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【読書感想】読書好きの成人男性が今月読んだ本からオススメ本を紹介する(11月編)


こんにちは。
街中のジングルベルのメロディが本格化する12月中旬。いかがお過ごしでしょうか。
僕は、Kindleで50%ポイント還元や70%オフのキャンペーンに上手いこと乗せられて、本を一気にまとめ買いしています。さすがGAFAの経営戦略ですね。

毎月恒例のオススメ本紹介を今月もやっていきたいと思います。
11月に読んだ本を簡単に紹介しつつ、特にコレ!というものについては感想文を書いています。
年末年始、お家に引きこもる予定という方もいらっしゃると思いますので、次読む本の参考にしてもらえたら幸いです。

(11月に読んだ本リスト)

・鹿の王(1)

来年2月に公開されるアニメ映画の原作本。謎の疫病に絡む2人の男の物語。ファンタジー設定が綿密で没入感が良い。続きも読んでいきたいです。

・米原万里ベストエッセイI

ロシア語同時通訳者だった米原万里さんのエッセイ集。専門職としてキレのある切り口で書かれる文章が魅力。ニヤッとかクスッとするんだけど、ハッともします。

・大事なことほど小声でささやく

11月の読書会課題本。身長2mのオカマ、ゴンママがバーに通う人たちを力づける…だけではない。マインドフルネスのフレーバーが強い。映画化もされるらしいですよ。

・マリツカ・マジョルカ

青春ミステリ。事件の真相はとてもほろ苦い。青春の苦さを思い出したい方にオススメの1冊。短編集なので、読みやすいですよ。1話目の原始人を探す話が一番ほろ苦かったです。

・正しい台風の起こし方

昭和終盤に生まれてライトノベルにハマった方ならお馴染みの富士見ファンタジア文庫。そこから出版されていた本作が改変されて、Kindle版で自費出版されています。懐かしい。。実はお天気は酒好きの精霊によって管理されていた?!気象精霊による宴会気象ファンタジーです。酒好きな方は色々なお酒が出てきて楽しめますよ。

・念力家族

笹公人さんの短歌集。超常現象に絡めた短歌は読みやすさ抜群。超常現象なんのに「あぁ、なんかわかるかも」と思う歌も多くて、人の普遍性を感じます。

・象は忘れない

ビブリオバトルで紹介しました!ミステリの女王、クリスティーが生み出した名探偵ポアロの実質的な最終作。「象は忘れない」にクリスティーが込めた想いはなんなのか。後期クリスティーの中でもオススメの一冊です。

・変半身

「コンビニ人間」「地球星人」に続く、村田沙耶香作品3冊目。今回は「ポピ原人」と「ポーポー様」が出てきます。読み進めるほどに、ファンタジーとリアリティの狭間が揺らぎ、勢いに任せて一気読みしてしまいました。言語化したいので、読んだ人は教えてください。語りましょう。

・あなたへ

「大事なことほど小声でささやく」と同じ作者の本作。1作読んだら、他にどんな作品を書いているのか気になって読んじゃうことってありますよね。本作は映画を「小説化」したという珍しい流れから生まれています。

・誰も死なないミステリーを君に

人の死が見える女性と友人の男性が、事件を未然に防ぐために奔走するミステリ。青春ミステリの要素も強く、読後感としては爽やかな印象です。本格ミステリ好きには物足りないかもしれませんが、ミステリ初心者やライトミステリがお好きな方にはオススメです。

・共感という病

紛争解決人の視点から、現代の過剰共感社会の問題点を分析したノンフィクション。「共感」という聞こえの良い単語の裏にある欺瞞や分断について実践家の立場から記述されています。

・死刑にいたる病

連続殺人犯が起こした事件のうち1件は冤罪だった?鬱屈とした大学生は死刑囚と出会い、事件の真実を探る。ミステリ好きにはたまらない設定で気になっていたのですが、映画化されるとのことで、まずは原作を読んでみました。死刑囚の語る言葉は真実なのか。重厚さはないですが、サラッと読めて楽しめました。


(11月のオススメ本:この一冊!)

「共感という病」 永井陽右 かんき出版

現代は「わかりやすさ」が求められる時代です。どんな専門家であっても、専門性について語る時には「本当に頭が良い人はどんな人にもわかるように伝えることができる」という言説を皆が信じ、社会の中に広がっています。
しかし本当にそうなのでしょうか。確かにわかりやすさは、大衆に対して強いメッセージを放ち、それは世間の共感を生みます。しかしそのような共感重要視が行き着く先は?

本作の中で、著者は共感の特性を2つ挙げています。1つは全員ではなく特定の人にしか当たらないという「スポットライト的性質」、もう1つは自分にとって照らすべきだと思えた相手にしか照らさない「指向性」です。これらの特性ゆえに、「共感」は個々人の認知バイアスに影響され、過剰になると、自分の味方とそれ以外を分け、結果として社会の分断を生むと述べられています。
そして、今この時点でも、遠い世界にだけではなく、「共感されにくい弱者」はたくさんいます。過剰な共感社会が行き着く先は、こうした「共感されにくい弱者」を「自己責任」「自業自得」という名目のもと、切り捨ていくことではないでしょうか。果たしてそれは、目指すべき姿なのでしょうか。

「共感」を様々な切り口で語りながら、紛争解決という著者の経験をもとに、現代社会の問題を分析する本作は、今のSNS社会に生きる私たちに重要なリテラシーを与えてくれるように感じました。
難しい言葉は使われず、著者の体験を軸に書かれていて、スッと読むことができますので、あらゆる年代の、あらゆる立場の人に読んでもらいと思いました。

(まとめ)

11月は12冊の本を読みました。ノンフィクション、ミステリ、一般小説、ライトノベル、ファンタジーと色々なジャンルを読むことができて大満足です。
最近、所属している読書会で「ビブリオバトル担当」の役割を担うようになりました。11月に読んだ本のうち、3冊は周囲の人からの紹介をきっかけに手に取って、どれも大満足の内容だったので、本を紹介してくれる読書コミュニティの皆さんに感謝するとともに、ビブリオバトルを含めて、「自分の好き」や「みんなの好き」をやりとりできる場を作っていきたいなーと思っています。
皆さんも「自分の好き」をぜひ教えてくださいね。

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