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海外に居住してみて、隣の芝生は本当に青く見えた話

日本へ一時帰国をして早1ヶ月が過ぎた。残りあと1ヶ月ほど日本に滞在する予定なのだが、実はオーストラリアへ住み始めてから日本にこんなにも長く滞在するのは初めてだ。

この1ヶ月間私のプライベートでは様々な出会いや別れがあってこんなにも毎日が全く違う日々を過ごせていることが本当に楽しい気持ちと同時にオーストラリアへ帰ってからの勉強とバイトだけの生活に戻ることが不安でもある今。

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オーストラリアの芝生が青く見える

オーストラリアに在住して今年の6月で2年目になる。

高校時代に大学に進学先を決めるときに迷わずオーストラリアを選択した。もちろん他にもアメリカやマレーシア、イギリスなど選択肢はいくらでも存在したのだが、その中でも一番現地の生活が私の中では想像できないオーストラリアを選んだ。

大学への合格が決まって、オーストラリアでの生活が始まる前までは、行ったことのない初めての国での生活や大学の施設に夢と希望で心踊らせていた。

大学では全て英語のレクチャーで、宿題で、教科書で、友達で、近くにあるビーチで遊んで、好きなことをして働いて、もっと知識をつけて日本へ帰国するんだ...とオーストラリアでの生活が本当に輝いて見えた。

おそらく当初の私は大学へ正規留学するということが頭の中では鮮明に思い描かれておらず、空想上の大学生活に憧れていたのだと思う。


日本の芝生が青く見える

大学へ通い始めると溢れるばかりのアジア人(中国人6:韓国人2:日本人2くらいの比率)。実は高校時代にも1年間ニュージーランドへ1年間ほど留学をしていたのだが、その頃はアジア人が学校にはほとんど在籍しておらず孤独な思いをした私にとってはありがたい環境であった。

が、それもしばらくすると一転。アジア人は集団意識が高いのかクラスの中でも西洋人、アジア人と真ん中にぱっくりと別れてしまうのだ。また、現地の生徒も普段からアジア人に変に慣れている(仲良くするのではなく、あぁアジア人ね、みたいなイメージ)ため、なかなか話しかけにくい雰囲気。

東京暮らしの私にとっては平日も休日もずっと同じような場所から動けない日々も苦痛だし、学校から出される課題も想像していたのとは少し違うしとにかく毎日勉強、アルバイトも韓国人オーナーの飲食店。

インスタグラムやFacebookから流れてくる他の国に留学している友人の写真。日本にいる友人は皆んな楽しそうなプロジェクトに参加したり、インターンをしたり、大学でも学びたいことを学ぶことができていて楽しそう。

あぁ、自分の留学こんなはずじゃなかったなぁ....。

私だってもし日本の大学に通っていれば、Facebookから流れてくる面白そうな勉強会やイベントに参加することができて、興味分野の似ている友人たちと集まってもしかしたら新しいプロジェクトを一緒に作り上げて、今頃きっとインターンもしていた!

いつしかそんな気持ちばかりでオーストラリアまで来て大学へ行き何もない場所で毎日変わり映えしない生活が嫌いになっていた。

正に日本の芝生が青く見える状態。


そんな迷走している間に日本へは2度帰国していた。1回目は2019年1月〜2月。2回目は2019年6月に2週間ほどの滞在。

まぁ日本の生活羨ましいなぁと思いながら日本に滞在しているから日本の生活が楽しいわけですよ。日本で頑張っている友人に会って話をしたり、当時お付き合いしていた人と会う度に「私オーストラリアで何しているんだろうと」という感情でいっぱいになっていた。


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自分の芝生を青くしたい

前回日本に帰国してからいい加減今の自分の環境好きにならなきゃなと思い、オーストラリアの嫌いなところより、好きなところ探しを始めた。

ゴールドコーストに住んでいるのだが、ここはビーチが近くにある所謂リゾート地。子供の頃から海が好きでディズニーの中で一番好きな話はリトルマーメイドと答えるほど海に囲まれた環境に住むことが私の夢だった。

◆ それならば!念願の海の近くで、しかも海外で住めるっていう環境存分に楽しまなくてはと思い、毎日放課後にビーチへ通い詰める生活をした。結果、次に住む家は学校から少し離れてしまうが、ビーチ沿いの家に住むことにした。

◆ アジア人といるのが苦痛と感じるのであれば、西洋人にくっついていればいいのか!と思い、授業中は西洋人の近くに座り、一緒にグループワークをすることになったり。

◆ プライベートの生活が充実していないように感じるから、朝から夜まで学校で勉強をしてバイトだらけの生活にしてみたりとか。


些細なことばかりだが、数ヶ月前までは好きではなかったオーストラリアでの生活が徐々に好きになっていた。日本のどこが羨ましいと思っていたのかも分かってきた。

一言で言うと就職だ。

日本ではない場所で将来就職する可能性のある私は就職する前にどんなことをすればいいのか分からないし、インターンをするにも英語がネイティブほど上手ではないため不安だった。

日本にいれば母国だから言語の壁は無いし、インターンや就職に関する情報も友人からやネットからも探しやすい。また、日本の方が就職は絶対にしなくてはいけないものだと就活に危機感を持って行動しているが、オーストラリアだと大学を卒業してすぐに働く人はそんなにいないし、そもそも大学へ通う人も少ない。

そんな環境で生活していたら自分はいつか怠けて何もしないまま日本の友人たちから置いていかれてしまうかもしれないという焦りがあった。そのため、日本の機会に溢れた生活しやすい環境というものに憧れていた。


自己分析をしていて気がついたことは今自分ができていないことを環境のせいにしていたことだ。

「日本にいないからやりたいことが出来ない。日本にいれば私はできるのだ」そんなことを言っていたわけだ。恥ずかしいですね。

できる人はどんな場所でもできるし、全てのことは私が選んだ道なのだから自分で収集しなくてはいけない。環境のせいにするのはやめて、今の環境をどうしたら楽しいものに作り変えることができるかをしていこう。

過去は変えられないが未来は今の自分次第でいくらでも変わる余地はあるし何より、今が一番楽しいと思いたい

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オーストラリアの芝生は青い

今回日本へ帰国をして早々にお付き合いしていた人と別れることになり、自分を見つめ直す機会が出来て足りない部分に気がつくことができた。

そこからイベントに参加して色んな人に出会い、他の人の人生を知ることができたり、高校時代の友人と会ってただの「友達」という関係性からよりステージアップした友人になったことを実感したり、自分は一般教養勉強したいことに気がつき教師免許様の参考書を買って自分で勉強を始めたり。

今はオーストラリアへ帰ることは嫌だとは思っていない。大学が始まったら、「卒業できればそれでいい」という気持ちで授業に望むのではなく、観光学を専攻しているのだが、この分野のエキスパートになってやるくらいの気持ちでGPAを上げていこうかなんて考えている。

また、これまで頻繁に日本へ帰国していたが卒業するまでの残り一年半は就職とかよほどの理由がない限り日本に帰国することはないだろうと思った。自分の今ある環境から逃げるのではなく、環境を好きになる努力をしなくてはいけないということを学んだからだ。


隣の芝生は確かに青く見える時もあるが、自分の庭の芝生も栄養を与えれば隣よりも青く見えることを学んだ20歳。

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