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【下心読書】恋した相手が読んでた本7冊

下心読書について

現役書店員芸人カモシダせぶんです。アメブロで1000冊以上本の紹介記事を上げたり「アメトーーク!本屋で読書芸人」に出たり、文芸誌やananに書評を寄稿したりしてます。

皆さんは、何きっかけで読む本を決めますか?ネットの評判、友人の勧め、本屋さんでの出会い。僕もこういった理由で読むことがありますが、中には

惚れた人に勧められたり、借りたから読んでみた本というのもあります。

僕は学生時代から、異常に惚れやすく、身の程知らずにガンガンに告白して、ちゃんと身の程で撃沈してるんですが、そんな僕だからこそ、惚れた人にハマるための下心読書も沢山してきました。普段全く読まないジャンルや著者さんも読んだりしたなぁ。

こういう本は中々印象に残ります。そして振られたり、下心抜きになって読み返しても面白い。そこからずっと読んでる作家さんもいます。今考えたら結構冊数あったので

こいつ惚れやすいなぁ。キモ。と思ってください。でも本は面白いものしかないんで是非。

有料部分は50倍キモいです。

あとあらすじは、全てアマゾンさんからの引用です。

ヒトリシズカ(誉田哲也)

(あらすじ)本書は、あなたに新しい興奮をもたらす。それは、第一章「闇一重」で幕を開ける。男が拳銃で撃たれて死亡する。犯人逮捕が間近となった矢先、司法解剖をした法医学者から連絡が入る。心臓に達していた銃弾は、一度止まってからまた動いたというのだ―。第二章 「蛍蜘蛛」で驚愕、第四章「罪時雨」で唖然、最終章「独静加」で…何を見る?―。

学生時代から長いこと好きだった子が勧めてくれました。

可愛いんですがちょっと天然な所があって

この小説は〇〇が○○なんだよ!思いっきり貸すときにネタバレしてました。それ聞いてから読んでも面白かったんで、これは相当面白いです。

この子とよく本の貸し借りしてたのも、今の読書量に繋がってるかも。早く会いたいから積極的に読んでた気がする。

凶悪 ある死刑囚の告発(「新潮45編集部」)

(あらすじ)人を殺し、その死を巧みに金に換える“先生"と呼ばれる男がいる──雑誌記者が聞いた驚愕の証言。だが、告発者は元ヤクザで、しかも拘置所に収監中の殺人犯だった。信じていいのか? 記者は逡巡しながらも、現場を徹底的に歩き、関係者を訪ね、そして確信する。告発は本物だ! やがて、元ヤクザと記者の追及は警察を動かし、真の“凶悪"を追い詰めてゆく。白熱の犯罪ドキュメント。

これも『ヒトリシズカ』を貸してくれた子に勧められた本。凄まじいノンフィクション。先生、マジ怖かった。

天然とは書きましたが新藤冬樹先生の『殺し合う家族』読んでたり、読む本は結構ハード。

『凶悪』は実写映画化されていて、この子と見に行きました。凄く良くできてた映画で、それはこの原作においてはトラウマ級に怖かったということです。

映画終わった後、二人で絶句してました。その後ご飯行きましたがとても口説ける雰囲気じゃなかったです。

電氣人閒の虞(詠坂雄二)

(あらすじ)「電気人間って知ってる?」一部の地域で根強く語られている奇怪な都市伝説。真相に近付く者は次々に死んでいく。語ると現れ、人の思考を読むという電気人間は存在する!?ライターの柵馬朋康もまた謎の解明に乗り出すが、複数の仮説を拒絶する怪異は、彼を出口の見えない困惑の迷宮に誘う―。ミステリか、ホラーか。ジャンルの枠を軽妙に超越する鮮烈の問題作!

この本についての恋バナはこちらの記事にしっかり書いてます。

追記するなら、アメトーーク!出たり、詠坂先生にお会い出来たりもしたけども、この人との別れ方はお互いにとって相当悪かったので(きっかけは向こうの浮気)礼を言う義理が無いな……と思ってます。

僕にとって一番好きな小説家と出会えた話なのにこの感情ってよっぽどですよ。まぁでもこの子自体がこの本読んで無かったしな……

今思うと詠坂先生の単行本「当時のサブカル女子」にドンピシャな装丁だったなぁ。

すべてがFになる(森博嗣)

(あらすじ)密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。
コンピュータに残されたメッセージに挑む犀川助教授とお嬢様学生・萌絵。

