菅首相で何か変わるか？

菅官房長官が新首相に選ばれます。アベノミクスにいちばん近い人が選ばれたので、経済政策はほとんど継続されるでしょう。これまでの菅氏のコメントから、財政・金融政策は継続の一方で、女性活用などの改革をさらに進めるとともに、デジタル庁設置など縦割り行政改善に注力すると期待できます。株式市場で重要であったコーポレートガバナンス改革もこれまで通りと予想できます。そして、衆院解散・総選挙が年内にも行われるかが注目です。コロナ・ショック対応のさなかに選挙を行うのは奇妙に見えるかもしれませんが、来年9月までの安倍氏の残りの任期が終われば自民党総裁選があります。菅氏が長期本格政権を目指すのであれば、それまでに国政選挙に勝って、盤石な政権にしようとするでしょう。菅氏の支持率は比較的高く、野党が再編のさなかで戦いやすい環境でもあり、新型コロナウイルス対応で行動制限を減らし経済再開により前向きになる新政策を打ち出して、国民の意思を問う可能性があります。選挙があるからといって経済成長への影響は限定的ですが、新政権が大勝すれば、政策遂行の信頼感が高まるとみて、株式市場には資金が流れ込みやすくなります。今後ワクチン接種の規模やタイミングなど、経済回復に政治の影響が今以上に大きくなる時期が来るので、新首相の活躍を期待します。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63845920V10C20A9PP8000/

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