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第12回 未来のまちづくりミーティング

2月24 日(土)に開催した『第12回 未来のまちづくりミーティング』の様子を、議事録にてご紹介します。なお今回は、主な話題のみを取り上げる摘録の形で紹介させていただきます。

今回は、フィリピン出身で、京都でフィリピン人を中心とした外国人のコミュニティーのサポート業務などに携わっておられる杉山カリサさんをお迎えし、『多文化共生』をテーマに開催しました。外国籍の方が人口の約1割を占める養正学区での多文化理解のあり方などについて考える機会となりました。

次回は、2024年夏~秋ごろに、『下鴨警察署の建て替え・移設について』をテーマに第13回の開催を予定しています。




今回のテーマ

多文化共生について


令和6年2月24日(土) 14:00

@ 左京西部いきいき市民活動センター サロン

主催:かもがわデルタフェスティバル実行委員会・養正学区各種団体連絡協議会


開会の挨拶:

養正学区各種連絡協議会会長・かもがわデルタフェスティバル実行委員会委員長

浅井吉弘

多文化共生はデルタフェスティバルでもメインテーマとしております。

この地域には在日外国人の方が結構おられますので、いろんな方が普段は気持ちよく生活できて、災害のときはみんなが力を合わせて助け合えるようにしていけるように、多文化の理解を進めて、外国人の方にも溶け込みやすい地域でありたいと思っています。

そのためにはまず知るということから始めるということで、今日はフィリピン出身のカリサさんのお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。


司会進行:かもがわデルタフェスティバル実行委員会事務局長 杉山準

フィリピンから来られた方の相談のお仕事をされている杉山カリサさんに、京都のフィリピン人コミュニティーで困ったこととか感じたことをお話ししていただこうと思います。

カリサさんよろしくお願いします。


杉山カリサさんのお話


杉山カリサさん(以下、カリサさん)

 私はフィリピン出身で、日本に来てから間もなく35年になります。ずっと京都に住んでいます。フィリピン人だけではなく、英語とタガログ語を話す国出身の人たちの悩みごとの相談などの対応をする仕事をしています。よろしくお願いします。


杉山

 それでは質問形式でお話を伺っていきます。

 日本に来て困ったことや悩んだことなどはありましたか?


カリサさん

 日本に来たときは日本語が分からなくて、何よりも言葉の壁が大きかったです。

 私が来た当時はバス停や駅にもローマ字表記はなかったですし、携帯電話もないし、国際電話も料金が高かったので、言葉の壁が大きくて、悩んでることとか、体のどこが痛いとか、伝えたいことが伝えられないのが一番しんどかったです。

 伝えられないから自分だけ我慢したりしていたけど、我慢も限界があるので、自分が楽になるにはまずは言葉を勉強しようと思いました。

あと、文化の違いも感じました。


杉山

 文化の違いはどんなところで感じましたか?


カリサさん

 たとえば食べ物ですね。今はスーパーやデパートで海外の食べ物も手に入りますけど、以前は母国の食べ物が手に入らなかったので、我慢するしかなかったです。口に合わない日本食を仕方なく食べるしかなくて、悔しい気持ちがありました。

 育児の仕方もフィリピンでは普通の育て方をしてたんですけど、日本ではそれは違うとか、間違ってると言われ、とても悩みました。


杉山

 現在、フィリピンから来られた方の相談のお仕事をされていて、どんな悩みごとを抱えてる方がいらっしゃいますか?


カリサさん

 フィリピンから海外に行くときにちゃんとしたところで手続きを踏んでいれば、困ったときに助けてくれる団体などを紹介してもらえますけど、日本に来るときにちゃんとしたところで手続きしていなかったら、そういうところを紹介してもらえないです。

 あとは、在留資格が一番重要です。私は配偶者の在留資格ですし、技能実習生で日本に働きに来ている人も6ヶ月、1年、3年など、人によって資格の期間が違うので、それによって悩みごともそれぞれ違います。

 私の働いている相談センターにもいろんなことを相談に来られますが、たとえば帰国子女のハーフで途中から日本の学校に通いはじめた子どもたちが学校に行くのが嫌になって途中でフィリピンに帰るというようなケースもあり、子供の将来がどうなるのか私は心配です。親も思春期が理解できてないところもあり、親も子育ての勉強をしなければならないと思います。

