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米利上げと大手ハイテクの今後

米連邦準備理事会(FRB)は11月2日に政策金利を0.75パーセント引き上げ4パーセントとしました。同4日には米雇用統計が発表され、雇用者数は市場予想より多かったのですが、賃金上昇率が少し低下し、失業率も上昇したので、行き過ぎた景気が穏やかになるとの期待が高まりました。

景気の減速を待つ理由は、市場がFRBの利上げの行き過ぎで景気後退になることを恐れているからです。一方で、FRBは、雇用増加や賃金上昇が収まらず、景気過熱でインフレがより強く長くなってしまうことを恐れています。ですからFRBは、金利を引き上げ、雇用や賃金上昇を止めてでも、消費を押さえ込もうとしています。

ところで、過熱気味の景気の中で米国株の7-9月期の利益は全体としてはプラスでした。しかしIT大手のグーグルなどは企業の広告費削減で、また、海外売上が大きいマイクロソフトなどはドル高で、いずれも減益となりました。

FRBの金利引き上げの効果が来年3月ごろまでに現れて利上げ一服となれば、広告収入減は一時的となり、ドル高もピークを超え、企業収益は短期間で回復するでしょう。しかし、もしインフレが長引けば、広告収入減とドル高の継続で収益悪化が続く恐れはあります。

当面、IT大手の収益はインフレがいつ収まるかに影響を受けます。賃金上昇の落ち着きが続く現状などから予想すると、来年3月がインフレと政策金利のピークとなり、景気後退はあっても小さくてすみ、4月以降に企業利益は増益、株価は上昇、ドル円は円高方向に戻るでしょう。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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