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気づいたら妊婦ロードの7週目

不妊治療クリニックを卒業した。治療をしていながらの感想かよ、とは思うんだけど、こんな形で去るとは思っていなかった。この先も子どものいない生活しか考えていなかったし、その覚悟を固めていた。なのに、いざ看護師さんや先生に「元気に産んでください」と言われるとちょっと目頭が熱くなったし、何度もお世話になった受付担当の方々に最後のいつもと同じ「お大事にお過ごしください」の見送りの中にさよならの雰囲気を感じ取っては少し切なくなった。わたしは本当にその場の感情に流されやすいな。

翌日。いくら母の自覚がなくても、本当にこれでよかったのかと悩んでも、腹には別の生命体がいるのは事実。なので、ついに母子手帳をもらいにも行った。説明を受けて、たくさんのパンフレットを受け取ると、いよいよ妊娠が社会的になった気がした。これが、世にいうマタニティマークか。母子手帳か。準備するものが物理的に多くてくらくらする。こっちは夫婦二人暮らしのために断捨離したばかりなのに、また物が増えるのか。想定外だな。

次の日にお産を考えている産院に行くと、ベルトコンベアのように言われるがままに診察が進む。怖すぎる。こんな感じで、されるがままに気づいたら十月十日経っていそうだ。

「一度立ち止まってもいい?」

なんて誰に聞くでもないけど誰かに聞きたくて、でも「もう散々立ち止まってきたじゃん」と過去の自分からツッコミを受けそうな気がした。

なるようにしかならないのかもしれない。たまには流れに身を任せるのも悪くないし、もはやそうするしかない。

そんな7週目。

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