米大統領選挙と経済と市場

米大統領選挙に向けて状況が刻一刻と変化するのですが、長期投資の視点で結果によって売りや買いの行動は変わらないと考えます。誰が大統領になっても経済を壊したりするとは想定していません。現時点では民主党候補者選びが話題です。有力候補となったサンダース氏は社会主義者と呼ばれていますが、実際には社会福祉を充実させる福祉主義に見えます。例えばテクノロジーを含む民間企業をすべて国有化しようというような政策ではなく、国民皆保険や教育費の補助などが重要な政策でしょう。仮にサンダース氏が大統領に選ばれ、上院も下院も民主党が多数派となったとしても、旧ソ連や中国のような体制となるとは想定していません。福祉の充実で企業と高所得者層への増税や負担増が考えられる一方、消費の増加増やこのところ高かった貯蓄率の低下が期待できます。長い目で見れば、GDPの成長率が変わるというよりも、成長の分配先が変わると考えています。
もっとも、選挙前後だけの短期間を見ると、誰であれ民主党候補が大統領に選ばれれば、市場はブレが大きくなると予想します。誰であれ新しい大統領の出現は、不確実性のもとになります。市場は、新大統領の発言や政策に一喜一憂する時期があるかもしれませんが、市場と経済のトレンドは違います。長期的に、経済は健全であり続け、投資家はリスク資産を減らす必要はないと見ています。


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