詩歩

文章屋、積読屋です。編集学校 「守」「破」44期生。和歌山大学観光学研究科2年。

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百聞は一見に如かず日記|其一

「悔しい」「なんで」という気持ちに飲み込まれそうになりながら、現地の状況をインスタのストーリーやXの投稿で把握する。現地の友人・知人のバッテリーを消耗しないため、こちらからの連絡は控え、投稿を待つというのは、非常に心が痛む経験だった。 「大丈夫?」と一言送れば、こちらは安心できるのだろうが、その一通を送ることによって、現地の情報の混乱はさらにひどくなるだろう。ぐっと堪えて、待ち続ける時間は、1月の地震を思い起こさせる、とても辛い時間だった。 軽く背景を共有すると、1月の地

    • 被災地ってなんだろうか

      8月14日から26日まで2週間、能登半島は珠洲市高屋町にフィールドワーク兼友人を訪ねてお邪魔しました。1月の発災時から関係性を続けながら、珠洲にお邪魔したのは今回が3回目。ただ、これまでは1泊2日の短い滞在だったので、生活を共にするような滞在はこれが初めてでした。 はじめましての方に簡単な自己紹介をすると、現在、災害、特に「被災者性」「現地支援者」をキーワードに修士論文を執筆しています。 被災者という言葉が持つ力はなんなんだろうかということを知りたかったのと、友人が、被災

      • ただ、目の前の人の話を聞くこと。それだけが社会に足りない。|被災と尊厳

        1月1日の能登半島地震から6ヶ月が経った。地震が起こる以前・以後のわたしは、明らかに違う人生を歩んでいると感じている。 今年は、修士論文を書く。何を書こうか、書きたいテーマはいっぱいあるけれど、どういう地と図を描けばよいのか考えあぐねていた。そんな矢先、大地が揺れた。 それまで、自分の人生には、震災、防災、減災など、そのようなキーワードは全くと言っていいほど存在していなかった。しかし、これまでやってきたこと、書いてきたこと、読んできたことを世界に説明する容れ物ができたよう

        • ブッカソンがおもしろい

          先月、以前住んでいたコミュニティハウス「アオイエ」で開催されたイベント、ブッカソン(Book-a-thon)が楽しい、かつ、どこでもお手軽にできるイベントだったので、色んな人とやってみたいという思いで、メモ。 東京から和歌山に戻った今、本屋さんもない地域で、なかなか周囲で本の話が出来る友達を探すのが難しいんですよね。(地方あるある?) 「でも、ブッカソンなら、どこでもできるし、オフライン・オンラインハイブリッド開催なんかも出来る!めっちゃいい!」となっている人の記録です。

        百聞は一見に如かず日記|其一

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        記事

          雨音の響く本屋にて

          唐琴(からこと)という街に、4月29日 12:00、本屋さんがオープンした。 瀬戸内海がくるくると表情を変えていく景色を眺めながら、寄せては返す穏やかな波のように、ひとり、またひとりと本を連れて帰っていく様子を脳内に記憶していく。 「せっかくのオープンの日なのに、ずっと雨で残念だな」そう思っていた矢先、「晴耕雨読、本屋さん日和」とあかしさんが呟いた。 「aru」ただ、そこに在る......雨だって、晴れだって、はたまた曇りだって、この瀬戸内の海は、驚くほどに、プラスもマ

          雨音の響く本屋にて

          画一化する世界に何を見よう|フィリピン紀行

          ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 観光が誕生する以前から紀行文というのは存在していたらしかった。 旅をするだけでなく、日記という形で何かに変換する。 日記と紀行文は、その時々に感じた体験を叙述するという点において、共通する部分はあるが、それらが日常の空間でのものなのか、非日常で異空間で書き残されたものなのかという点で相違する。 ちなみに私は千葉雅也さんの「アメリカ紀行」が好きなのだけれども。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

          画一化する世界に何を見よう|フィリピン紀行

          「遅刻 死にたい」でググったことはありますか

          「遅刻魔」というレッテルを貼られた、または、遅刻魔であると自覚している人はこのタイトルをクリックしてくれたのではないでしょうか。 私は、昔からとてつもなく朝が苦手で、なんなら通勤がめちゃくちゃ苦手。 同じ経路を辿っているはずなのに、1時間の通勤は戦場で、5回に1回は、どんなに気をつけていても、乗り換えをミスしたり降りる駅を忘れてしまったりします。 ここまでつらつらと言い訳を書いてきましたが、そんな朝が苦手な私は、できるだけ通勤を減らしたいと思って、月の数回はリモートで働

          「遅刻 死にたい」でググったことはありますか

          「遠洋漁業」、どう生きるか問題。

          MAKERS UNIVERSITYの事前カリキュラムが全て終わった。 3週間の雑感を記録しておきたい。(ちなみに初日の記録はこちら「素直さ。」) まず、結論から述べておくとMAKERS UNIVERSITYは何も与えてくれなかった。正確に言うと、全校生徒、革命児を謳うアルファベットの字面は何も与えてくれなかった。 さらに、事前カリキュラムの最後には、出航式と題して、大海原に放り出されるのだから、たまったもんじゃない。 さて、これからどうしようかな。と最終日に考えている

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          「遠洋漁業」、どう生きるか問題。

          パターン。

          ーー「ぜんぶ真っ白にして、純粋に伝えたいことはなに?」 「純粋に伝えたいこと。」 そういえば、メンタリングのプロの友達、だいちゃんにも、同じことを言われた。これは、商品企画書だけじゃなく、相手が人でも同じだなって腑に落ちた。 私は、なんでも卒なくこなしているように、うまく見せるのは大得意。パターンに当てはめれば、大概のことはうまくいく。だけど、なんか違うなんか違うってぐるぐるしてた。 そんな壁にぶち当たっていたから、この言葉が痛いほど身に沁みた。 パターン化しないた

          パターン。

          行動力。

          「その行動力すごいですね。どうしたら行動力つきますか?」 という質問を今までも何度かもらった。 例えば、インターンをするために、大学を休学して、和歌山から東京に出る。ということ一つとってもそう。高校生で始めた一人旅や、主催した講演会なんかでは特にそう言われた。 私は全然行動力を意識したことがない。だからいつも返答に困ってしまって、「とにかくやってみればいいと思う。」なんて何の役にも立たないコメントをしてしまっていた。そのお返事をするときは本当に心苦しかった。 だけどそ

          行動力。