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【鉄獣戦線】の予習ノート

読者の皆さまこんにちは。
という訳で今回は、8月8日発売予定の『PHANTOM RAGE』で登場する【鉄獣戦線】(トライブリゲード)について予習していきたいと思います。

【鉄獣戦線】は獣族・獣戦士族・鳥獣族の3つに渡る種族を扱うテーマでありながら、実質的には獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターの汎用サポートとしての可能性を秘めたテーマでもあります。
今回の記事では、オーソドックスな【鉄獣戦線】デッキの紹介となりますので、可能な限り「トライブリゲード」カードを採用したサンプルレシピも用意しています。

それでは新規カードの紹介などを挟みながら、【鉄獣戦線】について学んでいきましょう。

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新規カード解説

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メインデッキに入る【鉄獣戦線】のモンスターたち。
共通効果として自身がフィールドに存在する場合に起動効果で、墓地から獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを除外して、それと同じ数のリンクマーカーを持つリンクモンスターを特殊召喚することができます。

これらの「トライブリゲード」モンスターをフィールドに出し、共通効果を使って、各種「トライブリゲード」リンクモンスターを展開していきます。
墓地に獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターがいれば展開できるので、簡単にリンク2~4の獣族・獣戦士族・鳥獣族のリンクモンスターを出していくことが可能です。

また、それぞれの「トライブリゲード」モンスター固有の効果は以下の通りです。
・《鉄獣戦線 ナーベル》は墓地へ送られた場合に、自身以外の「トライブリゲード」モンスターをサーチ
・《鉄獣戦線 ケラス》は自身以外の獣族・獣戦士族・鳥獣族を捨てて、手札から自身を特殊召喚
・《鉄獣戦線 フラクトール》は手札・フィールドの自身を墓地へ送ることで、デッキからレベル3以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族を墓地へ送る
《鉄獣戦線 フラクトール》を使ってデッキから《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地へ送り、その効果でデッキから《鉄獣戦線 ケラス》を手札に加える、というのが【鉄獣戦線】の基本の動き(デザイナーズコンボ)になってます。

《鉄獣戦線 ケラス》と《鉄獣戦線 フラクトール》は、「トライブリゲード」モンスター指定ではなく獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターと広い範囲で触れるカードになるので、【鉄獣戦線】以外の種族デッキでも採用する余地があるかと思います。

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EXデッキに入る【鉄獣戦線】のリンクモンスターたち。
それぞれが自分メインフェイズ・相手メインフェイズ・特殊召喚時に固有の効果を持っており、墓地へ送られた場合の効果も持っています。

リンク2の《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》は、自分メインフェイズに手札からレベル4以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族を特殊召喚できる効果と、墓地へ送られた場合に1ドロー+デッキボトム戻しの手札交換を行うことができます。
リンク3の《鉄獣戦線 銀弾のルガル》は相手メインフェイズに手札・墓地からレベル4以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族を特殊召喚する効果、さらに墓地へ送られた場合に相手フィールドのモンスターすべての攻撃力を下げる効果を持っています。
リンク4の《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》は自身が特殊召喚or自身以外の獣族・獣戦士族・鳥獣族が特殊召喚された場合にフィールドのカード1枚を対象に取らず除外する効果、墓地へ送られた場合に除外されている獣族・獣戦士族・鳥獣族の数以下のレベルの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターをデッキから特殊召喚する効果を持っています。

【鉄獣戦線】では《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》などから展開し、早い段階で《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》と《鉄獣戦線 銀弾のルガル》を並べることで、自分・相手ターンに《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の除去効果を使って相手をコントロールするという戦い方が軸になります。

また「トライブリゲード」リンクモンスターは自身以外のモンスターを特殊召喚する効果を持っていますが、これらの効果の範囲も獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターとなっているので、種族デッキであれば【鉄獣戦線】以外での採用も十分に可能になっています。

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【鉄獣戦線】の魔法カード。
いずれのカードにも発動に制約がありますが、それだけ強力な効果となっています。

