神山我彦

雑談力を考える

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最近の記事

不言実行と有言実行 道徳的価値観とビジネス的価値観

「有言実行」は、元々「不言実行」という言葉から派生した言葉ですが、 今では完全に「有言実行」の方が市民権を得ています。 NOTEでも「有言実行」で検索するとやく10,000件ヒットするのに対し、 「不言実行」は1,000件となっています。 「不言実行」は、 「まだできてもいない事をあれこれ口にするよりも、黙って行動で示す」 と言う意味です。それに対し「有言実行」は、 「口にしたからには責任を持って結果を出す」となります。 「不言実行」も「有言実行」もどちらにも共通するのは

    • 「目には目を」ではなく「目には目で」が正しい?

      「目には目を、歯には歯を」と言う言葉は、「やられたら(同じことを)やり返せ」と言う意味に理解されがちです。その理解はおそらく新約聖書の以下の一節からきています。 「復讐してはならない」と言う見出しがついた一節の冒頭で、復讐を正当化する言葉として引用されています。これだけを読んで真に受けのだとしたら、「目には目を、歯には歯を」という言葉は復讐を推奨していると捉えてしまうのも当然です。 補足1「復讐してはならない」といった見出しは後世の編集者や翻訳者によってつけられたもので、

      • 神話の構造 神々の時代、英雄の時代、人間の時代(政治の時代)

        神話的歴史神話はそれが信じられていた時代を生きる人にとって、世界の成り立ちを説明するものであり、現在の体制を正当化するものであり、自分たちにアイデンティティを与えてくれるものでありました。 神話が本気で信じられていた時代、神話はその時代と地続きの歴史だったと考えられていたはずです。 神話は歴史であり、自分たちの生きる現在もまた神話の一部と考えられていたでしょう。 その地続きの歴史を「神話的歴史」と呼ぶことにします。 この記事では、神話的歴史を大きく以下の3つの時代区分に分け

        • 【回答例】子供に「なぜ人を殺してはいけないのか」と聞かれたら

          まず、「自分は死にたくないと思っている」ということから始めると、 「他人もまた死にたくないと思っている」ということが導き出されます。 ここまでが大前提です。 自分の大切な人の死は自分にとって損失であるだけでなく、 その大切な人自身も死にたくないと思っているため、 その人を殺してはいけないということは簡単に理解できます。 それ以外の人々についてはどうでしょうか? 人を殺すことが自由であるということは、 自分や大切な人が殺されることもまた他人の自由に委ねるということです。

        不言実行と有言実行 道徳的価値観とビジネス的価値観

          知識の段階

          豊富な知識を持っているという状態を、3段階で表現します。 第一段階(暗記型) 本などで得た知識をそのまま披露する。  =物知り 第二段階(応用型) 本などで得た知識を身近な物事に照らし合わせて意見を述べたり、 知識を利用して同様の物事に対処したりできる。  =生き字引 第三段階(価値創造型) 複数の異なる知識を組み合わせて全く新しい法則や物の見方を生み出したりできる。 また、その知識の自身の内面への応用により精神・情緒が安定している。  =賢者

          知識の段階

          技術とは

          技術を表す英語はいろいろあります。 テクノロジー、スキル、テクニック・・・ どれも日本語の技術という言葉の一面を表しているように思えますが、 過不足なく「技術とは何か」を定義することは難しそうです。 次に、技術という熟語を分解して理解して、 それぞれに対応する英語を当てはめて考えてみたいと思います。 技(わざ)と術(すべ)。 技:腕前、手並み、上手さ。英語で言うとSkill 術:方法、手段。英語で言うとMethod こうしてみると技術という言葉がわかってきたような気がします

          大人になるということを考えてみる

          大人になるということについて、考えてみたいと思います。 「大人になる」ということについて、皆さんはどのようなイメージを持っているでしょうか? 年齢を重ねるということで肉体的・外見的な衰えをイメージする人もいるでしょう。 マスメディアやSNSにおける世代間の対立を煽るようなコンテンツの影響で、 大人への反感があるかもしれません。 ただ、人間は誰しも歳を取るということに抗えないので、 相応に大人になって行くことからも逃げてはいけないと思います。 そこで、今回は大人とはどうい

          大人になるということを考えてみる