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参院選後の政策と注目点

先日お亡くなりになった安倍晋三元首相に謹んでお悔やみ申し上げます。
参院選では自民党が大きく議席を増やしました。しかし、今後の日本の経済政策が大きく変化することはないと予想します。

まず岸田文雄首相が緊縮的な財政政策に変更するリスクは低いとみます。岸田政権は昨年秋の自民党総裁選で安倍氏の支持があって成立しました。参院選前に政府の22年度の骨太の方針がすでに示されており、基本的にアベノミクスの流れをくむ財政拡大策やプライマリーバランス黒字化棚上げをいまさら変更することは難しいでしょう。

岸田首相は日銀の緩和政策を快く思っていないとの見方もありますが、日銀はコロナ禍からの経済回復に応じて政策変更をするのであって、首相への忖度で行動するとは思えません。

キャピタルゲイン課税など金融所得課税の強化や、自社株買いの制限など市場に好ましくない政策の蒸し返しは、岸田首相が「貯蓄から投資」への政府の掛け声に反することに気づいて棚上げしたと理解しています。

参院選での自民党の勝利は、衆院を解散しない限り国政選挙の必要がない「黄金の3年」で与党の政策実行力を強めると思われます。この力は主に防衛費増額や憲法改正などに使われると考えます。関連セクターの株価に影響があるかもしれませんが、株価指数水準を変えるような政策変更は想定しません。

今後、旅行支援策「県民割」などコロナ禍からの回復の支援策がうまく進むか、閣僚や党三役人事で財政緊縮派が増えないか、に注目します。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113

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