また、シングルマザーのお母さんはずっと働いてるから、いつも家で一人でいるケースもあって、子どもは日本の学校に通っていると日本の文化になじむのが早いけど、お母さんはフィリピン人同士の仲間と一緒に仕事をしていたらあまり日本の文化になじまない。そうすると親子の間で文化の壁や言葉の壁がどんどん大きくなって、同じ家に住んでいても言葉や文化が理解し合えなくなって、子どもが学校のことで悩んでいてもお母さんが日本語が分からないから相談できなくなるという問題もあります。

そういった家庭内の問題を誰かがサポートできる体制が整っていたら、その問題を解決できて、日本の生活が嫌になってフィリピンに帰るんじゃなくて、日本でちゃんと勉強して就職できるようになると思うし、それが一番いいんじゃないかなと思います。

あと、日本に長く住んでいるフィリピン人が、ずっと働いている間は日本語が分からなくても働けていたけど、高齢者になってから、社会保険や年金がないというところで困ります。そういう問題を誰に相談するか、恥ずかしくて言えないこともありますので、そういうところをちゃんと理解してあげられる人がフォローできるかという問題もあります。


杉山

 海外から来た方は同じ国出身の人同士で集まったりされていることが多いですが、フィリピンの方もそのようにされているんですか?


カリサさん

 京都では在日フィリピン人全体の団体があったんですけど、今はバラバラになっています。もともとは教会からできた団体だったけど、フィリピン人は宗教もバラバラだから、それもあってバラバラになって、それぞれで集まりがあります。

 いつもの話し合いのときは2~3人しか来ないけど、クリスマス会のとか6月の独立記念日の集まりのときはたくさんのフィリピン人が集まります。

 ただ、せっかくそういう時にたくさんのフィリピン人が集まるんだから、困っている人向けの情報とかを共有したらいいのに、それをしないのが勿体ないと思います。私が団体の代表をしていたときは、いろんな団体と繋ぎました。

 防災訓練の情報とかもあまりみんな参加していないし、外国人は漢字が多いと読まない人が多いから、住んでいる地域の情報を簡単な分かりやすい日本語で伝えることが必要だと思います。


杉山

 フィリピン人の方々は自治会のような地域のコミュニティーとは接点がありますか?


カリサさん

 京都ではもともと一つあったフィリピン人全体のコミュニティーが今はバラバラになって、自分たちだけの小さなコミュニティーはありますが、外からは入りにくいです。教会に集まったり、留学生の会があったりします。

 各地域ごとのリーダーを集めて繋いで、情報交換をするというのが京都ではないので、コロナのときに在日フィリピン人がどうしていたかという情報もなくて残念だなと思います。

 だから、地域の人も外国人の人が地域にいたら一緒にやっていったらいいなと思います。


参加者

 阪神淡路大震災のときに神戸にボランティアに行ったんです。フィリピン人の女性たちが避難所にいにくくて、外国人の人たちは公園やちょっと壊れた家に住んでいたんですけど、情報がすごく届きにくくて大変でした。

 今のお話を伺ってると、フィリピン人の人たちは地域での小さな繋がりはあるけれど、地域間で連絡を取り合うような場は今はあまりないのですか?


カリサさん

 そうですね。地域ごとの在日フィリピン人の情報交換がないです。それが勿体ないなと思います。情報交換の会議もなくて機会がないから、困ってる人がいるというのも分からないし、それは問題だと思います。災害が起きたときの避難場所もほとんどみんな知りません。

漢字の情報だと分からないから知らないというのもあるし、だから簡単な日本語で防災訓練などの情報を伝えて、そこで参加しながら学ぶことができたら一番いいかなと思います。


参加者

 地域ごとのコミュニティーが小さく分かれていて、その間のコミュニケーションがあまりうまくとれていないということですが、SNSでの繋がりはありますか?


