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不注意ADHDの小学生に宿題させるアイデア

今回は、私がこの5年間で編み出した不注意傾向グレーゾーンADHD女子にスムーズに宿題や勉強をさせるアイデアを紹介します。

うちの子はADHDのグレーゾーンですが、おそらく書字障害があります。
見ながら字を書くというのが大苦手。どこかで判定してもらったわけではないですが。(でもポケモン図鑑見ながら複雑なニンフィアが描けるの不思議!)
授業の板書も実は3年生くらいまで全然できなくて、先生から面談のたびにご苦言いただいていました(今は汚いながらも頑張って書いているようです)。
そんな調子なので、漢字ドリルは苦痛、算数ドリルも式を筆算にして写すだけで猛烈な時間がかかる・・・そんな子に毎日漢字ドリルは10行、算数ドリルは下手すると20問出るわけです。
しかし毎回宿題忘れというのも良くないですし、させなくてはいけないということと5年間戦っています。その宿題をスムーズに終わらせるための今まで試行錯誤してきたので、そのアイデアを共有しようと思います。
全てのお子さんに使える技ではないと思いますが、どなたかの参考になれば何より。


大前提として頑張りすぎない・諦めていい

基本的に、「普通の子と同じにさせる」は無理だと諦めてください。
諦めると気持ちが楽になります。
できる限り頑張ったよと、先生にアピールする程度でいいやと諦めましょう。
そして、「宿題をするのはあなただけど、あなたが明日怒られたら嫌でしょ、だからちょっと助けてあげてるのよ」というかるーい気持ちでやりましょう。
そうでないと、もう親も疲れるし、腹も立つし、子供も嫌な気持ちになったり、自己肯定感が下がったり、泣き出したり、虐待になったりします。
たかが宿題、フランスでは宿題すらないのに日本がおかしい!くらいの気持ちでやるのがおすすめです。と言いながらも、、、なかなかそうはいかないですよね、、、

習慣が大事

いつ宿題するか、その時間を固定することが大事です。
最善は家に帰ってすぐにさせる。しかしなかなか働いているとできません。なので、夜ご飯が終わったらすぐにする、というのもおすすめです。食事の片付けはとりあえず後回しにして、ご飯が終わったらテレビも消して、とにかくすぐに宿題に取り掛かる、という風に習慣にしましょう。
習慣にすると、「宿題するよー」と声かけをしてもいつものことなので不満が少ないです。
一番ダメなタイミングは遊んでいる時。特にゲーム中に「宿題やったの!」と言っても絶対に無理です。理想はゲームは宿題が終わってから、とすること。一番好きなことを宿題が終わってからに持っていく(ニンジンにする)のが大事です。
ニンジン作戦(馬を走らせるのに前に吊り下げるニンジンみたいなご褒美)はとても有効です(後述もしてますが)、うちの子はスイーツが好きなので買い物に行った時に美味しそうなお菓子を買っておくとかして、「計算ドリル終わったら食べていいよ」とニンジンにします。計算ドリル終わったらグミ、漢字ドリルも終わったらクッキー、全部終わったら一番嬉しいゲーム、など2段階・3段階にご褒美を用意します。短期的なニンジンの方が効果大です。

漢字ドリルの宿題

漢字ドリルは最初は下書きしてあげていい

うちの子だけかもですが、見ながら書くのが苦手です。
ドリルの本を見ながら、ドリルノートに書く、この距離が非常に難易度を上げています。なので、低学年の時は、うっすらと私が書いてあげてました。(ドリルノートも最初の1回はうっすら書いてあるんですが、2回目からは真っ白なので)
だから、ドリル見ないで、なぞればいいよと。
そうするとまず「なぞるだけならやろっかな」と子供もやる気になります。

次は、必要な行だけ見えるようにする

次にドリルを見ながらやれるようにします。と言っても、子供の様子を見てできそうなら次の段階に。うちの子は2年生くらいから始めました。
ドリルを見ながら書こうという時に、うっかり者なのでどこを書くのかすぐにわからなくなります。そいう時のために、どんな紙でもいいのですが左右を隠してその行しか見えないようにします。

紙で必要な行のみ見えるようにする

別に紙じゃなくても適当なもので両側の行を隠して、見えるようにすればいいです。付箋や指差しで示す方法もありますが、それは次の段階です。
紙で挟む場合、魅力的な紙で挟んだらダメですよ。裏が何か気になるとか、可愛い絵がついているとか。そこが気になって勉強どころじゃなくなります。

