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プレゼンも、スピーチも!人前で話す時の「どこを見たらいいか問題」に答えます!

大勢の人で話をする時、あなたはどこを見ていますか?朝礼であれ会議であれ、セミナーや講演会であれ、会場全体の雰囲気を作るうえで大切なことは、「聴き手に向かって話している」ということを認識することです。

全員を見ようとすると、全員と目が合わない

「聴き手に向かって話す、そんなことは当たり前だ!」と感じる方が多いと思うのですが…実際にはほとんどの方が、聴き手のことを見ることができていません。

聴き手の足元や、聴き手の顔の上の空間を見渡しながら話している方がほとんどで、特に日本人はその傾向が顕著です。
つまり、全体を見渡して入るけれども、

「誰のことも見ていない」

という方が非常に多いのです。

多くの人は「全員を見よう」と思って話しているので、一人ひとりとは実は目が合っていません。
目が合ったとしても、その時間が極端に短いために、「自分は見られている」と聴き手が感じることがないのです。

当たり前ではありますが、私たち人間は、一度に全員の目を見ることはできません。一度に全員の目を見ることができるのは、複眼を持っているトンボさんだけです。私たち人間の目は単眼といって、一箇所ずつにしか視線を送ることができません。
 
そして、一人ひとりと目を合わせた時間の総和が、全員と目を合わせて話すことに繋がります。

つまり、全体を見渡すのではなく、一人ひとりと目を合わせるのです。
 
では、一人ひとりと目を合わせるには、具体的にどんなことに取り組めばよいのでしょうか。
聴き手が「話し手と目が合った」と感じるのに適切な時間はどれくらいなのでしょうか。
 
ごく稀に「一人と3秒ずつ目を合わせて話しなさい」ということを教える先生がいるということを聴いたことがありますが、これは現実的には不可能です。人間は機械ではないので「1,2,3…」と頭の中でカウントしながらスピーチを繰り出すということは、現実的ではありません。

それ以上に、頭のなかで秒数をカウントすることよりも、「目の前の人が今どんな風に私の話を受け取ってくれているのか」ということを想像する方が、よっぽど大切なことです。
 
では、どのようにして一人ひとりと目を合わせればいいのでしょうか。
どのくらいの時間を使うべきなのでしょうか。

スピーチの場で全員を見る方法とは

もっともっと簡単な方法があります。
それは、「一文節ずつ目を合わせていく」
 
例えば、「皆さんこんにちは」と言ってAさんと目を合わせる。
そして「今日は30分という時間を頂いて」とBさんと目を合わせて、
「皆さんがどうやったら現場で、もっともっと自分の仕事の価値を感じながら働けるかということを」とCさんと目を合わせ、
Dさんに目を移し、「全力で私の体験からお話させていただこうと思います!」と伝えた後、全体を見渡しながら「どうぞよろしくお願いします!」とお辞儀をする。
 
そうすることで、AさんもBさんもCさんもDさんも、「私に話をしてくれている」と感じ、この後の講演を自分事として受け取ろうとスイッチが入ります。

例えその後、Aさんと目が合う事がなかったとしても、「私に話をしてくれている」とAさんが“勝手に受け取る状態”が出来上がるのです。
これが目線を一人ひとりと合わせるという話し方の技術です。
 
ここで一つ注意するべきことがあります。
「100人の前で話す時には、100人に対して一人ひとり順番に、100の文節を作って目を合わせていけばよいでしょうか?」と言われれば、答えはNoです。

この手法をとると、とても不自然な話し方、目線の送り方になってしまいます。そして、100人目の人と目を合わせる頃には、もう講演会の終わりに差しかかってしまうでしょう。

その方は講演の中盤で、「自分のことは見てくれていない」「自分に向かって話しをしていない」と感じてしまいます。先ほどと矛盾するように聴こえますが、100人を超えるような大人数になった場合は、一人ひとりと目を合わせるということは現実的ではありません。
 
けれども、解決方法があります。それは、

“会場を9つのブロックに分ける”

という技術を使うことです。
 
会場を縦に3ブロック、横に3ブロックの合計9つのブロックに分け、まるでそこに一人ずつ人がいるかのように目線を動かしながら話します。すると、会場全体にスピーチしているスピーカーのエネルギーが、会場全体に行き渡り、聴き手の一人ひとりに届いていくという状態を作り出すことができます。

POINT 会場を分割してみよう

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