《鉄獣の戦線》(トライブリゲード・ライン)は、手札・フィールドからモンスター1体を墓地へ送ることで、デッキから「トライブリゲード」モンスターを手札に加える効果、
《鉄獣の凶襲》(トライブリゲード・エアボーン)は自分フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を対象に取って、そのモンスターの攻撃力以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを、効果を無効にしてデッキから特殊召喚する効果を持っています。

いずれもデッキを触れるカードなので非常に強力です。
特に《鉄獣の凶獣》はデッキからモンスターを特殊召喚するので、《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の除去効果のトリガーとして使うことも可能なので、非常に使いやすいカードだと思います。

ただ、いずれもけっこうきつい制約を持っているのが、やはり引っかかるところ。
これらの魔法カードや「トライブリゲード」モンスターの制約の都合上、メインデッキ・EXデッキのモンスターを獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターで統一するよう縛られてしまうので、展開ギミックとして汎用モンスターを採用しにくくなっています。
この辺りは今後の新規カードがどういったものになっていくのかで、大きく変わってくるのかなと思います。

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【鉄獣戦線】の罠カード。
この中でもやはり特筆すべきは《鉄獣の抗戦》(トライブリゲード・リボルト)でしょう。
除外ゾーンに獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを貯めておけば相手ターンに《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》を出すことができ、しかも除外されていたモンスターを墓地に戻してリソース回復も可能となっています。
少し注意しなければならないのは、一度フィールドに特殊召喚してからリンク召喚を行うという処理なので、メインモンスターゾーンが空いている必要があるというところ。
強力なカードには間違いないのですが、自分が優勢となっている場面で使うとフィールドが空いていないから使えないという事態が発生することがあります。(2敗)

《鉄獣の血盟》(トライブリゲード・オース)は、自分フィールドのリンクモンスター1体を対象に取って、そのモンスターと異なる種族の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを手札・墓地から特殊召喚する効果を持っています。
《鉄獣の凶襲》と違って手札・墓地からの特殊召喚ではありますが、これも《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の除去効果のトリガーにできるので使いやすいと思います。
またこのカードが墓地にあって自分フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターがそれぞれ1体以上存在する場合に、このカードを墓地から除外することで相手フィールドの表側表示の魔法・罠カードをターン終了時まで無効化することもできます。
いわゆる【ブラック・マジシャン】の《マジシャンズ・ナビゲート》のような使い方ができるため発動さえできれば強力なのですが、なにぶん発動条件がけっこう厳しいのでなかなか狙って構えることは現状では難しそう。

そも「トライブリゲード」魔法・罠カードをサーチできるカードがまだ存在していないので、これらを安定して使うことができないというのが一つの課題となっています。
これも今後の新規カードの登場によって変わってくる部分になると思うので、気長にゆっくり待つことにしましょう。そうしましょう。

サンプルデッキ

【十二トライブリゲード】

モンスターカード 19枚
《鉄獣戦線 ナーベル》 ×3
《鉄獣戦線 ケラス》 ×3
《鉄獣戦線 フラクトール》 ×3
《十二獣モルモラット》 ×1
《十二獣ラム》 ×1
《十二獣ヴァイパー》 ×3
《十二獣サラブレード》 ×3
《超重禽属コカトリウム》 ×2

魔法カード 12枚
《鉄獣の戦線》 ×3
《鉄獣の凶襲》 ×3
《十二獣の会局》 ×1
《炎舞-「天キ」》 ×3
《烏合無象》 ×2

罠カード 9枚
《鉄獣の抗戦》 ×3
《鉄獣の血盟》 ×2
《十二獣の方号》 ×1
《トラップトリック》 ×3

EXデッキ 15枚
《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》 ×2
《鉄獣戦線 銀弾のルガル》 ×2
《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》 ×2
《ミセス・レディエント》 ×2
《小法師ヒダルマー》 ×1
《十二獣ライカ》 ×2
《十二獣ドランシア》 ×1
《十二獣ハマーコング》 ×1
《十二獣タイグリス》 ×1
《十二獣ワイルドボウ》 ×1

レシピなのか。

何はともあれ、一度デッキで回してみなければ分からない部分もたくさんあります。
現状の「トライブリゲード」カードはメインデッキ7種・EXデッキ3種しかないので、他のテーマと混ぜて構築することになるでしょう。