時間を決めさせてやる

今5年生ですが、たまーにボケていますがほぼ自力でやれてます。
この自力でやれるような段階になったら、「何分でやる?」と聞く方法が非常に有効です。
自分で何分かかりそうか決めてもらって、タイマーをかけて間に合うようにやらせるのです。自分で決めたので絶対間に合わせるように結構頑張ります。
「10行を20分でやったら、グミ食べていいよ」
とか、ご褒美を設定します。
ご褒美で釣るのはダメ!とか、よく教育本で書いてありますが、正直そんな崇高な考えは単に宿題をやらせるというのには当てはまらないと思います。とにかく宿題さえやってくれたらいいんで、目的のために手段は選べないのです。
途中で電池切れしそうになる時もあるので、「あと5分〜」などと声掛けするのも大事です。
ちなみにタイマーは本当に役に立ちます。時間内にやらせる(早く終わったほうが遊ぶ時間も増える)他に、計算ドリルと漢字ドリルの間などに休みたいと行った時に、「何分休むの?」と休み時間も決めさせるのにも有効です。タイマーがないといつまでも休みますし、「5時まで」と時間を決めるとこちらが声掛けをしないといけないので大変です。

字の綺麗さとか、読みとか、色々諦める

とりあえずやればいいんで、字を綺麗に書くとか諦めてください。字が汚いことを2・3度咎めるのはいいですが、しつこく言って書き直しをさせるのは「とりあえず終わらせる」という目的のためには自ら遠回りしていることになります。
漢字が間違っている場合は、全部終わってからやり直しをさせる方が有効です。途中でやり直しをさせながらやらせていると、中々終わらないのでストレスも溜まります。とりあえず終わらせることが大事。

繰り返しの部分(例文の下の余白)に、たくさんひらがなを書いちゃってても諦めてください。(例えば「いつまでも意地を張る」という例文で、先生は2回目は「張る」だけ書かせたいですが、「いつまでも」から書いちゃっていても知らんぷりします。とりあえず出すのが目的なので。元気いっぱいでここ最近は余裕でやっている、というのなら熟語部分のみ書くんだよ、と注意してください)
下手したら読み仮名も難しそうなら諦めます。子供の様子と宿題の量を見て、どれくらいまでなら耐えられそうか予想して、読みまでやらせるか考えてください。読みを書くのに疲れて、計算ドリルができないとかになっては困るので。

そんなんじゃ漢字覚えないでしょ!

というツッコミが来そうですが。覚えません。そもそも2回程度書いたくらいで覚えないのです。それくらいで覚える子なら、宿題もすらすらできているんじゃないかな。
じゃあ、どうやって漢字を覚えさせるの、というと別の問題になります(今回は宿題をさせるのが目的なので)。
しかしちょっとだけ書くと、「思い出す」という作業が大事です。何度も書くより、思い出す努力をする時に覚えます。
たとえば、

  1. 例えば、「興味」ってかける?と聞く(漢字ドリルで既にやってるので書ける時もあるけれど、ほぼ書けない)

  2. 「興」という漢字をゆっくり書きながら書いている途中で「ここまでで思い出すかな?」と聞く(運がいいと「あっ!」となって思い出して書ける)

  3. 書けなかったら全部書く→書かせる

  4. 他に漢字を2つほど1〜3のやり方で書かせる

  5. また最初に戻って「興味ってどう書くかわかる?」と聞く(初めて聞いたみたいに聞く)

  6. 書けなかったら、2〜3を繰り返す。

  7. 他の漢字も同じように5〜6のように聞いて書かせる

  8. かけるまで4〜7を繰り返す

というふうに、思い出す練習をさせる、というのが色々試したけど一番効果があるかなという気がします。翌日などに繰り返す必要もあります。すぐ忘れるので。週末に宿題がない場合は、教科書ワークの漢字などをやらせて思い出すきっかけを作ったりもしています。
あれ、ちょっとだけじゃなく結構書いちゃったな。

算数ドリルの宿題

式や筆算は書いてあげる

低学年のうちは、「1+1=」など式の部分を書かないといけないですよね。そこは全部書いてあげます。実際計算ドリルノートにも最初の1問目だけ薄く書いてありますよね、同じように全部書きます。答えだけ書けばいいようにします。
正直、計算式をなんで書いてないのか不明です(1+1=の時とか、2x3=
など単純な1行計算の場合です)。
あくまで計算を練習させることに集中したいので、問題を見て書き写すという作業に無駄なリソースを使わせないのが目的です。

