技術とは
技術を表す英語はいろいろあります。
テクノロジー、スキル、テクニック・・・
どれも日本語の技術という言葉の一面を表しているように思えますが、
過不足なく「技術とは何か」を定義することは難しそうです。
次に、技術という熟語を分解して理解して、
それぞれに対応する英語を当てはめて考えてみたいと思います。
技(わざ)と術(すべ)。
技:腕前、手並み、上手さ。英語で言うとSkill
術:方法、手段。英語で言うとMethod
こうしてみると技術という言葉がわかってきたような気がします。
Skillは職人の技(わざ)のように個人に帰属するもので、
それだけでは他人は再現不可能です。
それらを体系化したり、方法論を確立して、再現可能なMethodにして
初めて技術と言えるようになります。
剣術、柔術、はては忍術・魔術・錬金術などは、
師匠から弟子にSkillを伝えていくMethodがあると考えられます。
個人に帰属するSkillを再現可能なMethodにするということは
技の裏付けとなる個人の経験や感覚・判断基準などを言語化して
継承可能にすることだと言えるでしょう。
後継者不足や高齢化によって、伝統技能の継承が課題になっています。
「技」のまま言語化されない場合、後継者は「見て盗む」という学習スタイルに依存することになり、長く苦しい修行を強いられます。
師の技を継承し、その上に自らの成果を積み上げるという正のスパイラルを実現するためには、言語化によって「技術」として確立することが必要なのではないでしょうか。
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