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一匹狼男が、恋をして、愛を知って、今日結婚した話。

本日2023年4月22日、パートナーと入籍した。



「まさか私がこんな幸せな結婚をするなんて」

と自分でも信じられない気持ちなのが率直なところである。



2年前、どこか満たされない日々を送っていた。

そこそこ仕事ができて、そこそこ友達がいて、客観的な指標で見たら「勝ち組」だと自負していたが、心の奥底では人生に飽きていた。

心の隙間を埋めるために、成長と自己実現に精を出し、色々なことに挑戦してみたが、本心から幸せを感じられることは少なかった。



そんな生活に終止符を打ったのが彼女だった。

出会った25歳から第2の人生が始まるかのように日々が色づき、2年後には「移住・転職・結婚」の3大ライフイベントが同時に遂行され、性格や価値観までもが変わってしまった。


人に中々心を開かない一匹狼の私は、純真無垢な彼女に恋をし、愛とは何かを教えてもらい、幸せに生きることができるようになった。


そんな2年間のことを、文章に残しておきたいと思う。



人生に飽きていた一匹狼時代。

彼女と出会う前、最後の冬の1人旅。


彼女と出会う前の私は、典型的な一匹狼だった。

人一倍成果への執念が強く、常に物事の本質について洞察を怠らない人間だったから、他人の意見が浅はかに聞こえた。1番信じられるのは自分自身だった。

先輩だろうと、役職が上だろうと、間違っていると思ったら、自分を貫いたし、時には刃を向け、自分の正義を守るために戦っていた。

そんな生き方でも、受験や組織運営、就活、仕事と、負け知らずだったことが、一匹狼を加速させた。



自己肯定感の低さを、埋め合わせたかったのだ。

人より劣っていることを背景にいじめを受けた過去から「自分はダメ人間だ」が脳に染み付いていた。そして否定されるのが怖かったから、深い人付き合いが中々できなかった。

そんな自分を卒業するためには、自己否定から逃れられる客観的な成果が必要だった。だから、力が欲しかった。



ただ、力は、幸せに直結しなかった。

それなりの力を手に入れた25歳の私が、心の底から満たされることはなかった。何も持っていなかった大学時代の方がよほど充実していた。



どう生きれば、幸せになれるのだろうか。

そんな時に現れたのが、当時、私と同じ目の色をしていた彼女だった。




noteで惚れた、恋の始まり。

付き合う前、横浜の夜景。


この人は、私と同じ影を持っている。
この人も、心から満たされていない。
そして、この人が、もっと幸せになってほしい。

まだ話したこともない人に、そんな直観が働くのだから、脳の無意識が司る力は、侮れないものだなと思う。


彼女のことをよく知ったのは、noteだった。

同じ会社にいたが、1度も話したことがなかった彼女は、全社朝礼のzoom自己紹介企画でnoteを書いていることを紹介していた。

さっそく読んでみると会社で見えた「明るくて、育ちが良くて、影のない人」ではない、彼女の一面が多く綴られていた。

あまりにも赤裸々に、過去の恋愛や自分の悩みについて美しい描写と共に語る彼女のことをもっと知りたくなっていた。



そこから恋が始まった。

私が当時住んでいた恵比寿で食通の彼女に美味しい夜ご飯を教えてもらったのが、初めてのデートだった。

会社の外で会う彼女は今まであった誰より純粋無垢で、可愛い笑顔をしていた。

聞き上手で、どんな話も興味を持って、笑って聞いてくれる彼女と過ごしていると、時間はあっという間に溶けていった。


食通の彼女が選ぶご飯はいつも美味しい。


その後も、鎌倉や横浜に遠出をして、過去のこと、好きなことを色々話したり、ふと夜に話したくなって、電話をするうちに、距離は縮まっていった。

そして、別れたばかりで「もうしばらく恋はしない」と固く誓っていた彼女の気も変わり、お付き合いすることになった。



もし、彼女がnoteを書いていなければ、
もし、会社の企画で紹介されていなければ、
私と彼女はただの同僚でしかなかった。

そう考えると、小さな偶然の積み重ねで、結婚まで至ったのだと実感する。




飽きていた人生が、動き出す。

初めて迎えた春、熊谷の桜まつり。


並べてみると清々しいくらい、正反対の要素が多い私と彼女。

  • 金銭感覚(ケチ↔散財)

  • 食の好み(B級↔食通)

  • 生活リズム(朝型↔夜型)

  • 意思決定(論理↔直観)

  • 主な趣味(カルチャー↔スポーツ)