カリサさん

 それもないです。イベントのときはFacebookでお知らせするんですが、グループのSNSとかはないので、何があるとかの情報が入ってこない。

 この間、海外で働くフィリピン人の視察でフィリピンの本国の役人の人たちが京都に来ました。その情報が京都の各地域のコミュニティーに伝わらずに呼んでもらえませんでした。


参加者

 先ほど教会によく集まると仰っておられましたが、教会がコミュニティーの場になっているのかと、それぞれの地域の町内会やご近所の方と何かあったときに助け合えるような関係が築けているのかを教えてください。


カリサさん

 教会でどういう交流をするかはそのコミュニティーのリーダーによって違います。

 私がリーダーをしていたときは、困っている人の話を聞いたり、役所に連れて行ったりといった生活支援の福祉活動や、大学生に来てもらって子どもの宿題を手伝ってあげる活動などをボランティアでやっていました。あとはクリスマス会のときに国際協会の人を呼んで、困ったときはここに頼ってと紹介したりもしていましたけど、リーダーが変わった後はそれもなくなりました。地域の人と繋がっているかも分かりません。

 高齢者のフィリピン人を支援しているボランティア団体もあるけど、いつまで支援するのかという問題もあるし、子どもたちは学校を途中でやめる子も多いです。そのようにそれぞれがいろんな悩みを抱えているので、もっとコミュニティーでフォローできたらと思います。

 私も地域の大掃除とかの活動に参加したりするのは最初は面倒くさくて嫌やなと思ってましたけど、後から考えたらそれは地域と繋がるのに大事なことで、地蔵盆にも参加して、自分を受け入れてもらってるというのがすごく嬉しいと感じるようになりました。

 今住んでいる地域でも、高齢者が多くて、自分たちより下の世代が交代で3ヶ月ごとに交代で大掃除をやっていて、仕事もあるし面倒くさいなとも思うけど、お互い理解し合って生活していくために必要なことだと思ってます。たとえば私がごみ当番のときに仕事が朝早くて帰りも遅くなったりしたら、隣のおばあちゃんがしてくれて、そこでちょっとお礼の挨拶するだけで全然違います。外国人には理解するのが難しいこともあるけど、理解して地域と繋がれば自分にメリットがあると思います。だから、できれば私は地域の活動にフィリピン人ももっと参加してほしいと思っています。


ベトナム人の参加者

 私はベトナムから10年前に日本に来ました。ベトナム人も留学生や働きに来ている人が増えて、一つの団体で集まることがとても困難で、小さな団体ばかりです。でも大きなイベントは複数の団体が一緒にやるので、繋がりはあります。

 1年前に東京から京都に引っ越しました。京都には以前は留学生の団体があったんですが、今はなくなってしまっています。若い世代はみんな考え方が違って、情報をインターネットで検索するので、他の人と話す機会がなくても自分でなんとかできるので、そういう大きな団体が必要なくなっています。私は京都でベトナム人が集まる場がいいなと思っています。


杉山

 カリサさんは地域活動に参加したりもされているとのことなので、その経験などをお話しいただけますか?


カリサさん

 以前に住んでいたところで火事があって、私の家にも燃え移って、3軒ぐらい燃えて消防車も警察も来る大きな火事でした。そのとき出掛けてたんですけど、友達から連絡があってすぐに帰りました。そのとき、フィリピン人の友達が周りに「火事だ、火事だ」って伝えようとして回ったけど、パニックになってフィリピン語で叫んでしまったから誰も理解できませんでした。

 そのときに隣のおばちゃんが、万が一のときのためにすぐ近くの人だけでも連絡先やお互いの情報を交換をしましょうと言ってくれました。

 そのときに住んでいた地域は温かく迎えてくれて、日本語が分からなかったらもういいわじゃなくて、外国人だからというのは関係なく、回覧板の回し方や見方を一緒に回って教えてくれたので、勉強になりました。それで私は健康相談の情報とかも分かるようになったけど、他の地域に住んでるフィリピン人の人に聞いたら、ちゃんと回覧板の見方とかを教えてもらっていないから、回覧板に載っている地域の情報を知らないです。だから、回覧板に大事な情報が載ってるということを知らない外国人は、漢字が多くて読みにくい回覧板の情報はちゃんと読まずに次に回してしまいます。簡単な日本語が入っていたら、読むようになるんじゃないかと思います。

 外国人も日本に住んでいるから日本語を読めるように努力をしなきゃいけないけど、外国人を受け入れる地域も、お互いが理解し合えるのが一番いいと思います。

 たとえば大掃除も面倒臭いな、行くの嫌だなと思っても、参加しながら地域の人たちと会話をして、地域の人が受け入れてるという気持ちになるのが大事だと思います。地蔵盆も、最初は分からなかったけど、実際に行って、日本の文化ではこれが子どもの神様、子どものお祭りなんやなと理解しました。実際に行って、見て、自分も楽しんでなじむことが大事だなと思います。


杉山(ベトナム人の参加者に質問)

 町内会などの日本のコミュニティーとの接点や、住んでいる地域の人とのコミュニケーションはありますか?


