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【映画レビュー No.3】ちいさな独裁者【史実戦争映画】


(C)2017 - Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film

数あるnoteの中からこの記事を開いて頂き誠にありがとうございます。
しがないZ世代独身男の映画レビューです。
一人でも多くの方に映画の魅力が伝われば幸いです。
コメント、いいねとっても励みになります。
いつもありがとうございます。

【インプットしたもの】
ちいさな独裁者(原題 Der Hauptmann)

【インプット日】
2023年5月29日
今シーズン初の現地プロ野球観戦をして惨敗を喫した次の日。

【媒体】
U-NEXT
先月より契約を始めたのですが作品ジャンルの幅、深さ共に今のところ満足指数120%です。
他サブスクではあまり見放題対象になっていない作品が多数あり、転職活動が漫ろになる自信しかありません。

【監督・作者】
監督:ロベルト・シュヴェンケ

【インプットしようとした動機】
・「シネマトゥデイ」のYouTubeチャンネルの予告編が魅力的だった
 ▽映画『ちいさな独裁者』予告編
 https://www.youtube.com/watch?v=93A6b4phGMY
・史実に基づいた戦争映画が好き
・「ちいさな独裁者」という邦題が頭に残り続けていた


こんな貴方、貴女におすすめ

・史実に基づいた戦争映画が好きな人
・ウソを突き通し続けた経験のある人
・心理戦を伴う作品が好きな人


学校では教えてくれない史実を学べることは勿論、フィクションの設定であったとしてもドキドキ必至な「本性がバレたら死ぬ」という状況で、度重なる選択を迫られる主人公に自分を重ねることで命がけの心理戦を楽しめるインプット作品としてもエンターテイメント作品としても非常に優れた作品をお求めの方、オススメです。

作品内容

2018年公開のドイツ、フランス、ポーランド合作の史実を元にした戦争映画。時は1945年4月第二次世界大戦末期。ドイツ軍の敗色が決定的な中、ドイツ空軍脱走兵ヘロルト(上等兵)が憲兵隊から逃げ落ちた先で偶然空軍大尉(めちゃ偉い)の軍服一式を見つける。寒さを凌ぐために軍服を着用したヘロルトだがその直後に出会った敗残兵フライタークに軍服の階級章から大尉だと信じられ、このまま空軍将校として生きていくことを決意。本性がバレたら殺される極限の環境下で、巧みな話術と階級章・軍服の威光で、命懸けのウソを吐きながら敗残兵を配下に加え身も心も空軍大尉となっていく。
一般的な戦争映画では描かれることの少ない、戦場ではなく銃後のドイツを舞台とした戦争映画。

感想

※ネタバレを含みます。


→圧倒的没入感

(C)2017 - Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film

 鑑賞し終わった後、これまでにない、何とも言い難い感情になった。初めて戦争映画を自分事化し、主人公であるヘロルトに対して感情移入をしながら見入ったからだと思う。これまで様々な史実を元にした戦争映画を見てきたが、完全に平和ボケした日本人20代男性にはどの作品もとても自分事化はできず、フィクションに近い感覚で吸収してきた。
 この映画は「もし自分が主人公の立場だったら…」を考えさせる設定、描写、演出が数多くあり、主人公であるヘロルトのウソのつきっぷりに感心し、また脱走兵収容所をはじめとした様々な場所での様々な傍若無人・非人道的振る舞いに嫌悪した。
子供の頃、学生の頃、はたまた大人になってからウソを突き通し続けた経験のある人には、この映画に散りばめられているウソがバレるかどうかを占う選択の数々に心臓をギュっとされ、「自分ならウソがばれたら死んでしまう状況でどう立ち回るか」を考えさせられるロールプレイ的な面白さ(勿論Interestingの方です)のある映画だと思う。

→天才的なエンドロールの使い方

 この映画でもっとも感銘を受けたシーンの一つがエンドロールで、劇中にてドイツ市民に対し略奪、殺人、暴行と乱暴の限りを働いたヘロルト即決裁判所の面々が当時の軍服、軍用車で、現代のドイツの都市に降り立ち何も知らない市民に略奪を行う様が描かれている。史実とはいえ現代の基準では現実味の湧きにくい第二次世界大戦下を描いたこの映画をリアルに感じさせる、画期的なシーンだった。本編の鑑賞が終わった後も是非観て頂きたいです。

この映画から学ぶ今日から活かせるToDo

・嫌な仕事を部下に強要しない
・アンオフィシャルな乱痴気騒ぎをするときは見張りを立てる
・死が決定づけられている場合には一か八かウソをつく

【どれくらい有益だったか】
戦争中の国の悲惨さ・やるせなさを
再確認することができる映画のストックが一つ増えた。

以上、最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。

参考文献・画像引用元

▽画像の出典 映画.com
https://eiga.com/movie/90062/

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