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政治家になる 私の兄 第1話「たつのすけ」

私の兄「神沢かずたか」が、4月16日告示の豊島区長選挙に挑戦する予定です。3人兄弟の末っ子の私と、長男の兄の思い出を語っていこうと思います。

実は私の兄の本名は「かずたか」ではなく「たつのすけ」であり……ということではなく、たつのすけというのは昔飼っていたペットの名前です。
ペットといえば犬派か猫派かという話は皆さんも人生の中でまあまあした事があると思いますが、兄が選んだペットはそのどちらでもなく肺魚でした。どちらでもないにも限度があるだろと思わないでもないくらいに、一般的ではないペットだったと思います。

巨大なウナギ

当時小学生の私であれば十分浸かれるくらい大きな水槽に、体感では1mくらいの巨大なウナギじみた生き物が寝そべっており、時々餌をあげたりもしましたが、ボフッ、と餌を吸い込み、咀嚼して一旦吐き出しつつもう一度ボフッと口の中にしまい込む、を繰り返す様子は何だか目が離せませんでした。釣りも好きでしょっちゅう近くの河川敷に行っていた兄だったので、多分水槽の中にあった枯れ木や流木っぽい木片は自分で拾ってきたものなんじゃないかな、と勝手に想像しています。水槽はそれ一つではなく、学校でメダカの飼育なんかに使う水槽より一回り大きい程度の水槽には小さなエビや水草なんかもあり、いわゆるアクアリウム?みたいなこともやっていたのかなと思います。
今頃になってあれが何という種類だったのか気になり、肺魚で検索をかけてみました。

①プロトプテルス・アネクテンス
②レビドシレン・バラドクサ
③ネオケラトドゥス・フォルステリ

ほとんど「エクスペクト・パトローナム」と大差のない名前のウナギもどきが出てきて、名前を覚えることは諦めましたが、我が家にいたのは多分①だったと思います。せっかくなので、今これを書いている時に斜向かいで座って何か仕事をしている兄に質問してみようと思います。

何て名前の魚?
プロトプテルス。アネクテンスまで加えると多分違う。

この世には山ほどペット候補ってあるのに、何で肺魚?
かっこよかった。「ゴホー」って呼吸の感じとか。龍みたいな見た目とか。あと、1億年も姿を変えてない点にロマンを感じた。

じゃあ、可愛いー、って思ってたというよりは格好いい、って思ったんだ?
思ったねえ。

でかいほうがよかった?
確かに大きいことにロマンは感じた。でも小魚の水槽も作ってたか水草メインの淡水の水槽にも凝ってた。

アクアリウムってこと?
いや、アクアリウムって言ってしまうとちょっと違う(以下、アクアリウムとは違う理由を教えてもらいましたがあんまりよくわからなかったので割愛させていただきます)

だそうです。ちなみに私の体感では1mあったたつのすけは、水槽の大きさが90㎝しかなかったため、私の思い出の中で巨大化させられていた事が判明しました。訂正してお詫びいたします。

庭に眠るペットたち

我が家には小さいながらも庭があり、たつのすけが天寿を全うした日、そこに兄が穴を掘って埋めていました。それ以外にも我が家の庭には祖父母から受け継いだオウム、下の兄と私とで協力して買い、世話をした大型犬2頭、伯母がもらってきた小型犬が眠っており、我が家の庭の地下はなかなか賑やかなことになっています。

兄がたつのすけを飼いアクアリウムではないなんだかんだをやっていた大小の水槽たちも既に処分され、ついでに言えばオウムや犬たちを飼っていたケージや柵なんかも大方処分してしまいました。動物を飼っている家特有の匂いもなくなり、齧られて使えなくなった家財道具なども少しずつ代替わりしていったため、今日我が家に初めてお呼ばれするお客様が見たとしても、きっとたつのすけたちがいた事が分かる人はいないでしょう。それでも我が家の家族になってくれた子たちは今もそばにいてくれているのだと私は信じています。

今では、母が中心となってその庭で家庭菜園をしているのですが、妙に生育が良いのはうちの子たちが良質な養分になってくれているからでしょうか? 年明けに植えたじゃがいもが芽を出し、選挙が終わったら家族皆で収穫したい。冬撒きのじゃがいもの収穫期は3~4月とのことなのでギリギリです。


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