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【三泊四日で富山を巡る①】氷見のお宿でビリヤニを食すとは思うまい

三泊四日で富山を味わい尽くす欲張りツアー。最初のテーマは「ホテル」です。一泊目の宇奈月温泉、二泊目の富山、三泊目の氷見で泊まったお宿を紹介します。


【一泊目】黒部・宇奈月温泉 やまのは

ネットでホテルを探すときに、一番の決め手にしているのは露天風呂の写真です。眺めが良いか、広々としているか。宇奈月温泉にある様々なお宿の中で、このホテルの画像がまさに理想的でした。

メインの温泉「棚湯」は、その名の通り棚田のような作り。どの位置からも黒部川が良く見えるので、先客がいても問題なし。トロッコ列車も見ることができるようだけど、残念ながら時間が合わず。もう一度来なければ。

お部屋は、まさかのアップグレードで和洋室に。思いがけず広い部屋に戸惑いながらも、お茶菓子に手を伸ばすとこれが美味。通常、この手のお菓子はさらっと食べておしまいなのですが、ホテルの売店で購入しちゃいました。

調べたら富山では有名なお菓子みたいですね

お菓子と言えば、ホテル近くの和菓子屋「福多屋菓子舗」もおススメ。こし餡を求肥で包んだ「おもかげ」が有名ですが、選んだのは夏の和菓子「葛饅頭」。上品な甘さの餡に、葛のつるんとしたノドごしがたまらんです。

温泉街の和菓子はレベルが高い

夕食はバイキング。正直なところ、あまり期待していなかったのですが、握り寿司に天ぷら、ブラックラーメン、氷見うどん、などなどライブキッチンがいくつも並んで、嬉しい悲鳴(きゃー)。

さらに、飲み放題が良心的なお値段だったので、そちらも追加(閉店まで1時間とのことで500円引きに!)。食べ物だけでなく、飲み物まで選び放題で、嬉しい悲鳴が止まりません(きゃーきゃー)。

しかしながら私も大人、自制心を持っています。明日は立山、夕食は地元の人気店。ここは控えめに。

ということで、クラムチャウダーのパイ包み焼きに、とやまポークのソテー、揚げたてのアジフライを、ビールとスパークリングワインでいただきつつ、シメはスープカレーで「洋」なラインナップに。どれもクオリティが高かったことを付け加えておきます。

朝食もバイキング。昨晩が「洋」で攻めたので、翌朝は「和」で構成。苦手だと思っていたトロ昆布にすっかりハマりました。バイキングもいいモノですね。良いお宿でした。

【二泊目】ホテルヴィスキオ 富山

富山駅近くの居酒屋で飲もうということで、二泊目は駅周辺のホテルを探したところ、見つけたのがこちら。駅周辺どころか、ほぼ隣接です。そんな立地に車で訪れる方が珍しいのか、残念ながら提携駐車場は無し。仕方ない。

こちらのホテルも、アップグレードしていただきました。平日の旅行はいいですね。「お部屋から立山連峰をお楽しみください」と言われたものの、今は初夏。湿度のせいか、うっすら山影が見えるにとどまり。でもいいんです、富山駅と路面電車がよく見えるから。

駐車場もよく見える

部屋の中も、シティホテルとしては十分なしつらえ。オープンして2年ということもあって、ベッドもテレビも真新しい。大浴場がもう少し広ければと思うものの、この立地を考えればそれは高望みか。

このホテルが入っている「マルート」というショッピングセンターにはチェーン店が一通り揃っていて、隣接する富山駅にも名産品や飲食店がギッシリ。大抵のことはホテルの半径100mで事足りるのではないかという充実っぷりで、利便性重視の方にはおススメです。

【三泊目】くつろぎの宿 うみあかり

いつか富山に行くことがあったら、氷見の寒ブリが食べたいなと思っていたので、自然と最後の宿泊地に氷見を選んでいました。ただ、季節は初夏。寒ブリの旬と真逆の時期なのです。

一泊目の宇奈月温泉と同じく、こちらのお宿も温泉の写真で選びました。富山湾を一望できて、見ようによってはインフィニティな抜けの良さ。実際、眺めは抜群で、湯加減もちょうど良くて、すっかり長風呂に。

