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鳥Aves note I-x


2024年6月22日(土)、朝5時15分、東の空と雲。


鳥Aves note I-x


独歩の『春の鳥』を読んだ14歳よりもっとずっと幼い以前からわたし、私たちの乳白の夢には鳥、鳥たちのつらなりつづく萌芽がありわたし、私たちはまだ若い実を両手にもいでにぎったまま柿の木からあるいは漆木をよけてよじのぼった赤土山の頂上からうでをひらき唐草模様の風呂敷マントを翻し飛び降りてはいつも着地するまえになまあたたかい目覚めを繰りのべていた。六蔵が飛んだ12歳以降もわたし、私たちは幾度となく飛ぶ夢を見るが1から6までどころか「億兆京垓序穣溝澗正載極恒河沙阿僧祇那由他不可思議無量大数」まで節づけて口ずさみ負の数、虚の数まで知ったわたし、私たちの灰汁色の横縞模様の夢に鳥、鳥たちの芽は摘まれたままもうつらなりつづけて生えずそこでの「飛ぶ」は「墜落」、寒い目覚めを畳んでいる。



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