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【連載エッセー第2回】 なるべく電気を使わない

 丸山啓史さん(『気候変動と子どもたち』著者)は、2022年春に家族で山里に移り住みました。持続可能な「懐かしい未来」を追求する日々の生活を綴ります。(月2回、1日と15日に更新予定)

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 冷蔵庫を使わなくなって、我が家の電気代は大幅に減った。電気使用量のかなりの部分を冷蔵庫が占めていたようだ。

 最近の電気使用量をみると、6月が7kWh、7月が5kWh、8月が8kWhとなっている。どの月も15kWhを超えていないため、電気代は基本料金(約400円)のみだ。

 4人世帯の平均的な電気使用量は月あたり400kWh程度らしいので、我が家は電気の消費をかなり抑えていることになる。

 私の家には、電子レンジも電気炊飯器もない。ミキサー、トースター、電気ポットもない。食洗機はもちろんない。エアコンもないし、今の家に移ってからは扇風機も使わなくなった。空気清浄機や加湿器はほしくもない。掃除には箒(ほうき)を使う。トイレの便座に電気は通っていない。テレビはあるけれど、ほとんど観ていない。昼間なら、電気のブレーカーを落としていても、特に問題ない(実際、妻はそうしていたりする)。

玄関の照明もいらない気がする

 今の家に引っ越してから、部屋数は増えたけれど、天井に吊るす照明器具は減らした。5部屋のうち3部屋には照明器具がない。さすがに居間には照明がほしいけれど、考えてみると、すべての部屋に照明器具を取り付ける必要はなかった(固定観念を離れよう)。

 夜に光が必要なときには、卓上ライトを使う。子どもたちが寝た後は、居間で過ごす夫婦の時間も、卓上ライトですませている。部屋全体は明るくならないけれど、そんなに明るくする理由もない。控えめな蛍光色の灯は、なかなか良い雰囲気だ(外から見ると不気味かもしれない)。

 こうした照明と、パソコン関係と、2日に1回くらいの洗濯が、電気の主な用途になっている。

 ちなみに、我が家はガスの消費も少なめのようだ。都市ガスが供給されていない地域なので、プロパンガスを使っているのだけれど、1か月の使用量は2~3㎥だ。4人世帯の平均の4分の1くらいだろうか(とはいえ化石燃料を使ってるんじゃないか、と思われた方。ごめんなさい、その通りです)。

 ガス器具は料理用のコンロだけで、給湯や暖房にはガスを使わないので、冬になってもガスの使用量は大きく変わらないと思う。薪ストーブを料理に使うつもりなので、むしろ冬場のほうがガスの消費は減るかもしれない。

プロパンガスの値段の高さには驚いた

 給湯器は、我が家にはない。台所や洗面所の蛇口から湯が出ることはない。お風呂は、太陽熱温水器と薪ボイラーでまかなう。暖房は、薪ストーブを基本にするつもりだ。

 なお、水道の使用量は、月に6~7㎥くらい。東京都の水道局によると、1人世帯の平均は8.1㎥、4人世帯の平均は23.1㎥ということなので、我が家の暮らしは水についても節約型になっているらしい(なんだ、普通に水道を使っているのか、と思われた方。そうなんです、本当は井戸水か何かを使いたいのです。モーターなしで)。

『気候変動と子どもたち 懐かしい未来をつくる大人の役割』

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