ベトナム人の参加者

 私は周りの人と話すことはありますが、留学生などはたぶんそういう接点はないと思います。学校とのやり取りだけで、住んでいる周りの人とのやり取りはあまりないと思います。大掃除とかの活動に参加することもないと思います。


参加者

 知り合いの方が外国人の人たち向けに料理を作ったりしたものをみんなで持ち寄って、気に入ったものを購入して持ち帰るようなイベントを始められて、英語のチラシとかも作ったんですけど、それをどこへ持って行ったら外国人の人に出会えて、その人たちに情報が行き渡るかが分かりづらいんです。


カリサさん

 私もいろんな活動センターでフィリピンの料理を作って一緒に食べてフィリピンの文化を知ってもらう会をやったりしました。でもそれは私がたまたまそういうところに関わっている団体を知っていたからできたんですけど、もし私がそういうところと繋がりがなければ、そういう場所の情報をどうやって得たらいいのかなと思います。

 教会などで情報を得ることもあるんですけど、教会にはキリスト教の人しか行かないから、いろんな外国人が行きやすいのは、蹴上の国際交流会館で年に1回やっているオープンデーとかかなと思います。

 私はいろんな団体と繋がりがあるから他のフィリピン人の情報を渡すことはあっても、私がもらうことはないので、何も繋がりがない外国人が情報を得る手段がないのは課題だと思います。


ベトナム人参加者

 たしかに大使館から情報はいろいろくれるけど、すべてのベトナム人がそういう情報を得られてはいないと思います。ベトナム人は積極的に活動に参加している人が少ないから、それが大きな原因の一つです。

 さっきカリサさんがおっしゃった交流イベントに参加するとか、各大学にある留学生支援グループと関係を持つといいと思います。


杉山

 先ほどからやさしい(簡単な)日本語というお話が出ています。日本人は外国人の人と話すときについ英語を話しがちなんですが、それよりもやさしい日本語のほうが伝わりやすいんでしょうか?


カリサさん

 外国人の人も日本語になじむために日本語で話しているのに、それに英語で返されるよりも、できるだけやさしい日本語で話してもらえたほうがいいと思います。

ただ、読むのは特に難しくて、何年も日本に住んでいたら簡単な日本語は話せるけど、読み書きが難しいので、ローマ字を使ったやさしい日本語を使ってもらえるといいと思います。家族とか、聞ける相手がいれば理解できますけど、技能実習生とかはそういう相手がいないことが多いので、その場合は大変です。困ったときは夜中とか土日でも私のところに連絡が来ることもあります。私が働いているセンターからは業務外で対応するのを止められるときもありますけど、体調が悪いとかだと命がかかってるから放っておけないですし、夜中に緊急病院に連れて行ったりしたこともあります。

そういうフォローをしてくれるところが何かないのかなと思います。


参加者

 私の奥さんが外国人なんですけど、英語ができないので、絵とか写真とか、言葉だけじゃなくて見た目で分かる記号とかで伝えられるといいと思います。

 英語ができなくて日本語はできるんですけど、見た目が完全に外国人なので、お店に行っても姿を見ただけで、すぐに誰かを呼びに行かれてしまうと言っていました。


参加者

 能登地震のときに、外国人の方にどういうふうに伝えるのかという話題がX(旧

Twitter)でよく出ていたんですけど、NHKの情報をシェアしているものがYoutubeとかでよく上がっていました。

 外国人に伝わるやさしい日本語を調べていたら、「は・さ・み」の頭文字で覚えましょうというのがあって、「はっきりと、最後まで、短く言う。」というコミュニケーションの取り方をするといいというのを見つけて、分かりやすいと思ったので情報共有させていただきます。


参加者

 先ほどのお話の中でフィリピンの本国の人が来たのに呼ばれなかったとおっしゃっていましたが、それはどのような立場の人が来られたのですか?


