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米国の金利上昇は終わりか?

米国の国債利回りは、コロナ・ショック後の2020年8月に0.5パーセントまで下がった後、今年の3月末に1.7パーセントを超える水準に達しました。しかし、その後1.3パーセント台まで低下しています。まず、コロナ・ショックによる経済活動の自粛と米連邦準備理事会(FRB)の大型の金融緩和で、金利は1パーセント割れまで低下しました。しかし、2020年までのトランプ前政権の大規模な財政拡大で、長期金利は2021年初めに1パーセントを超えました。その後バイデン政権の支援策も米国の家計に届くことになり、3月終わりに米国金利は1.7パーセントに達します。一方で、FRBのパウエル議長は2%のインフレ目標を実際のインフレ率がしばらく超えても許容するとしていました。ところが、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でドットチャートというFRBの会議メンバーの予想を示す分布図が2023年までに2度の利上げを示唆していたことで、インフレ傾向が強まれば政策金利を引き上げて景気のブレーキを踏むのでは?と市場参加者が読み方を変え、将来の景気悪化懸念から長期金利は低下し、1.3パーセント台となりました。しかし、この水準は財政に支えられた景気回復の現状からみて悲観的すぎる水準と見ており、今後経済情勢を反映して上昇すると予想します。ただし、FRBの政策金利正常化も見えたことで、長期金利の上昇は非常にゆるやかで2パーセントは遠そうです。


〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕

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