今回のサンプルでは、獣戦士族テーマである【十二獣】と混ぜてみました。
【十二獣】は展開の都合上墓地に獣戦士族モンスターが溜まりやすく、カード1枚で完結した動きが多いので【鉄獣戦線】の動きの邪魔になりにくいだろう、ということで採用しました。

デッキの動き方

・初動の動き
《鉄獣戦線 フラクトール》の効果で《鉄獣戦線 ナーベル》を墓地へ送り、《鉄獣戦線 ナーベル》の効果で《鉄獣戦線 ケラス》をサーチ、《鉄獣戦線 ケラス》自身の効果で手札から特殊召喚……、この一連の動きが【鉄獣戦線】の基本的な初動になります。
《鉄獣戦線 フラクトール》と、それをサーチできる《炎舞-「天キ」》の存在によって、この動きが可能となるカードが実質6枚となっているので、安定して初手から動いていくことができます。

・目指していく盤面
自分フィールドに《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》と《鉄獣戦線 銀弾のルガル》、手札・墓地にレベル4以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター、という3枚での盤面を常に維持するように展開していきます。
相手メインフェイズに《鉄獣戦線 銀弾のルガル》の効果で、手札・墓地からレベル4以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを特殊召喚して《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の効果を起動して、相手のカードを除去。
そのエンドフェイズに特殊召喚したモンスターを手札に戻して、自分ターンに展開、その過程で《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の効果を起動して、さらに相手のカードを除去、といった動きを目指します。
しかしながら過信は禁物で、《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》や《鉄獣戦線 銀弾のルガル》には耐性が全くないため、《トロイメア・ユニコーン》や《精神操作》で簡単に除去されてしまいます。
なので、多少の除去を受けたとしてもすぐにリカバリできるように、魔法・罠カードや混ぜている他のテーマのカードを使って、対応していきたいところですね。

・「トライブリゲード」リンクモンスターの出し方
【鉄獣戦線】で「トライブリゲード」リンクモンスターをフィールドに出す場合、正規の方法(モンスターを並べて)でリンク召喚するか、「トライブリゲード」モンスターの効果で(墓地のモンスターを除外して)EXデッキから特殊召喚する方法を使います。
これが実はけっこう曲者で、リンク召喚していない場合は蘇生制限が満たせないため《鉄獣の抗戦》で特殊召喚できない、なんてことが発生します。
《鉄獣の抗戦》は効果を無効化して特殊召喚してその後でリンク召喚するというものですが、墓地へ送られた場合の効果は使えるので《鉄獣戦線 ナーゲル》や「トライブリゲード」リンクモンスターの効果を使うことができます。
この際、手札交換が可能な《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》や、デッキからサーチできる《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の効果を使い回したいことを考えると、いくらかは正規の方法で出しておきたいものもあります。
ただ《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》の除去効果は特殊召喚に対応しているので、相手の《死者蘇生》で蘇生されたりすると実は一転して苦しくなることもあるので、ここはケースバイケースという感じですね。

相性の良いカード

《炎舞-「天キ」》
獣戦士族デッキ必須のサーチカード。
このデッキでは《鉄獣戦線 フラクトール》から動くことが多いので、基本的に3積みします。
中盤以降は不要になることも多いので、《鉄獣戦線 フラクトール》以外のサーチ先を用意しておいた方が無駄がないかなと思います。

《烏合無象》
自分フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族の表側表示モンスター1体を墓地へ送り、そのモンスターと同じ種族のモンスター1体をEXデッキから特殊召喚するという速攻魔法。
このデッキでは「トライブリゲード」モンスターをリンクモンスターに変換することで、リンク数を稼ぐという使い方ができます。
その他にも、「トライブリゲード」リンクモンスターの墓地へ送られた場合の効果を使いたい時なんかにも使えます。割と便利。

《痕喰竜ブリガンド》
【鉄獣戦線】デッキを組んでから、後で公開された「トライブリゲード」関連カード。
このカード自体は「トライブリゲード」モンスターでもなんでもないのですが、墓地へ送られたターンのエンドフェイズに「トライブリゲード」モンスターか《アルバスの落胤》を、デッキから手札に加えるか特殊召喚する効果を持っています。
まだ試していないですが、前述した《烏合無象》を使って《鉄獣戦線 ケラス》から出すとオシャレかなと思ってます。
また《アルバスの落胤》を使った融合ギミックも入れれるようになるので、一行の余地ありかなと。

