのにあばらが浮いてるせいで餓鬼みたいになっている。数値としては細身なのに、スレンダーとはほど遠い。
見るからに不健康。わかってる。わかってるんだ……でもどうしても太ってるように感じるんだ……目で見えるものと心で感じるものが一致してないんだ……。
わかっているけど認めたがらないのかもしれない。どうだろう。どうなんだ私よ。
そもそもどうしてそこまで痩せることに固執しているのか。体重という数字が目で見てわかりやすいために、達成感が簡単に得られるからなのかな。
もちろんデブデブ言われてきた人生なので、その反動もある。
そして厄介なことに、痩せていく自分のことが結構好きなのだ。自分にもまだ達成できることがあるのだと安心させてくれる、減量という現象(この押韻はわざとじゃない……!(逆に言うと他のはだいたいわざと)に依存しているのだと思う。
自己肯定感の低さが成せる業だよなあ。
どうしたもんか。
考えたところで答えは見つからず、今の主治医もまったく頼りにならなそうなので、とりあえずは血液検査の結果が正常である限り、あまり気にしなくていいってことにしておこうか。
そうだ、それがいい。そうしよう。
でもあと二キロくらいは太ったほうがいいよな……。
けどな、三十年ぶりに三十キロ台を見たい気持ちもあるんだよな……。
変な好奇心がうずうずしてるんだよな……。
人間は難儀だな……。
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