「――括るなよ。人を簡単に……」
週刊ポストの件。
私の妻は韓国人で最愛の娘は日本と韓国の血を受け継いでいます。
娘が小学生の時に、そのことで傷つき悩む日々が我が家ではありました。
私の書く物語は、今でも悩んでいるかもしれない娘への長い手紙なのです。
懸命に生きる人を、無造作に踏みにじる人々を、私は心底軽蔑します。
私は元自衛官で、昨今の韓国政府のレーダー照射や徴用工問題については、いきどおりを感じています。
だが個々の問題は、是々非々で論ずるべきです。
人を性別や属性、民族、国家で雑にくくり、あおりそしることに何の意味があるのでしょうか?
「――括るなよ。人を簡単に……」
(『深山の桜』P374)
憎悪や偏見を自分の利益のために利用する者のみならず、それらを少しずつ許容してしまう社会が怖い。
無理解、不寛容、無関心、無知……その先に広がるのは不毛の荒野なのです。
人が懸命に守ろうとする大切なものを、無慈悲に踏みにじる者に対して、私は死ぬまで物語であらがっていきます!
覚悟しとけよ!
第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞して自衛隊ミステリー『深山の桜』で作家デビューしました。 プロフィールはウェブサイトにてご確認ください。 https://kamiya-masanari.com/Profile.html 皆様のご声援が何よりも励みになります!