高学年になると、筆算を書いてあげます。
筆算の順番が大事なこともあるので、そこは1・2個書かせて教えます。(3x3.14とかだと、筆算にする場合3.14の方を上に書くなど)でもあとはこっちで書きます。
掛け算や割り算の筆算でちょっと複雑になったり(3桁掛ける2桁とか)すると、意識が飛んだりしやすいので、例えば123x12の場合は、「2掛ける3でー」など合いの手を入れたるすると早いです。「最初に小数点を移動してー」とか、間違えそうな時も声かけします。
基本的に、問題やらせている間に携帯見るとか諦めた方がいいです。逆にその方が時間がかかってしまうので、横でまるで自分も一緒に解いているように声をかけた方が早いです。

週末にちょっと先取りしておくのも手

これは担任の先生によるのですが(人によっては怒られる)、20問もある掛け算の筆算など1日でやるのは本当に苦痛なので、最初の5問か10問でも週末の間にやっておく、というのも一つの手です。負担を分割する作戦ですね。

やらせる順番も大事

漢字ドリルと計算ドリル、という組み合わせの場合、内容を見て大変そうな方(集中力を必要とする方)から始めます。最初の方が集中力があるので。逆に「〜調べ」とか自分でやることを決めてやる内容の方は大変でも子供がやりたがる内容であれば、一番最後に持ってきて自分でやらせます。

その他の逃げテク

本人にどうすればいいか聞く

どうしても集中してできない、ということは起きます。その時は、本人の性格とか、年齢によりますが弱音を吐きましょう。
「もう全然集中できないね。お母さんも横で手伝ってるけど、ちょっと無理そうだよね。疲れてきちゃったよ。どうしたらいいかな」
とか
「無理みたいだから、もう明日先生にごめんなさいしたら?頑張ったけど、ここまでしかできなかったのでごめんなさいって言ったらいいと思う」
そうしたら、先生に謝るのは恥ずかしいので自分で頑張る、という展開になるか、自分で謝る、という展開になるかどちらかわからないですが、本人次第になるので親はちょっと気が楽ですよ。そもそも親の宿題でもないですし、自分の責任と感じる必要は全くないわけです。
ちなみにうちの子は「もうお母さん休んでて、自分で頑張る」という展開が多いです。意外とちょっと離れて(見えるけれど隣じゃない程度の距離を取るのが大事)休んでいると、その間に張り切って終わらせたりします。

あらかじめ担任の先生に事情を説明しておく

先生との面談の時などに、「いやー、宿題やらせるのが大変でー」とか「ドリルを写すのが大変」とか「2時間くらいかかっちゃうんですよー」とかいう話をしておきます。
先生も学校の様子から、板書が苦手とかご存知なので、大体の場合「いつも宿題を見てくださってありがとうございます」という感じになります。
その時に、ちょっと本人が集中できなくてどうしようもない時は、週末にでも間に合わせますとか、読み仮名まで書けない時があるとか、全部自力でやらせると時間がかかるので筆算は書きますね(計算はきちんとやらせますので)とか、言っておくとちょっとだけ気持ちが楽になります。

体調などを見て本当に無理そうならスパッと諦める

水泳があった日とか、体調がどうも良くなさそうな日(明らかに病気になっているわけじゃないのに何か様子がおかしい時)、イレギュラーがあって疲れている日などは進みが悪くなりがちです。なんとかやらせようとしても、いつもよりもぼーっと具合がひどい、こちらもイライラする・・・というときは、スッパリ諦めましょう。
生活ノートに「体調不良のため早めに休ませましたので、宿題ができませんでした。週末にやらせます」と書けばいいのです。
私は自分も疲れていて、子供も進みが悪いけど付き合えそうにない時も「もう諦めて、明日やろう」と諦めます。それより、土日の朝とかにやらせた方が頭もスッキリして効率も上がります。とはいえ、週末が大変になってもきついので、諦めるのは週1回以内にするのが理想です。

以上が書字障害がありそうな、不注意ADHDグレーゾーンの子供に宿題をさせるためのアイデアです。どなたかの参考になれば何より。


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