《王神鳥シムルグ》
「トライブリゲード」モンスターの効果によるEXデッキからの特殊召喚は、獣族・獣戦士族・鳥獣族のリンクモンスターが対応しています。
この中でも《王神鳥シムルグ》はリンク召喚でなくても効果を発揮することができ、【鉄獣戦線】では《鉄獣戦線 ナーベル》にアクセスできるカードとして使うことができます。
《霞の谷の巨神鳥》などの他の鳥獣族モンスターと採用することで、自分エンドフェイズには妨害ができるモンスターを構え、相手エンドフェイズには展開につながる《鉄獣戦線 ナーベル》を出すことで、安定して動いていくことができるようになります。

《炎星仙-ワシンジン》
おなじみ【炎星】のリンクモンスター。
「炎星」モンスターと併せて採用することで、《炎舞-「天キ」》などの「炎舞」カードを再利用しながら、【炎星】ギミックを使うことができます。
とくに《殺炎星-ブルキ》は墓地から自身を特殊召喚する効果を持っており、《炎星仙-ワシンジン》の効果でコスト無しで発動できるため、非常に有用です。
これらを使うのであればいっそ、【炎星】側に寄せて組んでみるのも面白いかもしれません。

《貪欲な壺》
このデッキは連続でリンクモンスターを展開する都合上、すぐにEXデッキのリソースがなくなってしまいます。
特に【十二獣】と併用する場合であれば、EXデッキの消費を回復するのに1~2枚あっても良いかなと思います。
ただ最近の遊戯王は展開が早いので、このカードを撃つ前に終わってしまうことも多いため、周りの環境に合わせて採用を考えましょう。

《トラップトリック》
【鉄獣戦線】は墓地のモンスターを除外してリンクモンスターを展開していくため、気を抜いているとあっという間に墓地のリソースがなくなってしまいます。
それをカバーしてなおかつさらに展開へとつなげることができる《鉄獣の抗戦》は、まさにデッキの要のカードなので、このカードでデッキからセットして使いましょう。
また相手の《ハーピィの羽根箒》に合わせて《鉄獣の血盟》をセットして墓地へ送っておけば、獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターが揃っている場合に使える墓地効果による無効を狙えるようになる、という使い方もできます。

「炎舞」カード
獣戦士族テーマである【炎星】が使う「炎舞」カードは、言わずもがなですが相性が良いです。
《炎舞-「天キ」》以外にも、獣戦士族モンスターの召喚権を増やす《炎舞-「天枢」》や、相手のセットカードの発動を封じる《炎舞-「玉衝」》など使いやすいものが多いので、デッキ枠が空いていれば採用したい候補に挙がるでしょう。

おわりに

いかがだったでしょうか。
【鉄獣戦線】の中では、やはり《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》が頭一つ抜けて強力で、彼を盤面に維持しているだけで勝てるゲームがほとんどでした。
対象に取らない除外を持っていること、そしてそれを相手ターンに発動できるのが非常に強力で、大抵のテーマデッキなら完封できるだけの力を秘めていると思いました。

環境デッキの相手を考えると、《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》と《鉄獣の抗戦》以外のカードパワーが少し足りないかなあという感じでしたね。
「トライブリゲード」カードが出揃うまでは【幻影RR】や【月光】、【十二獣】などに、「トライブリゲード」リンクモンスターを採用するだけの構築の方が安定した強さがあるかなあと思います。

とは言え、これまで(ドラゴン族などと比べて)影が薄かった獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターのポテンシャルを数段階引き上げるだけの力をもったテーマではあるので、フリー対戦や大会などでも見られることになるでしょう。
そんな無限の可能性を秘めた【鉄獣戦線】、皆さんも一度、組んでみてもらえればと思います。



あ。
ぼく個人としては、フェリジットちゃんが可愛いので、発売されたら真っ先に組みますよ。
かっこいいお姉さんとか、好きなので。

それでは今回は、この辺りにしましょう。
ご精読ありがとうございました。

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