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52年前のメモリー


1970年。今から52年前の私が二十歳の時です。
当時私はCB72というホンダのオートバイに乗っていました。
そして10代の頃は、オートバイのサイレンサーを外し、
爆音を轟かせ街道(主に青梅街道)を走り回っていました。
そうカミナリ族と言われていた時代です。
まだ開発が始まったばかりの、新宿駅西口前を目指して。
いっぱしのアウトローを気取り、怖いもの知らずでした。
そんな時にアメリカで上映されている「イージーライダー」が、
日本でも上映されると言うニュースが耳に入りました。
待ちに待って、封切の日に映画館に行きました。

まだまだ時代的にオートバイの社会的な認知度が低い時代です。
オートバイが主役の映画を見に来る人は少なく、映画館は空いていました。
いよいよ映画が始まります。私の心に焼き付いて今でも色褪せないシーンが
いきなり冒頭にやって来ます。

ピーター・フォンダ扮するキャプテン・アメリカが腕時計を外して
投げ捨てます。そしてハーレーに火を入れて、ステッンペン・ウルフの
「Born To Be Wild」の歌と共に相棒のデニス・ホッパー扮するビリーと
2台のハーレーで旅が始まります。
勿論映画全編も全てが新鮮でしたし、そして衝撃的なラストシーンに私は強いショックを受け、映画が終わっても暫く席を立つ事が出来ませんでした。
そんな中でもやはり冒頭のシーンが、今でも脳裏から離れません。
自分もいつかは、時計もカレンダーも持たない旅にオートバイで出てみたい。あれから52年が過ぎてしまいました。未だにその旅には出ていません。
世間では爺と呼ばれる歳となり、とうとうキャプテン・アメリカにはなれなせんでした。
しかし私には、もう少しで時計もカレンダーもいらない世界が待っています。その世界に行ったら、キャプテン・アメリカとビリーと私と3人3台で旅に出ます。

1949年生まれの未だ現役ライダーの大切な思い出より。



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