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「世界を救えない俺達の幸福論」あらすじ
凶悪な怪物、通称シンが世界各地に出現するようになって十年。
人類はシンに対抗する戦士を集めた組織「バスターズ」を結成した。
バスターズは人々をシンから守る為に戦い続ける。
しかしそれはいつしか当たり前の光景となり、次第に人々はシンを根絶できないバスターズに反発感情を抱くようになった。
民間人からの罵声と拒絶に苦しむ戦士達。
辰巳健太と水本香恋もそうであった。
ある日発せられた香恋の一
「世界を救えない俺達の幸福論」第三話:死なせない!
如月屋の前に救急車が到着していた。
救急隊員に運ばれて、三香さんは救急車に乗る。
「……香恋、一緒に行ってやってくれないか」
「いいけど、先輩は?」
少し深刻そうな顔をしていた健太に、香恋が訝しそうな様子を見せる。
「俺はほら、戸締りとかしていかなきゃだから」
「……わかった。後から来るんだよね?」
「あぁ。絶対に行く」
そして香恋は救急車に乗り、三香さんと共に病院へと向かった。
「世界を救えない俺達の幸福論」第二話:光里町での生活
ヒカリ先生が認識阻害をかけたおかげで、健太と香恋は誰にも見つからず電車に乗れた。
そして電車に揺られて二時間。
二人はヒカリ先生の案内で光里町へと到着した。
「さぁて。まずは住む家が必要だね」
「あの……ヒカリ先生。私達未成年だから不動産屋さんで契約できないんですけど」
「そんなの問題ないわ。だって今から行く場所はワタシが管理しているアパートだもの」
ヒカリ先生の言葉に驚きつつも、健太
「世界を救えない俺達の幸福論」第一話:逃げちゃおっか
『いつからだろう、心が限界を迎えていたのは』
薄暗い模擬戦場で、妹の遺体が入った棺桶を自分で火葬しながら、十七歳の少年辰巳健太は無表情で考える。
『大切な人達を失って、拒絶されて、どうして自分はヒーローをしているんだろう』
健太は妹の遺骨が入った箱を抱えながら、バスターズ本部のベンチに座っている。
その隣には長い黒髪が特徴の少女、水本香恋が座っていた。
「先輩……」
健太の