カリサさん

 大統領の公認機関から派遣されて、海外で働くフィリピン人の支援のために、どんな生活状況か、何に困っているかなどを直接現場で聞き取り調査する人たちが来ました。その情報が共有されなかったので、京都の中のある地域のグループだけが自分たちだけで会議をして、その受け入れをしていました。

私は京都市内のフィリピン人グループのリーダーなのに、そういう大事な話のところに私や他の各地域のリーダーを誰も呼ばなかったので、それは良くないと思います。私たちもフィリピン国籍なのでそういう大事な情報は知る権利があるので、それぞれの地域のリーダーを呼んでミーティングをして、それぞれの地域に持ち帰って情報共有するようにすべきだったと思います。

私はそのときに、フィリピン政府に、年金がもらえないフィリピン人の高齢者の現状や、学校になじめない子どもたちの問題、子育てに悩むお母さんの問題とかを伝えたかったんです。


参加者

 今のお話を聞いていて、回覧板に入れる健康診断のお知らせのやさしい日本語版を作るとか、行政が少し工夫することで外国人の方がずいぶん助かるんじゃないかなと思いました。

 そのうえで、町内会に入っていて回覧板が回ってくる状況の人がどのぐらいいらっしゃるのか気になります。


カリサさん

 5回ほど引っ越ししましたが、回覧板が回ってこないところもありました。そのときは近所の人との挨拶もなかったので結構不安でした。

 あと、マンションの目の前にゴミの集荷場所があったのに、そこに出したらあなたのところはここじゃないと言われました。そういうのも外国人には分かりにくいし、私が一番日本語が話せる外国人だったから、騒がしい外国人の入居者のところに管理人さんと一緒に行って注意したり、管理人さんに頼まれて外国人向けに英語でゴミの分別の仕方を書いたこともありました。


参加者

 京都市役所には外国籍の人の支援をする部署があるのに、必要な最低限の仕事をしていないと思います。


カリサさん

 京都では京都国際センターで英語と中国語だけサポートがありますけど、英語ができないフィリピン人もいるので、フィリピン人にはタガログ語とか、もっと多言語にしてほしいです。残念ながら京都はそこまでできていません。


参加者

 逆に日本人のみなさんに質問なんですけど、外国人の方との近所づきあいで何か困ったということはありますか?


浅井

 ゴミの出し方とか、香辛料などのにおいの問題などはよく言われますね。

 お互いがちょっとずつ我慢し合って、日本人もそれは仕方ないかと大らかに接するのが大事かなと個人的には思います。


カリサさん

 私も児童館とかで地域のPTAなどの人と一緒に自分の国の紹介とか、料理を食べてもらったりしたことがあって、はじめは料理が臭くてみんなためらってたけど、実際に食べてもらって美味しかったということで、文化を理解し合えたという経験もあります。見た目で判断するんじゃなくて、料理を実際に食べてもらったりして中身を知ってもらうことが大事だと思います。

 学校でも国際理解の取り組みが進んでいて、第四錦林小学校ではいろんな国の方を呼んで文化や食べ物を紹介してもらったりというのもあります。


浅井

 完全に理解はできないと思うので、理解し合えないだろうというのが前提でいいと思うんです。自分たちと同じようにしてほしいというんじゃなくて、受け入れるという姿勢が大事だと思います。違いがあるのはそのままでいいと思うし、無理に相手の文化を理解して合わせようと思わないほうがお互いに居心地がいいし、楽だと思います。


参加者

 京都市内の他の地域にあるコミュニティカフェには午後になるとフィリピン出身のお母さんを持つ子供たちがたくさん来て、ボランティアの学生さんもいて、そこに地元のお年寄りとかもいる中でおしゃべりしたり勉強したりして、たまり場になってるんですけど、そういう場所がいろんなところにあるといいなと思います。


浅井

 活用予定エリアにそういうサロンのような場所ができたらいいですね。


ベトナム人の参加者

 日本は地震が多いから、防災訓練などがあると知っていれば外国人は参加したいと思います。だから、やさしい日本語とか絵で、そういうのがあると分かりやすく知らせてくれたら参加すると思います。

 あと、外国人から見ると日本人は結構冷たいです。不満があっても伝えてくれないから、もうちょっとこうしてほしいということがあったら、優しく伝えてくれると嬉しいですし、それがきっかけで親しくなれるかもしれないと思います。


