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ハンガリー生活⑬ 旅行に行くなら、今が一番と思い込む

ヨーロッパの夏といえば「バカンス」
皆こぞって長期休暇を取り、国内外問わずに出かけている。

去年は「なぜここまでバカンスを大事にするのだろうか?」と思っていた。そして、一冬越えて理由が分かった。
「冬は暗すぎて楽しくないから、陽の当たる夏を楽しみたい!」という切実な想いがあるのだ。
カナダでも一冬過ごしたことがあるが、こんなことはなかった。
ハンガリーの冬が持つ、洗練された陰鬱さが、夏をこれまでにないほど楽しみにさせてくれるのだ。

我が家もいざ行かん!と思い立つが、如何せんインフレ・円安・繁忙期で費用は高額になる。しかし、安くなることを待っていては夏が終わる。
そこで、自分の背中、正確には決済ボタンを押す指、を後押しすべく、旅行に行くなら今が一番と思わせる理由を挙げてみたい。

1つ目は「長期的に見たら今が一番安い」という仮定である。
金利差拡大による円安やコロナ禍明けの旅客需要のひっ迫、ウクライナ情勢の影響など、今だけとも言える高騰の原因はある。
しかし、長期的に考えると、日本とそれ以外の国のインフレ率・賃金上昇率・経済成長率の差が、日本人にとっての海外旅行を、相当の贅沢にしていくと思うのだ。
日本語のニュースを見ると、海外のインフレがひどいというニュアンスが多い気がするが、その分、海外の労働者は賃上げを要求し、実現している。
そもそも、成長する経済では物価も賃金も挙がっていくのが当たり前である。
一方で、私は日本が今後経済的に大きく成長するとは思っていない。将来手が届かなくなる前に、旅行しておきたい。

2つ目は「今が一番若い」という事実である。
若いうちに様々な経験をしておくのが大切、というのはよく聞く話であるが、実際に若いうちに色んな生き方や暮らし方、土地柄や文化を知っておくと、将来も頭が固くならない気がする。
また、人間は年を取ると感動をするのが難しくなるという。
それならば、体力的にも余裕があるうちに、色んなとこに行っておいた方が良い。

3つ目が「今が一番可処分時間を持っている」ということである。
最近は「タイパ」重視のトレンドともいうが、それに照らすと、旅行は時間を贅沢に使う「タイパ」の低い娯楽である。
しかし、今なら多少タイパが低かろうが、時間を払い出す余裕があるのだ。
子どもが出来たらお金以上に時間が無くなるし、親の年齢を考えても、いつまで自分たちだけに時間が使えるのか分からない。
ならば、時間を使う贅沢を今のうちに楽しむのだ。

さて、屁理屈をこねて思いつく限り羅列してみたが、結局理由をこねくり回してまで行きたいと思っているのだ。
最後は勢い!行きたいところに行こう。

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