オープンから50年以上も経っていることもあって、内装に昭和な雰囲気を感じるものの、その古さを補うべく色々な面でアップデートを試みようとしているのがうかがえます。

ロビーではillyのコーヒーが飲めたり、ソフトクリームを作れたり。部屋は和室なので敷布団ではあるものの、メッシュタイプのマットレス(メーカーまでは分からず)で、寝返りも打ちやすくて快適。

魚がかわいい

備え付けのテレビは、なんと75インチ。今まで泊まったホテルの中で一番大きなサイズです。YouTubeや配信サービスにも対応している機種なので、夕食の時間までNetflixで「すずめの戸締り」を見ちゃいました。

そして、そのアップデートの集大成は食事です。ダイニングも海を一望できるカウンター席。夕闇の富山湾を見ながら贅沢なひと時。最初に出てきたのはその名も「富山湾の玉手箱」。

これだけあって、どれも美味

お造りを中心に色とりどりの小皿が並ぶ、まさに玉手箱。鯛やブリが旨いのはもちろん、白エビの昆布じめが抜群(帰りに道の駅で買うほど)。指原莉乃おススメという鶏肉の昆布じめも抜群。昆布が旨いね、富山は。

ここまでは、ある種定番の会席料理。ここからが、スゴイ。まず出てきたのが「海老と春野菜のキッシュ~サワークリーム添え~」。地元のブランド卵「まんてん卵」を使ったキッシュで、ふわふわ食感。

左の赤いのはラッキョウのピクルス

続いて出てきたのは「氷見牛トマト鍋」。お鍋は定番メニューではあるものの、トマト鍋は初めて。氷見牛でトマトを巻いて食べるのがおススメとのことで、確かに旨い。ワインを頼んでおいてよかった。

薬味はチーズにバジル、大葉とイタリアンなラインナップ。トマトの出汁にこれらを加えて、氷見うどんを入れたら、すっかりスープパスタの出来上がり。まさか初めての氷見うどんを、このスタイルで食すとは。

赤く染まる氷見の味

〆のご飯は「うみあかり特製ビリヤニ」です。氷見産のコシヒカリに、くちなしの実で着色した「バスマティ米」を使った、お宿特製の混ぜご飯。隣の席の熟年夫婦からも、戸惑いの声が聞こえます。そりゃそうです。

私も人生初のビリヤニを、氷見で食すことになるとは思いもせず。ご丁寧に、付け合わせのブリそぼろもマサラがブレンドされてスパイシー。あわせて供された氷見牛のスープも、ブラックペッパーをかける一品とのこと。

黄色いのがビリヤニ、錦糸卵じゃありません。

まずは一口。初ビリヤニは予想以上に無味。これはそのまま食べるよりもスープをかけてはどうか?と、そぼろと一緒に茶碗にイン。良い具合に絡み合って、口の中もさっぱり仕上げ。果たしてこれが正解かは、一旦置いておきましょう。

デザートは「発酵レアチーズケーキ」。氷見の和菓子屋「さかじり」のレアチーズケーキに、氷見の酒蔵「高澤酒造」の酒粕を入れたオリジナルスイーツ。これがまた抜群に旨い。買って帰りたいぐらいレベルで旨い。

さかじりさん、絶対売った方がいいって

キッシュ、トマト鍋、ビリヤニと突然始まったワールドツアーも最後は地元店のタッグでエンディング。かつてない攻めたラインナップに戸惑わなかったといえば嘘になるけれど、これはこれで有りかなと。

何日か旅する中で、ずっと魚介料理が続くと、ちょっと違う味も試してみたくなるもので。しかも今回のツアーでは、ここが最後の宿。順番的にも良かったのだろうなと。良い巡り合わせでした。

そして翌朝。定番の海鮮丼にもひかれつつ、手作りBLTサンドなんていう変わり種もあって。迷った結果どちらもいただき、朝からワンパクぶりを発揮。どうして旅に出ると、食欲が出るのだろう。

海鮮丼と牛乳が並ぶカオス

スイーツコーナーも朝から充実。カラフルなドーナツが並んでいて、もちろんこちらもいただきます。朝の富山湾を見ながらコーヒータイム。ああ、帰りたくない。

氷見のお宿のモーニングとは思うまい

シックな旅館や、王道の料理を期待すると、違和感が拭えないかもしれません。ただ建物の古さを、料理だったり、設備をアップデートすることで、すごく頑張ってるのが伝わって、個人的にはかなり良い印象でした。

次は寒ブリの旬を迎える冬に来たいなと。どんなメニューが待っているのか、それも楽しみ。


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