それでも、否、それだからか、話が尽きることはなかった。

大体、週末はお出かけし、夜は共に過ごした。
夜、週3回は1時間半くらいの電話をしていた。

それでも、話のネタが尽きることはなく、何度会っても、電話越しでも、彼女と話すのは楽しかった。



彼女は、人生に飽きていた私に、世界の楽しみ方を教えてくれた。

食にこだわりがなく、旅行では民泊かゲストハウスしか泊まらず、四季を意識したことなく、作業目的以外でカフェを利用しない私。

Googleマップには無数の行きたいお店リスト、日記には無数のやりたいことリスト、クリスマスなど季節イベントを大切にする彼女。



2人が交わると、無縁だった世界が飛び込んできた。


2人が1番感動したお店は、奈良県の「松籟」


  • 本当に美味しい料理を食べること

  • 良い空間に泊まること

  • 居心地良いカフェを巡ること

  • 桜を楽しむこと

  • 紅葉を楽しむこと

  • 雪を楽しむこと

  • 誕生日はお互い盛大に祝うこと

  • 音楽を聴くこと

  • 映画を観ること

  • 小説を読むこと

  • 写真を撮ること



「こんなに美味しいご飯、食べたことない!」
「こんなに心地よい旅館、泊ったことない!」
「こんな感情があるなんて、知らなかった!」

そんな感情の連続で、まるで人生に飽きていたのが噓みたいに、充実した日々を過ごすことができた。


共通の趣味の旅行は、盛大に楽しんだ。

  • 計13回

  • 計18都道府県

  • 計43泊56日

2年間の旅行遍歴を見ると、週5で働く会社員とは思えないほど、色々な場所を巡った。


日本一綺麗な下灘駅の夕焼け。
豪雪の白川郷。
何度訪れても、大好きな京都の鴨川。


日本を巡る中で「京都に住む」が私たちの目標になり、気付けば移住しているのだから、人生とは思っていた以上に自由なものなのだと思う。



結局、飽きていたのは、1人で生きる人生だった。

2人でいると2倍の経験ができて、2人で食べるご飯は2倍美味しくて、2人で見る景気は2倍綺麗だったのだ。




愛を知って、自由になった。

よく散歩した前の住居近くの公園。

愛とは何か。


「技術であり、与えること」

愛するということ 著エーリッヒフロム


と彼女と出会う前に、書籍で学んだことが私が知りうる愛であり、それ以上でも、それ以下もでもなかった。


「人間関係は利害関係」
「give & takeの総量が釣り合うと成立する」

と付き合いたての彼女に持論を展開するような一匹狼の私の価値観は、彼女と過ごしているうちに、ずいぶんと変わってしまった。



彼女は、絶対に私のことを否定しない。


  • 叶うはずがない夢を語っても。

  • 大して面白い話ができなくても。

  • ケチが発動してがっかりさせても。

  • 正直に、やめて欲しいことを伝えても。

  • 彼女の趣味が、理解できないと伝えても。

  • 体調を崩して、仕事が上手くいかなくても。


そして純粋な目で「いるだけでいいよ」と伝えてくれる。


最初の頃は無意識に「期待して裏切られるのが怖いから」と考えて、その愛情を真正面から受け止められずにいた。

それでも私も彼女に「いるだけでいいな」と思っていることに気付いてからは、これが愛の正体かもしれないと理解できるようになった。



あ、もう、強くならなくていいんだ。
これからは、ありのままに生きていいんだ。

透き通って綺麗な、石垣島の川平湾。


そうやって、鎧を纏った強い自分でなくて、ありのままの自分を肯定できるようになって、とても生きやすくなった。

事実、2年前の写真を見ると、顔が全然違っていて、今の方がずっと穏やかな顔をしていてるのだ。



だから、意見が対立しても、分かり合える。


  • お金はどう使うのか

  • どこに住みたいのか

  • 家族はどう作りたいか

  • キャリアはどうしたいか

  • どういうコミュニケーションが嬉しいか


と話題に上がるうちに、最初は大体、意見が割れて、2人で生きる難しさに直面する。



それでも、私たちは、話し合うことができる。

何を言っても否定されない安心感から、本音を話し、お互いの意見や感情を尊重し、2人で幸せになることを第1に会話を進められる。

そんな会話を進めるうちに

・人間は分かり合えること
・人間は本質的に繋がっていること

までも理解できるようになって、利害関係主義だった私の価値観も大きく変わることになった。

そこから、プライベートや仕事での人付き合いの仕方も大きく変わり、人生が豊かになったように感じている。



自分を守るために、愛の存在を認めず、他人との間に境界線を作って生きていた過去。

その境界線を破り、そこある愛を受け入れた時、新たな景色が見えることを、彼女は教えてくれた。




これからの未来の話。

近くの賀茂川にて。


これまで25年の人生は、自分のコンプレックスを埋めるために、傷つくことを恐れるように生きてきた。

でも、この2年で愛を知って、自由になって、何より最強のパートナーを手に入れることはできた。


だから、これからの人生が楽しみだ。

もっともっと、2人で色んな景色を見て、色んな食べ物を食べて、色んな思い出を積み重ねていきたい。

そして、承認や不安解消のためでなく、自分の好奇心や他人の幸せのために、全力で仕事に打ち込みたい。


何より、そう思わせてくれた大好きな人と、一緒に暮らしていける日常に感謝の気持ちを忘れず、1日1日を噛み締めて生きようと思う。


パートナー視点の文章もお読みいただけると嬉しいです


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