半身(半神)
私がもう一人いたら
私のからだのすみずみまでを
的確にマッサージできるのにな、と思う
私がもう一人いたら
私がピアノを弾きながら
私がマイクを持って歌えるのにな、と思う
私がもう一人いたら
私がお散歩しているあいだ
家事も済ませられるのにな、と思う
私は私の片割れを
探そうとか、作ろうとか、
昔はそう思ったけれど、
だいぶ前に諦めてしまった
自分が半分のままだと不完全な気がしてならなかったけど
私の不完全さを
誰か他人が愛してくれるわけでもないので、
私はびっこひきながら
私の生活を慈しむ
なにもかもを中途半端にしかできない私を
他の誰でもなく
私だけが慈しんで生きて死んでいく
それだけのこと
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