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消えた初恋#10感想 4人の恋の行く末は

ついに最終回を迎えてしまった….

オシドラサタデー「消えた初恋」最終話の感想を書いていきます。

あらすじ

ついに、学校の一大イベント『クリスマスイルミネーション点火祭』の日がやってくる。点火祭の日に好きな人にケーキを渡すと恋が成就するという伝説があるため、あっくん(鈴木仁)への2度目の告白を決意した橋下さん(福本莉子)や、井田との気まずさを解消したい青木(道枝駿佑)はケーキ作りに余念がない。
するとそこに現れた井田(目黒蓮)が青木を屋上に連れ出し、伝えないといけない事があると話し始める。しかし、そこで青木と気持ちがすれ違ってしまい…!?

消えた初恋公式ホームページより

数ヶ月間の関係が終わってしまった

いつだって現場は屋上なんだよな…知ってた…

バレー部の友人に青木との関係を正直に打ち明けてしまった井田。それまでこの2人は付き合ってることを隠そうとしていたが、その理由が大きく違っていた。
井田はわざわざ公言する必要はないという考えから。しかし、見られたからもう隠す必要はないということで言ってしまった。
一方で青木は「付き合っていることが恥ずかしいから隠したい」ではなく、「男同士で付き合ってると分かったら井田も何か言われて傷つくかもしれない。だから恋人であることを伏せる」という相手を想う気持ちから。だから、今まで寒い中屋上でご飯を食べたり、人目がある所で手をつながないようにしたり、と色々気にしていた。

ということでいつかはこういう展開が来ると思ってました…
ここの視聴中のメモで「おまそれはほんとにあかんて」と書いてあって自分で自分に同意した。あかんて

そしてその青木くんの思いは、井田くんが「人を好きになる気持ち」を理解できない限りずっと気づかれないままで….

橋下さんとあっくんとカップケーキ

あっくんの「手作りはちょっと」発言で橋下さんと同じ反応になりました。ペットボトル握りすぎてキャップがはじけ飛ぶなんて握力…怖い…でも可愛い…

橋下さんはあっくんが貰ってくれるかもと勝手に期待してしまったことに不甲斐なさを感じていました。受験票の思い出からの告白の一件と同じく一人でまた暴走しちゃったかもという前科があるから余計に自分に腹が立ったのかもしれない。
でも今度は青木くんじゃなくてあっくんが追いかけてきてくれて、しかもカップケーキを食べてくれて無事解決。去年は渡せなかったカップケーキを、目の前で美味しそうに、そして「橋下さんの手作り以外をわざわざ断ってまで」食べてくれるというね。橋下さんめっちゃ想われてるじゃん。

…副委員長の手作りを断るときに「お腹いっぱいだから~」などと言っておけばこんなプチ騒動は起きなかったのでは?

からの2人をイルミネーションが照らすといういかにも恋愛ドラマ的なシーン。あ、これ恋愛ドラマか
かがんで目線を合わせてお誘いするあっくんの横顔がめちゃめちゃかっこいいです。

ということで最終話でやっと橋下さんの恋も成就しました。本当に良かった~~お幸せに~~~!!
しかし、しかしながら、橋下さんと青木くんの片思い同盟で林間学校の時といい、一方の恋が破れているときにもう一方の恋が叶うのまあまあ残酷すぎる。

青木くんのお願いと井田くんの出した答え

別れた後もバレー部に井田への態度を変えないでと懇願するほど気に掛けていた青木くん。報われてほしい。

このシーンからも「付き合っていることがバレたら井田がいじめられるかも」と相手を思いやって&偏見を恐れて動いていたことが分かる。
井田は偏見があることを気にしてないから堂々としてるけど、今の社会だとまだまだ青木くんの考え(男性同士の恋愛は歓迎されない)が多数派なんだろうな。悲しいことに。 と思うと世間の声とか常識って本当に何?って感じ。点火祭の男女カップルを次々と映して青木君に「やっぱり、ああいうのが普通だよな…」と言わせた脚本家、本当に残酷。

