愛の形はカップルそれぞれ〜璃月〜
一口にカップルと言っても、
いろんな形があるなぁと思うこの頃。
電車で手を繋ぎながら微笑み合うカップルもいれば、
2人それぞれスマホを見るカップルもいる。
仕事以外の時間は四六時中一緒にいたい、というカップルもいれば、会うのは月に一度か二度でいいというカップルもいる。
大好き!ずっと一緒!と言い合うカップルもいれば、
親友みたい!楽しい!と一緒にいるカップルもいる。
どうしても身体の相性が合わないけれど、好きだから一緒にいるカップルもいれば、
やはりそこは譲れないと別れを考えるカップルもいる。
結婚を考えているから、同棲のための引越しをしたり、そのための転職も厭わないカップルもいれば、結婚は考えているけれど、今は仕事や趣味が大事というカップルもいる。
そう、世の中には色々なカップルがいると思う。
そして、先日1Kから2DKに引越しを終えた私と彼は、どちらかというと全てが前者に当てはまる。
出会って半年と少し、おおよそ結構な金額をかけて2人のこれからの住処を決めた。
引越し翌日には、大型家具屋さんに行き、
次の引越しや結婚後のことを話し合いながら、
これまた、おおよそ結構な金額のする食器棚を購入した。
好き好き、大好き!寂しい!ずっと一緒!
そんな甘いことばかりではいられない状態になった。
引越しで考えること、やらなきゃいけないことが続き、体力も限界を迎えた私たちは、
些細なことで喧嘩をして、埒のあかない話し合いを重ねた。
元々不安定だった私は、さらに不安定になっていた。
引っ越し直後。早朝出勤、仮眠をはさみ、深夜出勤だった日。
彼にとっての仮眠タイムくらいの午後のこと。
1人でいられなくて、明らかに寝不足である彼に助けを求めた。
呆れられる、そう思いながらも
1時間、電話に向かって泣き続けた。
「少しだったら会えるから、こっちにおいで」
急いで着替えて、電車に飛び乗った。
彼の会社の最寄り駅に向かう。
眠い目をこすりながら、駅前で待ってくれていた彼。
朝会ったばかり。
翌朝にはまた会えるのに、どうしても1人でいられなかった。
彼に、会いたかった。
「よくきてくれたね、ありがとう」
それが彼の第一声だった。
呆れ顔をされると思っていたから(ならくるなという話だが)、
なんだか拍子抜けしてしまった。
おうちのようにぎゅーとかはできないけれど、
手を繋ぐだけで、
横にいるだけで安心した。
たまたま入ったカフェでお抹茶かき氷とクリームチーズティーを飲み
(ちゃんと値段も見ていなかったから思いのほか高級だったけれど後戻りできないやつだった)、
何気ない話をする。
彼のズボンの色落ちのせいでTシャツが2枚ダメになった話とか、
ならもうそのズボンは捨てないとね、とか。
お昼ご飯は何を食べたとか。
そんな、他愛もない話。
カフェに向かうエスカレーターの中でも、
かき氷を待っている時も、食べている時も、
彼はぎゅっと力強く手を繋いでくれる。
呆れられる、わかっていながらもきてしまった。
彼の睡眠時間を削ってしまっている、わかりながらもきてしまった。
彼は、私に悪いなぁとか思わせないように、
様々気を遣ってくれながらも、
どうしてもあくびが止まらないようだった。
別れ際、
心からの「ごめんね」と、
本当にありがとうの感謝を伝えた。
とはいえ、翌朝帰ってきた彼は、
昨日のことを責めるでもなく、いつも通り。
こんなことがあった、あんなことがあったと話し続け、お昼ごはんを食べて。
前から決まっていた夜の予定に向けて、グースーピーと仮眠をとっていた。
カップルというよりなんだろう、なんだろう。
世間一般でいうとおかしいかも。
ダメなのかも、彼氏に向かって泣き喚くなんて変だな、別れたほうがいいのかな。
そう、悩んでいたからこんな投稿を書いて、
下書きに保存していたのだけれど。
朝起きてすぐ。
ちょっとダサい(本当は結構ダサい)甚平姿で、
100均で買ったジョウロを片手に台所に向かい、水を汲んだあと、
ベランダで育てているハーブのもとへと向かう。
173センチの男が、甚平姿で、
ハーブに微笑みかけながら、水をあげる。
なんとも不恰好だ、と私は思う。
その上、ハーブたち(3種類ある)に向かって、
「今日は元気だな」
「なんか元気ないな」
とか話しかけちゃってるし。
そして、そんな不恰好な彼をみていると、
1日のうちたった2分とかのことだけれど、
その姿をみられることに幸せを感じた。
悩んでいたことはどこかに吹き飛んでいった。
誰が何を言おうと、世間的におかしいだろうと、
改善すべきところはあるにせよ、
私たちがこれでいいというのだから、
カップルとして、これでいいというのだから、
それでいい。
そう思えてきた。
愛の形は、カップルそれぞれだ。
本当に、それぞれ。
同じ形をしたカップルなんか、世の中にはいない。
だから、今回の一件は一旦置いといて、
もうちょっと私が強くなる必要があるということで。
私たちは私たちで、私たちなりの形を作っていこうと思った、
そんな7ヶ月記念日でしたとさ、おしまい。