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「自分の棚卸し」をやってみた

60才で起業して約1年が経って、1期目を何とか黒字で終えることが出来、さて2期目に向けてさらに頑張ろうと、仕事をしながら起業家のための塾に通っています。
あらためて成功するための心構え、秘訣などを勉強しているのですが、そこで講義の過程で“自分の棚卸し”をすることになったのです。

これまで自分なりに、何度も人生を振り返ってみたり、自分のやりたいこと、やれることなどについて、深く考えてきたつもりだったのですが、今回、ひとつひとつの質問項目に対して紙面上に書き出し、それを何度か読み返しながら、さらに細かいことを思い出しては書き足していくという作業をやりました。
子供のころのこと、小中高校や大学生活での様々な出来事、学生から社会人になり立ての頃の想いや決意、その後の挫折や勇気づけられた出来事など、振り絞るように書き出してみたのです。

60才にもなると、思い出すことがたくさんありすぎるのかもしれませんが、書きながらやっていると、それはあっという間の時間だったかもしれません。
質問は25個あって、大きな分類でいうと、
1.これまでの出来事からポジティブなエネルギーを探す質問
2.マイナスの経験から力になるものを探す質問
3.未来に向かっての想いを探す質問
4.自分が出来ることに焦点を当てる質問
に分かれています。
書き終えてみると、A4で20ページくらいの振り返りになりました。
例えば、自分が好きだったことやワクワクしたことを思い出すところでは、出来るだけたくさん思い出してみたのですが、よく読んでみると、すべてに自分でも気づかなかった共通点があったのには、少し驚きました。
いやなこと、憎しみや怒りを感じたことからは、実は今まで意識していなかったものの、自分の人生にとって貴重で、次へのエネルギーになっていたことが多く含まれていることもわかりました。

どんな人にも他人に負けないことが必ずあるということを言う人がいますが、こうやって自分の人生を振り返ってみると、それはそうなのかもしれないと感じることができます。
20代の人にも20年の人生があり、40代でも60代でも、生きてきた間で経験してきたこと、ひとつひとつの積み重ねがその人を作ってきたのだということを、実際に深く、紙に書きだして見直してみることで、強く感じることができました。
さらにこの塾では、みんなの振り返りを、同じクラスの仲間と共有し、他人の棚卸しを読んでみることでその人を深く理解し、お互いに褒め合ったり、共感しあうことで連帯感を高めていきます。
クラスで友人になった人たちの棚卸しをいくつか拝見することができました。
それぞれの人が真剣に深く振り返った棚卸しは、それは感動的なものでした。中には読みながら思わず目頭が熱くなるようなものもあって、出会ってわずかしか経っていないのに、その人のことが深く理解できているような気がしてきます。

起業家にとって、選んだ事業が本人のやりたいこと、出来ることになっているのかというのは、本当に大事なことです。さらに、起業家自身が自分のプロフィールを共感してもらえるように伝えることもとても大事なことで、成功する人とそうでない人の境界がそこらへんにあるような気もしています。
ハーバード大学の調査で、学生中に人生の目標を定めている人は全体の16%で、つまり、全体の84%の学生が目標自体を定めていないということです。さらに目標を紙に書いていたのは、全体のたった3%で、何年か経って、この3%の人たちの平均年収は、目標を定めていなかった人たちの10倍になっていたのだということです。
紙に書いてみることって本当に威力のあることなのですね。

“自分の棚卸し”、何才になっても遅くないと思います。


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