でも、バレー部のみなさんはそんな井田&青木カップルを祝福しようとしてました。そして青木の思いに応えようとボールを井田に集める作戦を実行。いい人しかいない。

ということで青木の真意を知り、親友の問いかけに背中を押してもらい、井田くんは学校に猛ダッシュ!ここでSecret Touch流すの、「青木への気持ちが何なのかやっと理解できた」ことを暗喩してるみたい。

学校についたときには点火祭は終わっていて間に合わなかった…と思いきやバックハグからのイルミ再点火。うっわぁ~~~少女漫画で見た展開~~~ いったん視聴者の感情を地の底まで落としてからかなり高く上げるの何?好きだが。
家庭科室に戻ろうとした青木くんに駆け寄ってハグするときの、目に力を入れる描写?表現?が「覚悟決めました!」感あって好き。
気持ちを一つずつ言語化して、その上で付き合ってくれと告げる井田くん。1話の最後に青木くんに言った「お前とまっすぐ向き合いたい」を素直に実行していました。
からの青木くんからのハグで初心LOVEが流れてオタクは泣いたしお幸せに…以外の言葉が出なくなった。末永くお幸せに~~~~!!!!

クリスマスっぽいケーキを用意できなかったと落ち込む青木くん。ここのシーンに特に意図はないかもしれないけど、クリスマスと言えばケーキなのも恋愛=異性関係という大衆の意識を暗示しているのかなと勝手に一人合点して苦しくなった。本人たちが満足していたら板チョコでもケーキだよ(???)


好きになるということ

そんなこんなで大団円で終わった「消えた初恋」、心情が描写された橋下さんと青木くんと井田くんの恋が一度散ってる点が面白い。
橋下さんは「入試時に励ましてくれたあっくんに告白して振られ」、青木くんは「橋下さんを好きだったが、彼女には想い人がいた」ことで消滅、井田くんは「無意識のうちに青木を好きになっていたがすれ違いにより振られる」。そして青木くんと井田くんはタイトル通り初恋が消えている。つまり「消えた初恋」は青木の恋模様を表しているのかと思いきや実は井田と青木2人の物語なのでした。
一度恋が消えても尚諦めずに行動する者に神様は微笑むんだなぁ…..報われてよかった。

誰かに好意を持つことは生まれ持ったもので、他人の考えに邪魔されるものではないことを丁寧に描写してくださったドラマだと思いました。人が人を好きになるのにきっかけはあっても理由はない。
そして、今の世の中では「惹かれるのに性別は関係ない!」と主張されていても岡野先生のような偏見を持つ人もいて。でも岡野先生を一方的に悪として描かずに、自分で気づいて直そうとする姿、また「全ての考えが大切な個性」の谷口先生の発言より、同性愛に否定的な考えも外から矯正するものではなく、個性として受け入れるべきというテーマを提示してきた。8話の多様性ラーメン(概念)じゃないけど、店でラーメン頼んで嫌いな具があったら「これがなぜ入っているのだ!けしからん!」と強烈に拒否しますか?という話だよね。黙って残すか食べるかのどちらかだと思う。次からは○○抜きで、と頼んだり別のお店に行ったりして対応していく。嫌いな具が二度と市場に出回らないようにしたり、この具のここが苦手だからあらゆる手を使って改良しよう!と思ったりはしない。

自分の嫌いなものは誰かの大好物だし、自分の大好きは誰かにとっての大嫌い。「まあそういう嗜好もあるよね」であらゆる考えが理解されて受け入れられる世の中になればいいなと思います。

「消えた初恋」は高校生同士の恋愛ドラマだと思って観たら多様性についてめちゃめちゃ考えさせられるドラマでした。そしてそして何といっても橋下さんが可愛い。



おしまい

登場人物全員に幸あれ

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