体験と経験の違い

 おはようございます、神島竜です。

 今回は体験と経験の違いについて話します。

 以前、『考える=知識、解釈、判断』で、経験と体験は違うと話しました。今回はそのことについてもう少し掘り下げて話します。

 ブログやSNSで自分の身の回りのことを書くにあたってこの二つの違いは大事です。

 僕らは経験が大事、こんな経験をした、この経験があるから自分がある、自己実現のために海外に行って貴重な経験を得たいと言います。

 しかし、その時に語る経験は、じつは体験であったということがよくあるんです。

 体験とは体で感じたこと、その出来事によってうれしいと感じたり、悲しいと感じた感情の動き。これだけで終わったものは体験です。

 ネットとお金さえあれば、僕らはこの体験をいくらでもできます。

 お金さえあれば、外国に行って帰ることくらいできますし、今の時代、ネットを使えばだれとでも会えます。

 それで人生が変わったという人もいるにはいるんですが。その場合、経験を積んで成長したのでなく。価値観が変わって、それによって結果的に成長したから人生が変わったと解釈するのが正しいんです。

 たとえば、あなたが事故に遭ったとして。その後で命って大事なんだなと思ったあなたは日々を大切に生きることにしました。この時、あなたは命は大事という価値観を得たんです。

 価値観が手に入れば、生活は変わります、生活が変われば、勉強や成長する機会が増えます。そうしたうえで結果的に人生が変わるんです。

 そして、体験だったものが、そのころには自分の中の知識による解釈が加わった経験に変わっているんです。「あのときのことは今、思えばいい経験だった」とよくいう人がいますが。あれは体験が経験に変わる瞬間があるからなんですね。

 もちろん、こう考えれば体験もいいことだらけじゃないか、なぜ神島は体験と経験の違いをそんなに気にするのかって思うかもしれません。

 それはですね、この体験をそれだけで自分を成長させる、スゴイ奴に変えてくれるものだと考えて、俺はこんな経験をしたんだぞ、だからスゴいんだって考えてしまうのが恐ろしいからなんですよ。

 それをやると、これから経験に変えていかなければいけない大量の体験を抱え込んだままネットの深い海に沈んで行って。石のように重くなって動けなくなることってあるんですよ。

 だから、体験と経験は違う。僕らはなにか特別な体験をしたとき、それをちゃんと経験に変えられるようにしよう、というのをちゃんと言っていきたいというのが、僕の考えです。

 では、また明日、神島竜でした。

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