参加者

 先ほど回覧板でいろいろ情報を得られるという話がありましたが、この養正市営住宅にはそもそも町内会がなくて、回覧板もないんです。だから情報を得る手段はエレベーターの中の張り紙と市営浴場の張り紙とポスティングぐらいです。外国人の方が多い地域なのにそもそも回覧板すら存在していないので、この地域の外国人の方は情報が得にくいのかなと思いました。


参加者

 私の住んでる地域は養正学区内で、そこも町内会はないんですけど回覧板だけは回ってきます。正直私自身も回覧板の中身をちゃんと見れてないんですけど、ただ、回覧板を回すことで地域の方と話す機会になるので、回覧板を回すこと自体に意味があると感じています。

 あと、日本人でも学校からのお知らせとか役所の書類とかは量も多くて読み切れないですし、文言も分かりにくいですし、イラストとかで的確に必要なことを伝えることができる人が学校や役所にいれば、こんなに書類が多くならないと思います。外国人の人だけじゃなくて、日本人にもやさしい日本語は必要だと思うので、国全体として改善していったほうがいいんじゃないかなと思います。

 もう一つは、他の学区から引っ越してきて、養正小学校は多文化の授業が充実しているなと感じています。保護者も一緒に朝鮮学校に行ってみんなで焼き肉を食べるとか、授業でカポエイラをやったりとか、そういう取り組みが多いのはいいことだなと思います。

 この学区には外国人の方も多くて私の周りにもいらっしゃいますけど、なるべく自分から声をかけてお話しするようにすれば向こうの方も声をかけてくださるようになりますし、日本人から歩み寄るようにすると生活が楽しくなるんじゃないかなと思います。


参加者

 この地域も含めてどの地域でも盆踊りがあると思うんですけど、いろんな人が分け隔てなく参加できるものなので、そういう場が国際交流の場になればいいなと思います。ぜひ皆さん参加されたらと思います。


参加者

 お互いのことを知るために何をコミュニケーションしていくのかという、その内容が大事だなと感じました。

 フィリピンの方の悩みや事情もさまざまだと思いますし、それをその方が日本の人に一生懸命説明しなければいけない社会ではなく、それを知った日本の人がこういうフィリピン人の友達がいるんだよとどんどん社会に発信していくことが多文化共生の理想的な姿なんじゃないかなと思いました。


カリサさん

 私たちが一生懸命コミュニケーションを取ろうとしても、どうせ日本語分からないだろうからもういいわっていうんじゃなくて、オープンマインドで違いを受け入れることが必要だと思います。

 今でも地域の活動の中で、特に高齢の方の中にはこちらが一生懸命コミュニケーションをとろうとしても、外国人だから日本語分からないだろうとシャットダウンされて、ちゃんと対応してもらえないことがあるので、オープンマインドで接してほしいと思います。


参加者

 よくいろんな銭湯に行くんですけど、銭湯にもいろんな国の方がいらっしゃいます。銭湯に行くといろんな注意書きを絵で説明してあって分かりやすいので、先ほどおっしゃった役所の書類とかももうちょっと絵やイラストを多用してあるといいなと思います。


浅井(終わりの挨拶)

 在日外国人といっても多様性があると思います。留学生は大学のサポート体制もあると思いますが、出稼ぎで来られている方はサポート体制がそこまでないんじゃないかと思います。本来は領事館などの海外の政府機関と京都市の国際交流会館などの行政機関が協力体制をとって基本的なことをまずはインフォメーションすることが大事だと思いますが、そこがしっかりできてないんじゃないかなと感じます。そこのサポートがあった上で近所付き合いがオープンマインドで築けたら素晴らしいと思います。そのための手段の一つとして、かもがわデルタフェスティバルの多文化まつりも継続してやっていきたいなと感じました。

 本日はありがとうございました。


かもがわデルタフェスティバル実行委員会 参加団体

(50音順)
おんらく市場
京都学生演劇祭実行委員会
京都TeraCoya
左京西部いきいき市民活動センター
人権連
田中神輿会
特定非営利活動法人劇研
特定非営利活動法人YTまちづくりの会
部落解放同盟田中支部
養正学区各種団体連絡協議会
養正学区社会福祉協議会


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