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過去なんてきっとほんとはいらなくて夜の世界で漂い生きる

親友話をしようと思う。
まずはある1人。
最初に会ったのは夜の仕事。
別にオーラが見えるわけではなくてもオーラが見える人いるじゃん?
あ、あの人だけなんか別格に雰囲気違うな。みたいな。そんな人だった。
ツンッとした歩き方、皆が二度見するほどの美貌、気がつけばみんなの輪の中心にいて、何をしても彼女なら許されるし周りも許してしまうそんな人

容易く近づいてはいけない
彼女の第一印象はそんな感じだった

カラオケ歌ってって言われてもお酒くれないと歌わない。っていうし、1人だけ高いお酒飲んでるし、ほんとなんなんだこいつは!って最初はかなり動揺していたし、嫌悪感を抱いていた

夜の世界は海のようなもので
人の弱さ、ねじれた欲望、心の影を全て包み込んで、ぷかぷかとふわふわと泳ぎ回る。
朝の光で全ての水が蒸発するまで自由な別の自分をみせてくれるのだ。と思う。
彼女は夜の世界で可憐に美しく香しく舞っていた。

だけど、彼女と一緒に仕事する機会が増えて段々と彼女が見えてきた

容易く近づいてはいけない
それは、彼女が他人から傷つくことを恐れて知らず知らずのうちにそういう性格になってしまったんだんだと後から気づく。

野良猫のようにすっと相手に入り込んで、自分の軸がぶれそうになるとスッと離れていく
彼女もまた底知れぬ孤独と闇と戦っている1人だと思う。

彼女とは最初とは想像もつかないほど急速に仲良くなった
彼女の飲み方にリミッターなどなく
毎回のごとく浴びるほどお酒を飲んで
ある時は客の前で寝た
ある時は2人で店の入り口で死んだように寝た

確かに毎回二日酔いなのだけれど、彼女との飲みは自分をさらけ出せた清々しい二日酔いだった。

笑顔でテキーラを飲み、その直後、大号泣しだす。ほんとクレイジー極まりない奴だ。
そんな彼女に私もまた虜になっていた。

彼女はなぜか私をとても慕ってくれて歳は違えど友達として仲良くしてくれた。
彼女の生い立ち、過去のいじめ、金銭関係、過食嘔吐、鬱、
いいアドバイスもできない私に彼女はたくさん話をしてくれた。嬉しかったし、彼女を助けてください。と何度も願った。
大号泣しながら苦しみを吐き出してちょっと楽になっていたらいいなと思ったものの
朝、心配の電話すると記憶ないらしい。意味あんのか?ほんとクレイジーだ。面白い奴だ。そして自分の芯を持った強い奴だ。

彼女が突然、夜の仕事に出なくなっても関係は続いた。

彼女は追い込まれるとお酒と薬に逃げる
そして過食嘔吐をする
どうかその押し寄せる闇が穏やかになる日が現れますように
彼女が今後どう生きていくのかも
そばで見届けたいと思う。時々慰め合い時々叱咤し合いお互いに自分を持ち続けながら生きていけたらこっちのもんだ。

たばこのけむりがゆっくりと冷たい空に消えていく
自分の嫌いな部分も
一緒に浄化されているようで

年齢も違えば性格も違う。
いつも会うのは夜だ。
道端でははキャッチの声が
原色のネオンと騒がしさを競い合う
そんな世界で私たちは生きている

出会った数ヶ月が
中学、高校の頃の青春のように
何年か先の未来でも思い出して
望んでもない他人に話ちゃうような
そんな素敵な時間になりますように
きみはどうかな
願わくば
君もそうであって欲しいなぁと思う。
今後の彼女の生き様をそばで見続けたいと思う。これからも。ずっと。親友として。
孤独や闇は一生消えないものだと思うが互いにおぎあいながら私たちの世界で生きていけたらそれでいいと思う。

どうやらこれは
ありふれた傷らしい
どうであれ生きていかなきゃ
いけないらしい
体がとてつもなくだるい
どうやらこれが命らしい
これが生きるということらしい

こんなことを言ったら
そんなんじゃねえよって
君は笑いながら私を叱るだろうか
生きるって辛いよなって一緒に笑ってくれるだろうか


ひまでんでした〜って寝起きの声でかけてくる彼女のどうでもいい電話が大好きだ。

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