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千社札(せんじゃふだ)と願い


先日、すすきのの成田山新栄寺へ行きましたら、本堂の中で100円で千社札シールを購入し、名前を書いて本堂前に設置された板に貼ることができるようになっていました。

成田山新栄寺は、他のすすきののお寺もそうですが、薄野遊郭で働いていた人々や芸妓・芸者さんが拠り所としたり、寄進したり檀家となったり、大きな関りがありました。

現在も札幌では札幌名妓連に所属の芸者さんが数名いらっしゃいますが、この千社札を購入して納められた料金は、応援する思いを込めて、この名妓連に寄付されるとのことです。

12月ごろまで設置する予定とのことでしたので、ぜひお参りの折にはチェックしてみてくださいね。私も名前をビシッと書いてベタッと貼ってきました。


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さて、「千社札」ですが、お寺や神社を訪ねると、本殿や鳥居、山門の柱などに文字が書かれたお札が無造作にペタペタ貼ってあるのを目にしたことがあるかと思います。

いったいどうやって貼ったの?と思うような位置に貼られていたり、その大きさや字体も様々です。

「千社参り」とは、たくさんの神社を巡拝して歩く風習で、寺院に対しても行われ、江戸時代に流行ったそうです。
その千社参りの際、お札を奉納する習わしがあり、そのお札のことを「千社札」と呼ぶようになったそうです。
お参りの記念として名前や出身地などを書いたお札を貼ることにより、そのお寺や神社で留まってお参りしている効果があるということで、日帰りでたくさんの神社やお寺を巡る人々の間で始まったと言われています。

古いものでは個人的な名前の他、お店の名前が書かれていたりして、商売繁盛を願って千社参りをした人々がたくさんいたのだろうなあと思います。

鴨ノスツアーで訪れるすすきののお寺でも見ることができます。
とっても古いものもあるので、時代や人々の願いに思いを馳せて、じっくり見てみると興味深いと思います。


※現在では気軽なシールになってネット販売もされていますが、お札を貼ることを禁止しているところもあるそうで、もし記念にお札を貼らせてもらいたいときは、お寺に確認した方が良いでしょう。


文・TAMA


成田山新栄寺
http://sapporo-naritasan.jp/

さっぽろ名妓連
https://www.sapporo-cci.or.jp/geigi/meigiren/


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