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。

この本を教えてくれた女の子はモデルの子で役者もやってました。

役者と芸人が入り乱れてるような現場で一緒になって、飲みに行ったり、本屋さんに行ったり。そこで教えてもらった本です。

ところでこのミステリィは最後、時間を超えたとんでもない展開で終わります。

僕がこの子と自然と疎遠になって数年後、この子と会うきっかけになったお仕事で仲良くなった別の役者(男子)仮名B君と飲みに。その時に

僕「いやぁ~あの時、一緒だったAちゃん何してるかなー、好きだったんだよねー」と告白したら

B君「え……カモさん……」

B君「あの子、事務所の社長とデキてましたよ」

僕「マジかよ……」

B君「あと裏でカモさんの悪口めちゃくちゃ言ってましたよ、キモいって」

僕「マ、マジかよ……」

時間を超えたとんでもない展開で終わりました。森博嗣先生は今も好きです。


何もかも憂鬱な夜に(中村文則)

(あらすじ)施設で育った刑務官の「僕」は、十八歳のときに強姦目的で女性とその夫を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している――。どこか自分に似た山井と接する中で、「僕」が抱える、自殺した友人の記憶、大切な恩師とのやりとり、自分の中の混沌が描き出される。
芥川賞作家が重大犯罪と死刑制度、生と死、そして希望と真摯に向き合った長編小説。

この本貸してくれたのはめちゃくちゃ社交的な子でした。男子にも女子にも人気で誰隔てなく明るく接してて、かつ色気もありました。

自分がモテてることにも自覚があって中々凄い子でした。

そんな彼女は結構読書家で、本の話を結構したんですが中村文則、三島由紀夫が好きと最初聞いた時は正直ギャップを感じました。

でもそこで彼女がふと見せる繊細さに納得がいって「こりゃあこの子モテるわ……」と再確認しました。少し危うさがある、というのが男女問わずモテる一つの要因。少しね少し。

楽しくも少し悲しい恋愛をしていた彼女は今、どうしてるんだろう。

雪冤(大門剛明)

(あらすじ)15年前、京都。男子学生と十九歳の女性が殺され、一人の男が逮捕された。元弁護士の八木沼悦史は、死刑囚となった息子・慎一の冤罪を信じ、一人活動をしていた。だが、息子は面会を拒絶、弁護士に無罪を訴える手記を手渡す。一方、殺された女性の妹・菜摘に、真犯人を名乗る人物・メロスから電話が。メロスは悦史に自首の代償として五千万円を要求するが―。驚愕のラスト、横溝正史ミステリ大賞の傑作・社会派ミステリ。

これを勧めてくれた子は最初ビジュアルは強気な顔で好きだけど、僕とそんなに性格会わない子かなーと思ってました。別にお笑い好きな子とかでも無かったし。

でも好きな本ある?って聞いてこの小説貸してもらった時に

うわーこの子、めちゃくちゃセンスある!と衝撃受けて、あまりの小説の良さにこの子を凄く好きになりました。

トリックとか犯人じゃなくて「展開」が意外なミステリです。

ウェディング・ドレス(黒田研二)

(あらすじ)結婚式当日、何者かに襲われた祥子。婚約者のユウ君と手分けをしながら、祥子は真犯人を目指した。鍵となったのは、あるビデオに関わる猟奇殺人と、母が遺したウェディング・ドレス。そしてユウ君と再会したとき、不可解なジグソーパズルは完成する。全編に謎と伏線が鏤(ちりば)められた第16回メフィスト賞受賞作。

『雪冤』を勧めてくれた子は告白成功したんですが更に進めてくれたのがこの一冊

お!いきなり『ウェディング・ドレス』ってお付き合いの先まで考えちゃうね。

と思いきや、全然それどころじゃないすんごいミステリでした。かなり面白いし読みながら頭混乱する。

良い本ですが、逆にこの本読んで「このお付き合い大丈夫かな……」と一抹の不安を覚えました……


ということで7冊。僕の恋愛と共に現れた小説を紹介しました。

恋愛メインの小説一冊も無い!!!

そういう子がタイプなのかもしれません。

いや、わからない。自分の好みの子に勧められたら普段読まない甘々の恋愛小説も絶対読むし……

まぁ僕の恋愛観は横に置いといてこの7冊はめちゃ面白いんで皆さんも是非読んでほしい。僕の恋愛も誰かの役に立てば。

この文章お金払う価値あったな

もしくはもっと濃い(ないしもっとキモい)本の恋バナ読みたい人は

有料部分へ~(ややエロがあるんでお気をつけて)


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