鴨山兄助

名前の読み方は「かもやま けいすけ」です。 奈良県に生息しているラノベ作家。 第9回オ…

鴨山兄助

名前の読み方は「かもやま けいすけ」です。 奈良県に生息しているラノベ作家。 第9回オーバーラップ文庫大賞にて『落ちこぼれから始める白銀の英雄譚』が書籍化しました。 お仕事のご依頼等がありましたら、X(旧Twitter)のDMにください。

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「世界を救えない俺達の幸福論」あらすじ

 凶悪な怪物、通称シンが世界各地に出現するようになって十年。  人類はシンに対抗する戦士を集めた組織「バスターズ」を結成した。  バスターズは人々をシンから守る為に戦い続ける。  しかしそれはいつしか当たり前の光景となり、次第に人々はシンを根絶できないバスターズに反発感情を抱くようになった。  民間人からの罵声と拒絶に苦しむ戦士達。  辰巳健太と水本香恋もそうであった。  ある日発せられた香恋の一言で逃亡を決意した健太は、彼女と共に安住の地を探し始める。  そんな中二人はヒカ

    • 「世界を救えない俺達の幸福論」第三話:死なせない!

       如月屋の前に救急車が到着していた。  救急隊員に運ばれて、三香さんは救急車に乗る。 「……香恋、一緒に行ってやってくれないか」 「いいけど、先輩は?」  少し深刻そうな顔をしていた健太に、香恋が訝しそうな様子を見せる。 「俺はほら、戸締りとかしていかなきゃだから」 「……わかった。後から来るんだよね?」 「あぁ。絶対に行く」  そして香恋は救急車に乗り、三香さんと共に病院へと向かった。  救急車の姿が見えなくなると同時に、健太は覚悟を決めたような表情になる。  店

      • 「世界を救えない俺達の幸福論」第二話:光里町での生活

         ヒカリ先生が認識阻害をかけたおかげで、健太と香恋は誰にも見つからず電車に乗れた。  そして電車に揺られて二時間。  二人はヒカリ先生の案内で光里町へと到着した。 「さぁて。まずは住む家が必要だね」 「あの……ヒカリ先生。私達未成年だから不動産屋さんで契約できないんですけど」 「そんなの問題ないわ。だって今から行く場所はワタシが管理しているアパートだもの」  ヒカリ先生の言葉に驚きつつも、健太と香恋はそのアパートに到着した。  最寄り駅から徒歩三十分。  アパートの名前は

        • 「世界を救えない俺達の幸福論」第一話:逃げちゃおっか

          『いつからだろう、心が限界を迎えていたのは』    薄暗い模擬戦場で、妹の遺体が入った棺桶を自分で火葬しながら、十七歳の少年辰巳健太は無表情で考える。   『大切な人達を失って、拒絶されて、どうして自分はヒーローをしているんだろう』    健太は妹の遺骨が入った箱を抱えながら、バスターズ本部のベンチに座っている。  その隣には長い黒髪が特徴の少女、水本香恋が座っていた。 「先輩……」  健太の服の袖を掴みながら、香恋が語りかける。 「もう……逃げちゃおっか」  そう言

        「世界を救えない俺達の幸福論」あらすじ