国家財政を考えてみよう その5 アベノミクスを振り返る② インフレ率と失業率

前稿ではアベノミクスを振り返ろうとして大脱線してしまいました。今回は仕切り直しで、アベノミクスが成功したのかどうかを見てみたいと思います。

アベノミクスの目標は、当初2年以内にインフレ率2%を目指すとされていました。結果としてのインフレ率の推移はどうでしょうか?

2009 ▲1.35% (リーマンショック翌年、民主党政権発足、白川日銀総裁)
2010 ▲0.72% (民主党政権、白川日銀総裁)
2011 ▲0.27% (東日本大地震、民主党政権、白川日銀総裁)
2012 ▲0.06% (11月まで民主党政権、12月安倍政権発足、白川日銀総裁)
2013 +0.34% (安倍政権、3月黒田日銀総裁就任)
2014 +2.76% (4月消費税増税、安倍政権、黒田日銀総裁)
2015 +0.79% (安倍政権、黒田日銀総裁)
2016 ▲0.11% (安倍政権、黒田日銀総裁)
2017 +0.47% (安倍政権、黒田日銀総裁)
2018 +0.98% (安倍政権、黒田日銀総裁)

日本のインフレ率の推移 - 世界経済のネタ帳
https://ecodb.net/country/JP/imf_inflation.html

単純にインフレ率を見る限り、安倍政権実質2年目、黒田日銀総裁就任の翌年、2014年に目標の2%に達したのですが、その後は再度落ち込んでいます。2014年に何があったのか?消費税の増税です。

次に景気の重要な判断指標である失業率を見てみましょう。

2009 5.08% (リーマンショック翌年、民主党政権発足、白川日銀総裁)
2010 5.06% (民主党政権、白川日銀総裁)
2011 4.58% (東日本大地震、民主党政権、白川日銀総裁)
2012 4.33% (11月まで民主党政権、12月安倍政権発足、白川日銀総裁)
2013 4.01% (安倍政権、3月黒田日銀総裁就任)
2014 3.58% (4月消費税増税、安倍政権、黒田日銀総裁)
2015 3.38% (安倍政権、黒田日銀総裁)
2016 3.11% (安倍政権、黒田日銀総裁)
2017 3.82% (安倍政権、黒田日銀総裁)
2018 2.44% (安倍政権、黒田日銀総裁)

日本の失業率の推移 - 世界経済のネタ帳
https://ecodb.net/exec/trans_country.php?d=LUR&c1=JP

失業率は明確に低下・改善しています。

インフレ率と失業率という結果を見る限り、アベノミクスは一旦成功しかかったものの、消費増税でぶち壊しになり、そのまま目標に届かずに停滞している、しかし民主党政権時よりは明確に改善している、というところでしょうか。

一部のマスコミや野党が言う、アベノミクスは失敗だというのは、濡れ衣でしょう。目標に達していないものの、効果は出ているように思えます。

この稿さらにつづく。

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